RCE-2022S-4
目標
4. 鉄筋とコンクリートの応力とひずみの関係, 曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート断面の応力の計算(1)
鉄筋とコンクリートの応力とひずみの関係について理解する。
また、設計のために、これらがどのようにモデル化されるかを理解する。
弾性設計法の視点から、曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート部材の応力計算の基本仮定を理解する。
内容
基礎となる力学の原理から展開する
計算方法の成り立つ根拠がわからないまま計算するのは気持ち悪い
わかるtakker.icon*3
ふくしゅう
応力-ひずみ曲線の極大値をpeek強度(ピーク強度)と呼ぶ
https://kakeru.app/af36605caf20838f0b6389985d13242d https://i.kakeru.app/af36605caf20838f0b6389985d13242d.svg
曲線は実験で求める
強度の記号には$ fを使う
弾性設計法の範囲内において、コンクリートの弾性係数$ E_cは、peek強度の$ \frac13の直線の傾き$ \thetaで決める
$ E_c=\tan\theta
ぜんぜん覚えてなくてやばいtakker.icon
とはいえ、いちいち試験して$ E_cを求めるのは、時間がいくらあっても足りない
そこで、土木学会コンクリート標準示方書ではコンクリートの設計基準強度$ f'_{ck}から弾性係数を導出することにしている
研究した結果、その導出式であれば安全性を担保できるとされている
示方書の存在意義
誰が設計しても、同じ安全性を担保するためにある
客観性を保つ
コンクリート構造工学の決め事とか
単鉄筋矩形断面を例にとる
https://kakeru.app/9a775261e1c687d064e35af103cc4ab7 https://i.kakeru.app/9a775261e1c687d064e35af103cc4ab7.svg
圧縮縁(鉄筋コンクリートの圧縮側の端)から鉄筋の中心までの高さを有効長さ$ dと呼ぶ
depthのd
断面の幅は$ bで表す
圧縮縁から中立軸までの幅を中立軸位置と呼ぶ
長さの単位は$ \rm mmを使う
鉄筋断面積は$ A_sを使う
stainlessのs
Young率比
梁の話をしている
梁断面
単鉄筋矩形断面の計算
鉄筋コンクリートのひずみの三角形分布
鉄筋のひずみ$ \varepsilon_sとコンクリートのひずみ$ \varepsilon_c'は等しいと仮定する
https://kakeru.app/46f0b4294ca7edf4ff09a6fff9ea1f3e https://i.kakeru.app/46f0b4294ca7edf4ff09a6fff9ea1f3e.svg
引張側には$ 'をつけないので、鉄筋側のひずみは$ \varepsilon_sで表す
応力の分布
コンクリートの引張応力は無視してしまう
https://kakeru.app/fb144f343b8e7cacb3dcf7adb347db04 https://i.kakeru.app/fb144f343b8e7cacb3dcf7adb347db04.svg
鉄筋の引張応力は$ \sigma_s=E_s\varepsilon_sとなるが、このままだと応力分布直線に乗らない
そこで$ \frac1nをかけて、直線分布が成り立つよう図形上辻褄を合わせる
$ \frac1n\sigma_s=E_c\varepsilon_s
https://kakeru.app/da29150f2b6c0f1d9d147b2408d6f05b https://i.kakeru.app/da29150f2b6c0f1d9d147b2408d6f05b.svg
色々定義
$ C_c': コンクリートの圧縮合力
$ C'_c=\int\sigma_c'\mathrm{d}x\mathrm{d}y=\frac12\sigma_c' bx
$ \sigma_c'は圧縮縁応力
$ T: 鉄筋の引張合力
鉄筋断面において一様な応力$ \sigma_sが働くとする
$ T=\sigma_sA_s
各合力の作用点間距離は$ d-\frac13xになる
$ \frac13xは、圧縮縁からの$ C_c'の作用点
中立軸位置の決定方程式を導出する
軸力0と三角形分布の幾何学的相似による導出
軸力がないと仮定すると、偶力(つまり曲げモーメント)のみが働くから、
$ C'_c=Tー①
となる
三角形分布の幾何学的相似より
https://kakeru.app/7cf2f78319ed26184c82c9e51b0de5a2 https://i.kakeru.app/7cf2f78319ed26184c82c9e51b0de5a2.svg
$ \frac{\sigma_c'}{x}=\frac{\frac1n\sigma_s}{d-x}
$ \iff \frac1n\sigma_sx=\sigma_c'(d-x)ー②
$ \therefore①\land②\implies\sigma_c'bx=2\sigma_sA_s\land \sigma_sx=n\sigma_c'(d-x)
$ \implies bx^2=2nA_s(d-x)
$ \underline{\iff \frac12bx^2-nA_s(d-x)=0\quad}
中立軸位置が幾何中心になることによる導出
『鉄筋コンクリート工学 三訂版』に載っている方法
換算断面を用いて幾何中心=0の式を作る必要がある
この辺はRCE-2022S-3に書いたtakker.icon
いずれの方法でも、以下の中立軸位置の決定方程式が導出される
$ \frac12bx^2-nA_s(d-x)=0
中立軸位置の決定方程式の解
先に以下の係数で無次元化してから解く
中立軸位置係数$ k:=\frac{x}{d}
有効高さのどのあたりに中立軸があるか
鉄筋比$ P:=\frac{A_s}{bd}
鉄筋コンクリート断面積に対する鉄筋断面積の割合
$ \implies\frac12bd^2k^2-nPbd(d-kd)=0
$ \iff\frac12k^2-nP(1-k)=0
無次元化した中立軸位置の決定方程式
$ \iff\frac12k^2-nP(1-k)=0
例題
$ b=1000\mathrm{mm}
$ d=400\mathrm{mm}
$ n=8.4
$ A_s=1940\mathrm{mm}
then
$ k\simeq0.2464
計算法を理解し、使えるようになる
構造力学の原理で説明できるようになる
✅@2022-10-05T09:00D90 RCE-2022S-4
#2022-10-05 08:54:14
#2022-08-09 10:38:28