B.参考04:生成AIをめぐる3つの旅(1)
生成AIをめぐって旅をするつもりで読んでほしい.まずは生成AIを理解する旅から始めよう.
★以下,📝欄では実際にメモを取りながら実習を進めること.
※メモは手書きでもPCでも構わない.ファイル名も自由.保存先は「実習ディレクトリ」にしておくこと.
◎1◎生成AIを理解する: 生成AIって何でできてる?
◎成り立ち・仕組み: ← 理系なんだから「中身」を理解(する努力を)しよう!
ざっくり学習:東京大学 松尾豊教授による資料
※自民党AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム 第2回会合での資料( 2023年2月17日 )
これを読めば一通りの知識はつく.SNS等で話題になった文書.
生成AI:データセットを学習して質問の答えに近いデータを見つけて回答する対話システム
生成対象=言語( 文章 ),画像,映像,音,プログラム,自動システム制御 etc.
適用範囲:アート,文筆,ソフトウェア開発,ヘルスケア/医療/創薬,金融,気象,研究,行政,ゲーム,マーケティング,ファッション etc.
キーワードはLLM,GAN,GPT
LLM:Large Language Model:大規模言語モデル
GAN:Generative Adversarial Network:敵対的生成ネットワーク
GPT:Generative Pretrained Transformer:日本語定訳はなし
※強いて訳せば:生成的事前学習済みトランスフォーマ
← Transformerは深層学習モデルの一種でGPTやGeminiの生みの親
📝生成AIの構成,理論,キーワードについて調査して整理しなさい.そのうえで自分が疑問に思うこと,理解しきれない点などをコメントしなさい.
◎歴史的背景:AIの歩み
理論の萌芽は1940年代(80年前)から
なぜ最近急に話題に?
※ChatGPTは2022年11月30日に公開 → ユーザ数は公開後5日間で100万人、2ヶ月間で1億人突破
答)大規模言語モデル(LLM)が根付いたため(2018年頃)
📝生成AIの発明と発達の歴史について調べ,整理しなさい.上記にない情報があれば特記しなさい.また,感じたことをコメントしなさい.
◎生成AIの種類
生成系AIは言語や画像が有名だが,それだけではない.
上の記事では9種類挙げられている.
code:生成系AIの種類
1. チャットAI
2. テキスト生成AI
3. 画像生成AI
4. 3Dモデル生成AI
5. 3DスキャンAI
6. 音声合成AI
7. 音声認識AI
8. 音楽生成AI
9. AIエージェント
チャットAIとは
← 「人工無脳」と呼ばれていたのが懐かしい……
画像生成AIとは
音生成AIとは
※音関係は主に「音楽生成」「(人の)音声生成」「効果音(音楽以外の音)生成」に分かれる.それだけ音の世界は広く深い(と思う by Fujii).
📝生成AIの種類について,自分が最も興味を惹かれるものは何か,それはなぜかをコメントしなさい.
◎生成AIサイト紹介
主だったサイト:開発元:公式サイトを挙げておく.
言語系
画像系
音楽系
※他にもいろいろあるので各自調べてみよう( 殆どが英語サイト )
※上記開発元で利用可能なAPI( プログラムで利用可能なライブラリ )を使った2次的なAIサービスも数多く展開している
※利用方法はそれぞれのページで調べよう
※各サイトには利用上の注意が書かれているので理解した上で利用すること.著作権については今後は厳格化すると予想されるので,特に注意すること.
📝上記以外で見つけた生成AIサイトと,2次的AI利用サービスを調べ,リストしなさい.また,自分が使ってみたいと思えるサイトと,その理由をコメントしなさい.
◎2◎生成AIのニュース,関連記事
毎日ほどニュースに事欠かない生成AI.以下に例を挙げてみた.
https://www.cnn.co.jp/storage/2022/09/07/7d644ce9d7add9ccf5cb25d4d40ae69c/t/768/432/d/thtre-dopra-spatial-ai-generated-art-super-169.jpg
2022年8月,米コロラド州美術コンテスト新人アーティスト部門「デジタルアート・デジタル加工写真」分野で1位獲得
piconの「AIチャットくん」:ChatGPTの二次利用
※その他,毎日ほどニュースが上がっている.画像系ならInstagramやPinterest,文字系ならTwitterなどで頻繁に話題になっている.各自調べてみよう.
📝最近の生成AI関連の面白いニュースとリンクをメモしなさい.自分の感想があればコメントしなさい.
◎3◎生成AIのメリット/デメリット
生成AIの得手不得手を整理しておく.ただしこれは2024年現在のもの.生成AIの能力・特性は刻々と変化している.
◎メリット:得意なこと
●要約する:長文の理解を助ける,ネット情報を要約する
●提案する:あるテーマについてのアイデアをリストアップする,企画書を作成する
●概要調査する:あるテーマをざっくり紹介したり調査する( ただし時々嘘 )
●対話で解決する:もやもやしてることを対話で少しずつクリアにしていく
●対話で仕上げる:できあがりつつある中身をブラッシュアップする,間違いチェックや語彙統制チェック
▼デメリット:不得意なこと
●up to dateな最新情報の収集・評価
例:昨日起きた火事,今朝起きた列車事故による遅延
※Copilotは2021年まで,GPT-3.5は2022年1月までしか答えられない(2024年4月現在).GPT-4やGeminiは「昨日の事故」も答える
← 最近のAIは克服してきた.が,近々の情報は学習量が少なく,信憑性が高いとは言えない.
●コアなジャンルの専門的な議論
学会の研究会レベルの議論相手にはならない
※特定の最先端テーマの研究者は数が少なく,また競争のために互いに秘匿している
参考文献の調査は可能だが,最新情報は困難
●幻覚(ハルシネーション)をゼロにできない
← なぜか?原因を生成AIに聞いてみよう
●生成AIの未来予想図が描けない
生成AIが起こす変革の全貌を誰も知らない
生成AIの性能の限界はくるのか?
例:パラメータが爆発的に増加した時の振る舞いは?
※パラメータ数:GPT-1=1.17億 → GPT-4=1.7兆(推定)
解明されていない機序:「AIは謎のブラックボックス」?
GPT(Generative pre-trained transformer)のような現代の言語モデルは、特定のタスクにおいて人間に匹敵する能力を発揮するが、認知モデルとしての妥当性は不確かになっている。たとえば、回帰型ニューラルネットワークの場合、人間が学習しないパターンを学習したり、人間が学習するパターンを学習できずに失敗することが知られている。
●著作権・知的所有権の問題がクリアにならない
法的な整備が常に後手になる ← 変化が早すぎる
AI生成物の扱いについて国際的・民族的・宗教的な合意が取れるのかは不明
📝生成AIの得手不得手について,調べてまとめなさい.自分のコメントをいれるのを忘れずに.
◎4◎生成AI(人工知能)をめぐる評価
分かれる評価:今後の社会への影響はいろんな噂が……
「AIは社会悪」←→「AIこそ人類の未来」
「AIが職業を奪う」←→「余暇が増えて豊かな生活」
「AIのせいで子供が阿呆になる」←→「AIは素敵な先生」
「AIが戦争を生む」←→「AIが平和を生む」
📝生成AIの評価について,上のリストを参考に,賛成 ― 反対の意見を調べて整理し,自分の意見もメモしなさい.
★以下に関連記事の例を挙げておく.
推進派:
反対派:
以上.
2024/4/30