十八時の音楽浴
海野十三作
著作権保護期間満了につき、青空文庫等で読める作品です。
青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/865_23818.html
概要
戦前に発表された、日本におけるディストピアものの古典。
毎日十八時にある音楽を聞き、生産性を向上させることを国民の義務とするミルキ国が舞台。
おすすめポイント
同時代の雰囲気を反映したディストピア。
本作は1937年に発表された作品です。1937年、昭和12年の7月7日に盧溝橋事件が勃発し、日中戦争がはじまります。戦争を目前とし、国中が海外への進出に向けて国力の増強へと傾いていた時代の不穏さを背景とした作品です。
さすがに80年以上も前の作品なので随所に古臭い部分が見受けられますが、その古くなってしまった部分も含めてこの作品の魅力だと思います。作品の執筆当時と現在とで変わったところと変わらないところ、それらを比較して楽しむことが出来るのが古典作品の魅力です。本作は著作権保護期間が終了しているので、青空文庫等で無料でダウンロードして読むことが出来ます。短篇なのでまとめて一気に読みやすい作品です。
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