国会審議の記録
経営・管理ビザ要件厳格化(資本金3,000万円要件)について、2026年4月から5月にかけて参議院・衆議院で4議員が質疑を行った。本ページは政府答弁の到達点と主要発言の記録である。
4議員質疑の一覧
2026-04-14
院:参
委員会:法務委員会
発言議員(所属):打越さく良(立憲民主党)
焦点:経過措置・署名提出・「9割を潰すのか」
2026-04-21
院:参
委員会:法務委員会
発言議員(所属):仁比聡平(日本共産党)
焦点:統計的根拠・500万円要件の起源・通算在留期間
2026-04-23
院:参
委員会:外交防衛委員会
発言議員(所属):福島みずほ(社会民主党)
焦点:ペーパーカンパニー対策の無効性・会社法不整合
2026-05-08
院:衆
委員会:法務委員会
発言議員(所属):西村ちなみ(中道改革連合)
焦点:3,000万円の出典・政策懇談会の実態・日本語要件後付け
政府答弁の到達点
数字の確定
在留者総数 46,781人(昨年末)
入管庁実態調査対象 41,615人(令和6年末)
「9割は500万円だった」「概ねご指摘のとおりの認識で間違いない」(内藤入管庁次長/仁比質疑)
「把握できたもののうち資本金3,000万円以上であったものは約4%」(内藤次長/西村質疑)
「日本企業全体に占める資本金3,000万円以上の会社企業の割合は8.7%」(総務省統計局/西村質疑・令和6年経済センサス)
3,000万円の根拠(政府の説明)
「国税庁の会社標本調査令和5年度のものでございますが、において法人の資本金階級別で欠損法人よりも利益法人が多くなるのは2000万円超5000万円以下の階級であること、諸外国の同様の制度における要件等を参考として検討し、資本金等の額を3000万以上とすることが適当と判断したものでございます」
— 内藤入管庁次長(衆議院法務委員会 2026-05-08・西村ちなみ議員質疑)
500万円要件の歴史的起源
「平成12年に策定した在留資格投資経営のガイドラインにおいて…常勤職員2名を雇用して事業を行う場合に要する資金、諸外国の同様の制度における要件と、この当時アメリカとか韓国500万円だったんですけれども、500万円相当だったんですけれども、等を参考として検討し、新規事業を開始しようとする場合の投資額が年間500万円以上であることとしたものでございます」
— 内藤入管庁次長(参議院法務委員会 2026-04-21・仁比聡平議員質疑)
経過措置(4議員質疑で標準化された答弁)
施行日(令和7年10月16日)から3年(令和10年10月16日まで)改正後基準に適合しないことのみを理由とした更新不許可は行わない
3年経過後も経営状況・法人税納付状況等を総合考慮して個別対応
※ 4議員全員の質疑に対し同趣旨答弁
「戻さない」と明言
「改正前の許可基準に戻すことは、現時点では考えていない」
— 平口洋法務大臣(参議院法務委員会 2026-04-14・打越さく良議員質疑)
政策過程の瑕疵(質疑で確定)
当事者ヒアリング不実施:「外国人当事者へのヒアリングではないものの…」(内藤次長/打越質疑)
政策懇談会出席13人中、明確賛成は1人のみ(西村議員の議事録分析)
8/20懇談会 → 8/26パブコメまで6日(アリバイ的開催との批判)
パブコメ案に日本語要件は含まれず後から追加:「日本語要件というのが今回かかっているんですけれども、パブコメの時にはそれはなかった」(内藤次長/西村質疑)
通算在留期間(10年以上の長期在留者)は調査していない:「対象者の在留資格経営管理での通算在留期間については、調査をしておらず、お答えすることは困難でございます」(内藤次長/仁比質疑)
議員側の主要発言
「9割を潰す判断か」(仁比聡平議員)
「9割方の今一生懸命頑張っているお店を潰すという判断を大臣されたんですか」
「コロナ危機・物価高騰の中で真面目に頑張っているお店を潰すのが3000万円」
「3年たったら3000万を押し付けるということでは多文化共生の灯火が消されてしまうんですよ」
「2006年会社法改正・日本人は1円創業可」(打越さく良議員)
「2006年の会社法改正で最低資本金は撤廃された。日本人は1円でも創業できる。外国人にだけ法外な引き上げを求めるのは不公理ではないか」
「お子さんたちは日本の学校で学んで日本語で育ってきた。子どもたちの基盤まで奪うのか」
「諸外国は永住資格を取りやすかったり、全体のことを言っていただかないとつまみ食い」
「悪意あれば残高証明と登記変更で通り抜け」(福島みずほ議員)
「悪意があれば残高証明と登記変更で通り抜けられる。実態調査するしかない」
「3年後に3000万円・6倍にあげたらお店を閉鎖しなければならない」
「何十年 日本でビジネスやってきて帰らなくちゃいけない」
「8.7%しか3,000万円以上はない」(西村ちなみ議員)
「日本の企業の中でも3000万円以上の資本金の企業って8.7%しかないわけなんです…こういった急激な資本金の引き上げということがある意味やはり日本社会としてのちょっとおかしなメッセージとして私は伝わってしまう危険性があるんじゃないかな」
「これ初日にこの懇談会が開かれて26日には既に資本金3000万円という案を示してパブコメにかけているわけですよね…懇談会をアリバイ的にやったんじゃないかというふうに私には見えるわけなんですよ」
平口法務大臣のエスニック料理体験(西村質疑)
「エスニック料理というんで外国人が経営される料理を食べることあります。特にネパールの料理についてですね、そのような体験をいたしております」
— 平口洋法務大臣
動画リンク
福島みずほ(2026-04-23 参外防):動画URL未確認
西村ちなみ(2026-05-08 衆法):動画URL未確認
関連ページ
出典
参議院外交防衛委員会 2026-04-23(福島みずほ議員質疑)
衆議院法務委員会 2026-05-08(西村ちなみ議員質疑)