1973年6月 チュードア、夏のワークショップにて参加者とともに《Rainforest》の巨大バージョンを制作・発表する。
日付:1973年6月21日〜7月8日
小咄:
1968年3月、チュードアはかねてから夢見ていた、電気信号を物理的振動に変換するトランスデューサーをさまざまな物体につけることでそれぞれ固有の反響特性を持つ「楽器スピーカー(instrumental loudspeakers)」のオーケストラを制作するというアイデアを《Rainforest》という作品として初演する。それから5年経った1973年の夏、チュードアは現代音楽フェスティヴァル「New Music in New Hampshire」内でワークショップを開催し、集まった若い参加者たちに《Rainforest》の原理と仕組みを教え、各自に思い思いの物体を選ばせ「楽器スピーカー」を自作させた。ただし、集まった若者たちのなかには、音楽的なバックグラウンドを一切持たない代わりに彫刻を手がけていた人なども含まれていたため、制作過程において参加者のイニシアチブによって、物体が巨大化しはじめる。ワークショップ最終日に行なわれた成果発表のコンサートでは、大きな納屋のなかに吊るされた数々の楽器スピーカーの「熱帯雨林(rainforest)」のなかを観客は歩きながら、数時間に渡る演奏を経験した。このように環境全体を楽器として演奏しながら、それぞれの観客に自由にその内部を探索させるパフォーマンス形態は、IEIEでさらにスケールを拡張して模索されることになる。このときのワークショップの参加者たちはそれから3年後に、チュードアとともにComposers Inside Electronicsを結成する。
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