対偶婚
結婚生活は、基本的には、男が女のもとに通う通い婚 (妻問婚) そのほか男が女の家族と同居する場合や、夫婦が独立して住居を構えることも行われたが、女が男の家族のもとに同居する例は殆どなかった模様 通い婚の場合、新婚早々には男は足しげく女のもとに通ったであろうが、女が妊娠したり、あるいは男に他の思い人ができたりして、その足が遠のきがちになることもあった この場合、結婚は自然と解消され、女は他の男と再婚することもできたようだ
古代には、男の女に対する責任がきつく問われなかったかわりに、女のほうにも相応の自由が保障されていた
女が比較的簡単に離婚を決意しえたのは、後の時代と異なって、女が経済的に男に従属していなかったからだと思われる。先史時代以来の共同体のあり方に守られて、女は男がいなくとも、何とか生きていくことができたのだと考えられる このような男女の情愛だけが裏づけとなっているような結婚の形態を 「対偶婚」 と呼ぶ。 男女はそれぞれ身体一つで結びつき、愛情が途絶えれば配偶者を代えても非難されない 実際古代社会では、男女が互いを好きになること、性行為をすること、結婚することは現代の人が驚くほど単純につながっていました。 好きになったら体の関係を持ち、そのまま結婚し、子供を持つ。 そして、気づいたら別れていることも多くありました。 男性も女性も同時に複数の相手と親しい仲になることがあって、「誰かと付き合っている時はほかの人と付き合ってはならない」 という強い規範はありませんでした。 これを 「対偶婚」 といいます。 対偶婚とは 、現在私たちはおこなっている婚姻形態である単婚 (一夫一婦制) より一段階前の婚姻形態で、一応一人の夫に対して一人の妻という一対の夫婦関係では成立しているが、(1) それは必ずしも夫以外の男性との性関係は妨げず、(2) その関係は長続きしないというものである。 この対遇婚の特徴は学術用語でいうと、① 排他的同棲の欠如と、② 当事者の気の向いている間だけ継続する結婚ということができます。