数字で見る経営管理ビザ厳格化
国会答弁・政府統計・パブコメ実績から確定した「数字」をまとめる。すべて政府の公式答弁または公的統計に基づく。
規模を示す数字
46,781人 — 在留者総数
経営・管理ビザで日本に在留する外国人の総数(昨年末時点)。エスニック料理店・雑貨店等の経営者が多数を占める。
出典:内藤入管庁次長 答弁(参議院法務委員会 2026-04-21・仁比聡平議員質疑)
41,615人 — 入管庁実態調査の対象
入管庁が令和6年末時点で実施した実態調査の対象者数。ただし「申請書記載事項の範囲」に限定された杜撰な調査であった。
「令和6年末時点で当該在留資格により在留中の方41,615人を対象に調査を行いましたが、当該調査は対象者の直近の申請書に記載された内容を基に把握できる範囲によって実施したものでございまして、詳細な数値をお答えすることは困難であることをご理解いただきたい」
— 内藤入管庁次長(参議院法務委員会 2026-04-21)
影響の大きさを示す数字
9割超 — 旧基準500万円付近で新基準未達
在留者の約9割は資本金500万円程度であり、改正後基準(3,000万円)を満たしていない。
仁比議員:「9割は500万円だったのじゃないですか」
内藤次長:「概ねご指摘のとおりの認識で間違いない」
— 参議院法務委員会 2026-04-21
つまり、改正は現在ビザを保有する外国人経営者のうち9割超を排除する効果を持つ。
約4% — 把握できたうち3,000万円以上
入管庁が把握できた範囲で、現在資本金3,000万円以上を満たしている人の割合。
「当庁として把握できたもののうち資本金の額が3000万円以上であったものは約4%であったものでございます」
— 内藤入管庁次長(衆議院法務委員会 2026-05-08・西村ちなみ議員質疑)
比較を示す数字
8.7% — 日本企業全体のうち資本金3,000万円以上
総務省統計局・令和6年経済センサス基礎調査による日本企業全体の資本金分布。
「令和6年6月1日現在で会社企業全体に占めますお尋ねの資本金3000万円以上の会社企業の割合は8.7%となってございます」
— 総務省統計局参事官(衆議院法務委員会 2026-05-08)
日本企業全体の9割以上も資本金3,000万円未満であるにもかかわらず、外国人経営者にのみそれを要求する。打越さく良議員の指摘する「日本人は1円創業可、外国人だけ法外な引き上げは不公理」の論拠となる数字。
500万円 → 3,000万円 — 6倍の引き上げ
改正前と改正後の金額比較。改正前は「常勤職員2人以上」または「資本金500万円以上」の択一だったが、改正後は「常勤職員1人以上」かつ「事業用財産3,000万円以上」の両方必須。
政府が示した「根拠」の数字
2,000万円超〜5,000万円以下 — 国税庁会社標本調査令和5年度
3,000万円の根拠として政府が示した唯一の出典。
「国税庁の会社標本調査令和5年度のものでございますが、において法人の資本金階級別で欠損法人よりも利益法人が多くなるのは2000万円超5000万円以下の階級であること、諸外国の同様の制度における要件等を参考として検討し、資本金等の額を3000万以上とすることが適当と判断したものでございます」
— 内藤入管庁次長(衆議院法務委員会 2026-05-08)
ただしこの根拠は、(1)日本企業全体の経営傾向データであり外国人経営の中小飲食店には妥当しない、(2)「欠損法人より利益法人が多い」階級は2,000万円超から始まるのに政府は3,000万円を選択した、という問題を含む。
手続を示す数字
702件 — パブコメ意見数
意見公募手続で寄せられた意見数。ただし資本金要件の根本的見直しには至らず、また「日本語要件はパブコメ案には含まれず後から追加された」ことが内藤次長から自認された。
「日本語要件というのが今回かかっているんですけれども、パブコメの時にはそれはなかったということをちょっと補足説明させていただきます」
— 内藤入管庁次長(衆議院法務委員会 2026-05-08)
13人中1人 — 政策懇談会で明確に賛成した委員
「政策懇談会で資本金を500万円から3000万円に引き上げることについて明確に賛成だとおっしゃったのは私が理解しているところお一人、後の委員の方々は慎重意見だったというふうに思うんですけれども間違いないでしょうか」
— 西村ちなみ議員(衆議院法務委員会 2026-05-08)
6日 — 懇談会からパブコメまでの日数
2025年8月20日:出入国在留管理政策懇談会
2025年8月26日:パブリックコメント開始(既に「資本金3,000万円」案が示されていた)
「これ初日にこの懇談会が開かれて26日には既に資本金3000万円という案を示してパブコメにかけているわけですよね、ちょっとあまりにも短期間過ぎはしないかな…懇談会をアリバイ的にやったんじゃないかというふうに私には見えるわけなんですよ」
— 西村ちなみ議員(衆議院法務委員会 2026-05-08)
期限を示す数字
3年 — 既在留者の経過措置期間
施行日(2025年10月16日)から3年(2028年10月16日まで)。それ以降は改正後基準に適合しないことを理由とした更新不許可も「あり得る」。詳しくは 経過措置。 関連ページ
出典
衆議院法務委員会 2026-05-08(西村ちなみ議員質疑)
総務省統計局「令和6年経済センサス基礎調査」
国税庁「会社標本調査令和5年度」