知の歴史学
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from 2021/06
知の歴史学
イアン・ハッキング
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知の歴史学 | NDLサーチ | 国立国会図書館
知の歴史学 | イアン・ハッキング, 出口 康夫, 大西 琢朗, 渡辺 一弘 |本 | 通販 | Amazon
2012年
中古価格、高すぎ
定価 6,050円?
在庫なし
Amazon.co.jp: Historical Ontology (English Edition) 電子書籍: Hacking, Ian: Kindleストア
https://gyazo.com/4a160255c409daccd9a9433138d3bcb3
2004年
英語
キンドルあり
レビュー:自らの哲学への入門書
昨年末に邦訳が刊行されたハッキングの『知の歴史学』の訳底本。ハッキングの英文は明快明晰で読みやすい。本書は体系的に執筆されたのではなく、書評紙に掲載されたエッセイ、招待講演をもとに加筆修正して1冊にまとめあげられたものだが、あたかの構想の上執筆された著書のごとく読めるのが特徴である。全部で15論文、巻末に引用文献一覧、初出一覧そして索引(邦訳は人名のみだが、英文の本書には事項も収録されている)が揃っており、著者の精緻な分析的読解のためには本書が良い。
巻頭のHistorical Ontologyを含めて、認識論の位置づけを20世紀哲学の主潮である分析哲学の学徒であった著者如何にフーコーの認識論である『言葉と物 : 人文科学の考古学』や『知の考古学』に刺激されながら、共有される認識論を経て、リチャード・ローティの『哲学と自然の鏡』に象徴される認識論の基礎づけの意味、分析哲学のそれとフーコーの認識論構成を比較しながら、合理的で現実的な認識論を位置づけそこから歴史的存在論への架橋を試みる。以下、このパースペクティヴのもとに伝統的な哲学的課題から逸脱したかのようなテーマを、精緻に解釈しながら、近代哲学の埒外に見えて、哲学の大きな課題である夢の意義をデカルト、ライプニッツ、フロイト、ヴィトゲンシュタインから彼の弟子マルコムの夢の分析など20世紀後半の分析を踏まえて、この課題の意義を詳説する。実に興味深い著者ハッキング自身による自らとフーコーとの幸福な関係をベースにした自らの哲学への入門書である。
知の歴史学 - 岩波書店
ここにあるのは,ありとあらゆる「機会」に書かれたエッセイなのだ.とはいえ,これらの論文の間には二つの互いに密接に関連したテーマが見て取れる.一つは,哲学者が歴史を利用するための,いくつかの新しいやり方を提案しようというテーマ.もう一つは,ミシェル・フーコーの初期の「知の考古学」に対する私なりの活用法をご紹介するというテーマである.
概念分析とフーコー流の知の考古学とを織り合わせ,現代哲学の潮流を変えてきたハッキング.自らの方法を「歴史的存在論」という形で提示した論文をふくめ,『言語はなぜ哲学の問題になるのか』から『何が社会的に構成されるのか』に至る,四半世紀にわたる活動を一望する論集.著者自身による「ハッキング入門」.
フーコーとハッキングの二人の哲学者を同時に理解できる試金石的著書
確率の出現
イアン・ハッキング と ミシェル・フーコー の関係
目次
はじめに
第1章 歴史的存在論
第2章 五つの寓話
第3章 哲学者のための二種類の「新しい歴史主義」
第4章 ミシェル・フーコーの考古学
第5章 ミシェル・フーコーの未熟な科学
第6章 人々を作り上げる
第7章 自己を改善すること
第8章 いつ,どこで,なぜ,いかにして言語は公共的なものになったのか
第9章 歴史言語学についての夜想
第10章 根底的誤訳など現実にあったのか?
第11章 言語,真理,理性
第12章 歴史家にとっての「スタイル」,哲学者にとっての「スタイル」
第13章 ライプニッツとデカルト――証明と永遠真理
第14章 哲学的心理学者ヴィトゲンシュタイン
第15章 ドリームズ・イン・プレイス
訳者あとがき
初出一覧
引用文献
人名索引