第12回写真「1_WALL」審査会レポート
公開最終審査会レポート
2015.5.2 土
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今回で12回目となる写真「1_WALL」。一次審査、二次審査を通過した6人のファイナリストたちがガーディアン・ガーデンに集まり、5月13日(水)、公開最終審査会が行われました。
「1_WALL」の公開最終審査会は、ファイナリストたちが1年後の個展開催の権利をかけてプレゼンテーションを行い、審査員が審議をしてその場でグランプリを決める、若手作家を発掘するための審査会。今回も、グランプリの行方を見届けようと大勢の一般ギャラリーが見守るなか行われた、公開最終審査会の一部始終をお伝えします。
FINALISTS
※プレゼンテーション順・敬称略
JUDGES
高橋朗 / Sayaka Takahashiさん(PGIギャラリーディレクター)
町口覚 / Satoshi Machiguchi(アートディレクター、パブリッシャー)
※50音順・敬称略
進行
菅沼 比呂志 (ガーディアン・ガーデン プランニングディレクター)
今年はじめての真夏日となった5月13日、公開最終審査会の会場に今回の写真「1_WALL」のファイナリストが集まりました。
ガーディアン・ガーデンで作品をチェックし終えた審査員が会場へと入場し、第12回 写真「1_WALL」の公開最終審査会がスタート。6人のファイナリストによるプレゼンテーションが、いよいよはじまりました。
プレゼンテーション & 質疑応答
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錦 有人「波欠け」
「波欠け」とは、海に面した家々を根こそぎ奪っていくという、新潟県の角海浜特有の海岸浸食現象のこと。この波欠けによって海に沈んだ集落「ヒカリ」は、江戸時代末期の地図に今もその名を残しています。時代を越えても痕跡として残っていく部分が、写真と似ている。そこに気づいた時から興味を抱きはじめ、角海浜の写真を撮り続けてきました。
Q.菅沼:ポートフォリオには様々なタイプの写真があったが、展示写真はどのように選んだの?
A.錦:毎年、その年で一番海が荒れた日の翌日に集落の遺留品が浜に打ち上げられると聞き、撮影した中で一番荒れていた日に撮った十数点の写真から9点を選びました。
Q.菊地:なぜ、一番海が荒れた日を選んだの?
A.錦:「波欠け」という現象の原因はわかっていません。しかし、天気が荒れた日と何らかの関係があるのではないか、と思っているからです。
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photo maker「ベイマックス半澤」
自分の写真を撮られることを恥ずかしがるようになった、半澤くん。恥ずかしがるあまりにブレてしまう、彼の写真を展示しました。椅子を展示作品の前に並べたのは、座ってじっくりと鑑賞してもらえたら面白いかなと思ったから。座って観てもらうことで、ブレている感じがよくわかるかと思います。
Q.町口:「photo maker」という名前の由来は?
A.photo:偽名にしたいと思った時に、写真作品をつくる人という意味で一番最初にこの名前を思いつきました。略して「フォトメ」と呼んでもらえたら嬉しいです。
Q.土田:壁の写真作品に対して、向かい合うように置いてある椅子がかなり近い距離に配置してあったが、これは意図的にこの距離にしたの?
A.photo:壁から90センチ以内という今回の展示の規定があったからですが、もっと離したかったわけではなく、結果的にこの距離でよかったと思っています。
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青木 陽「反転スペクトル、サークル」
僕は、あらゆるものの些細な部分や、普段は見過ごしてしまうようなものに惹かれます。個人を形成しているのは、案外そんなものの集まりなのではないかと思うからです。最初は1990年代から2000年代の流行だったガーリーフォトの流れを汲んだ写真を撮ろうとしたのですが上手くいかず、このような作品になりました。断片的な写真の対象たちに目を向けてもらえたらと思います。
Q.町口:今回、たくさんの枚数を展示しているが、個展プランではどのようにしたい?
A.青木:横一列に並べてもう少し余裕を持った展示方法にしたいと思っています。今回の展示も、実は一列に並べて4枚くらいに絞ろうかとも思ったのですが、観てくれる方にたくさんの写真を観てもらいたいと考え、枚数を多くしました。
Q.土田:バスタブ、海岸など水に関する写真が多いが、これはなぜ?
A.青木:展示作品としてまとめようと思った時に、「水」というテーマで何枚か選んだからです。また、バスタブの写真は上手く撮れたので、特に観てもらいたいと思いました。
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阿部 直樹「空洞」
「強調」と「省略」の共存をテーマに作品を制作しました。写真のまわりに多めの余白をとり、写真の大きさもそれぞれ、はっきりとは違いがわからない程度に変えてみて、安定さと不安定さを表現しています。個展では、作品の左右、上下に今以上に多くの余白をとって、広がりが生まれるような展示にしたいと思っています。
Q.菅沼:規定のキャプション以外に、写真がいつ、どこで撮られたものか記載したキャプションをいっしょに展示しているが、これはなぜ?
A.阿部:写真を撮った当時の自分がどのように感じたかを記録として残すためと、写真だけだと現実離れしてしまうかもしれないので、日付や場所を提示することによって観てくださる方を現実世界に引き戻すという効果も狙ったからです。
Q.鷹野:個展でも、今回と同じシリーズの作品を展示するの?
A.阿部:いつもは作品ができあがってから展示場所を選んでいますが、「1_WALL」は先に場所が決まっている展示。今回の展示とは、少し違う雰囲気になるかもしれません。
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土志田 みかる「2012-2015」
憧れの女性を、ひと月に一度のペースで数年間撮り続けた作品です。一度だけ、数ヶ月間彼女に会わない時期があり、再会すると彼女は劇的に痩せていました。その時、当初感じていた魅力が薄れ、撮ることをやめようかとも思ったのですが、撮り続けることにしました。時間の流れとともに、彼女が得たものや失ったものを写真から感じ取ってもらえればと思います。
Q.高橋:ポートフォリオだと時間の流れがわかりやすかったのだが、展示ではわかりにくい。どのように写真を選んで展示したの?
A.土志田:彼女が気に入っている写真を中心に選びました。1ページずつページをめくっていくポートフォリオと違い展示では観てもらう順番を決められないので、あえていろんな時期の写真を展示して、観てくれる方に時間の流れが伝わるかどうか試してみたかったんです。
Q.土田:顔の表情があまり写っていないが、それはなぜ?
A.土志田:展示ではスペースが限られているので、からだのフォルムがよく写っているものばかりに限定して展示したからです。
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石田 浩亮「YUME NO SHIMA CRUISE」
目の前で起こるできごとにインスピレーションを受けて撮る写真と、あらかじめラフを描いて被写体の方に指示をして撮る写真、二つの種類の写真を展示しました。また、展示することの意義を考え、壁を目一杯使うことを心がけました。個展のプランはまだなく、このまま撮影し続けていくなかでじっくりと構成をたてていきたいと思います。
Q.鷹野:個人的にはエロティックな印象を受けるが、そこは意識している?
A.石田:はい。裸や行為を見せるようなエロティシズムではなく、広い面でそんな風に感じてもらえたらと思いながら制作しました。
Q.菊地:今回の展示では、どのような考えで写真を配置したの?
A.石田:展示はいろんな位置や角度から観ることができるので、強いイメージの写真をあえてばらばらに配置して、どこから観ても印象が変わらないようにしました。
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講評&審議
今回の「1_WALL」について
町口「ポートフォリオではよくても、展示になると評価が下がってしまうものが多い。それでも今回は平均点が比較的高く、選ぶのが難しい。」
鷹野「優劣をつけがたい。どうしたらいいのか悩みどころだ。」
菊地「全員にプレゼンテーション能力はあるし、ポートフォリオでの見せ方もわかっている人ばかり。しかし、展示はそこまでのレベルではなく、ギャップを感じた。」
高橋「飛び抜けていいと思う人はいなかった。6人とも展示に慣れていない印象を受けた。」
土田「誰かひとりに決めなくてはと思っているのだが、突出している作品はない。」
続いて、ファイナリスト一人ひとりの作品について審査員の方々に語ってもらいました。
錦 有人「波欠け」について
鷹野「展示された写真すべてが猛吹雪のときの写真のはずなのだが、展示作品全部がその時の写真だったために打ち消し合ってしまい、逆にその凄さが感じられなかった。もっと効果的な展示方法があったのではないか。」
町口「ポートフォリオには場所がはっきりとわかる写真があったが、これではどこを写したのか全くわからない。それに、吹雪にも見えなかった。」
菊地「ドキュメンタリー性が感じられない。記録的というより、紙芝居のようにつくりこまれた写真のようだ。」
高橋「作品として扱うにはどこか足りない部分がある。それは、本人にしっかりとしたテーマがないからかもしれない。」
土田「彼は、この作品をつくる上で社会的な視点と私的な視点、どちらで制作していけばいいのか迷っているのではないか。その辺りを整理してみてほしい。」
photo maker「ベイマックス半澤」について
町口「観ていて一番楽しませてくれる作品だった。いい加減に見えて、実はそうではないところが好き。ぜひ今後に期待したい。」
土田「彼は、真面目にやらずに逃げている部分がある。面白い感性を持っているのだから、もう少し真剣に作品づくりをしてほしい。」
高橋「彼にしかわからない美学のような、譲れないものを持っている人。作品の前に椅子を置き、鑑賞する人に写真だけを見させるように拘束することは、他の人にはなかなかできない。ある意味すばらしい。」
鷹野「作品の数が少なく、判断しにくくて不安を感じてしまう。しかし、それも彼にとっては計算のうちなのかもしれない。」
菊地「6人の中で、一番客観的に作品を展示できていると思う。彼のセンスはとてもよく、クールで洒落ている作品だ。」
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青木 陽「反転スペクトル、サークル」について
菊地「ガーリーフォトを意識したことは、作品から伝わってきた。その上でオリジナルの作品になっていると思う。クオリティーが高い。」
高橋「90年代の作家たちの流れを取り入れつつ、上手く仕上がった作品。プリントもきちんとされていて、そこも評価したいポイントのひとつだ。」
町口「写真の枚数をもう少し減らして、サイズを大きくしてみる展示もありなのかもしれない。今回の展示は枚数が多く、個展がどうなるのか想像できてしまい、惜しい感じがする。」
鷹野「観てくれる人にこう感じて欲しい、という思いがいくつかあって、そのせいで散漫な印象の作品になっている。個展をやるとしたら1年間の猶予があるので、その間に考えをまとめていってほしい。」
土田「展示する写真の選び方の幅が広く、基準が曖昧になっている。全体的にノスタルジックな雰囲気で、一昔前の時代のような印象を受けた。」
阿部 直樹「空洞」について
高橋「全部の写真を同じサイズにするなど、展示方法はノーマルにした方が、彼の考えていることが表現しやすかったのではないかと思う。」
町口「写真の中身や内容についての話が出てこなくて残念。見せ方ばかりに気持ちが向いていて、写真に対しての思いが疎かになっている気がする。」
菊地「基本的には好きな作品だが、テーマが漠然としている。もっと具体的なテーマを持ってほしい。」
鷹野「作品のイメージサイズを微妙に変えているため余白の大きさも微妙に違い、そこが気になって画面に集中しにくかった。」
土田「視覚的な部分にこだわりすぎている。シンプルな写真でまとめた展示方法については、成功したと思う。」
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土志田 みかる「2012-2015」について
町口「ひとりの人物をずっと撮り続けているというスタンスが好き。だからこそ、そのよさが伝えきれていない展示になってしまい、残念だ。」
高橋「時間というテーマが感じられなく、もったいない。作家としての自覚が足りない。」
土田「人物を撮る写真の暴力性を、本人は感じていないようだ。タイトルも、別なものに変えた方がいい。」
鷹野「自然と目のいく綺麗な写真があり、それが土志田さんの魅力。残念な部分もあるが、これがベストな展示だったとも見ることができる。」
菊地「作品をつくり続けるべきだとは言わないが、作品と正面から向き合い真剣に取り組んでみたら、その先に何かが見えるはずだ。」
石田 浩亮「YUME NO SHIMA CRUISE」について
菊地「ポートフォリオの段階では、展示は上手くいくはずがないと思っていたが、案外いい出来になったと思う。どの写真も好きだ。」
鷹野「写真はどれも魅力的だったので期待していたが、展示はそれを生かしきれていない印象で少し残念。もっといい展示方法があったはずだ。」
高橋「石田さんの写真はとても好き。ポートフォリオには他にもいいものがいっぱいあったのだが、展示は少し古くさい印象を受けた。」
土田「自分の撮りたいものへまっすぐ無我夢中に突き進む姿勢がいい。今は同年代ばかりを撮っているが、撮る被写体の対象を広げてみると、写真の魅力も広がるかもしれない。」
町口さん「展示に期待していたのだが、残念な印象。写真のよさを表現できる方法がもっとある。」
審査員の賞賛の声や辛口コメントが次々と飛び出すなか、いよいよグランプリを決定する投票へ……。
ファイナリストの中から審査員がそれぞれ二人を選び、順に発表していきます。
投票結果
菊地:photo maker・青木
鷹野:青木・石田
高橋:青木・石田
土田:錦・阿部
町口:photo maker・土志田
結果は、青木 3票/photo maker 2票/石田 2票/錦 1票/阿部 1票/土志田 1票となりました。
6人全員に票が入りましたが、票数の多い青木さん、photo makerさん、石田さんの3人でふたたび投票を行うことに。
まずは3人のうちのいずれかに投票した審査員に、応援演説をしてもらいます。そして、土田さんはこの3人のうちの誰にも投票しなかったので、グランプリの行方は必然的に土田さんの手へと委ねられることに……。
photo makerへの応援演説
菊地「彼なら、個展で何か大きなことをやってくれそうだ。」
町口「個展を観てみたい!と思わせる力がある。」
青木 陽への応援演説
鷹野「彼ならやってくれそう、プレゼンテーションも論理的でよかった。」
高橋「写真の選び方を変えればいい個展になりそう。」
菊地「展示のクオリティーが高かった。腑に落ちない説明もあったが、それもまたいい!」
石田 浩亮への応援演説
鷹野「これは男の色気を写した作品! ありそうでなかった作品だ。」
高橋「個展に向けて課題は多くあるが、彼には撮る力がある。」
そして、3人の中からグランプリを選ぶ二回目の投票へ。
審査員は、一人一票投じます。
結果は……
青木 3票/photo maker 2票
グランプリは、ついに青木 陽さんに決定!
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会場が拍手と熱気で包まれる中、土田さんから青木さんへトロフィーが手渡されます。土田さんは最後の投票で青木さんへは投票しなかったようで、辛口コメントを交えつつも「彼には作品をまとめる力がある。ぜひ個展にも期待したい。」との言葉を青木さんへ贈りました。グランプリを獲得した青木さんは、「グランプリをとれる自信も心の奥にはありましたが、実際にとることができてびっくりしています。ありがとうございます。」と驚きを隠せない表情でありながらも嬉しさを述べてくれました。そして、ファイナリスト全員へ記念品が手渡され、最後には青木さんを囲んで全員で記念撮影へ。今回で第12回目となった公開最終審査会は、興奮覚めやらぬまま幕を閉じました。
青木 陽さんの個展は、約1年後にガーディアン・ガーデンで開催される予定です。みなさん、どうぞお楽しみに!
公開最終審査会を終えたばかりのファイナリスト一人ひとりに話を聞きましたので、ぜひご覧ください。
FINALISTSインタビュー
錦 有人さん
「1_WALL」は、以前から応募してみたいと思っていたコンペティションのひとつ。今回、はじめて参加して最終審査まで残れたことを嬉しく思っています。今回、ひとつの壁で展示するというのはとても難しく、プレゼンテーションの大切さも改めて感じる結果となりました。この作品はこれからも追求して制作を続けていきたい。作品を撮りためたら、また応募します。
photo makerさん
自分の作品は、審査員の方に受け入れてもらえないのではないか。そう思っていたら、最後は接戦だったので嬉しい反面、とても悔しい結果となりました。でも、「1_WALL」がすべてではないので、これを機にステップアップしていこうと思っています。将来は海外でも活動していきたい。ファッション写真でこの星の一番になります!
青木 陽さん(グランプリ決定!)
「1_WALL」の前身である「ひとつぼ展」の時から何度か応募していたので、念願のグランプリをとることができてほんとうに嬉しいです。審査員の方からさまざまな意見をいただきましたが、自分が考えていること、表現したかったことはほとんど伝わったので、そこにも満足しています。1年後の個展についてはまだ不確かなことばかりで、期待していてくださいなどと簡単には言えないのですが、1年間継続的に制作していき、結果を出したいと思います。ありがとうございました!
阿部 直樹さん
審査会を終えて、まずはほっとしています。審査員の方は、思っていたよりもやさしかったですし、たくさんの意見を直接言ってもらえて、ほんとうに勉強になりました。今後の目標は、作品を制作し続けていくことです。自分の作品に変化を感じられるうちは、作品制作を追求していきたいと思っています。
土志田 みかるさん
「1_WALL」に参加するのは今回が3回目です。前回、二次審査まで残ったときに審査員の方に直接意見をいただけて、今回最終審査まで残ることができたと思います。終わったばかりで、今はまだ自分の考えを整理できていませんが、展示をすることの難しさを改めて感じました。今日の公開最終審査会で得たものはたくさんありますので、また「1_WALL」にチャレンジしたいです!
石田 浩亮さん
ファイナリストとして最終審査会の舞台に残ることができ、審査員の方からもたくさんの意見をいただけて、とても嬉しいです。「1_WALL」は、知らない方たちといっしょにグループ展をすることで、さまざまな出会いが生まれる面白いコンペティションです。楽しみながらここまで頑張ることができました、ほんとうにありがとうございます。
第12回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展