家族形成
「家族形成」という言葉は,結婚あるいはパートナーシップの形成と,出産あるいは子どもを持つこと,という二つの意味を持つものとして用いられる。 この家族形成には多様なかたちがあるが,その多様さは看過されることが多い。 家族形成と労働との関係を考えるとき,労働は,正規と非正規という,就業条件において大きく異なるかたちを区分して議論され,それが重要な切り口となっている。 しかし,家族形成については,結婚は法律婚というひとつのかたちを前提とし,また子どもは婚内子 (嫡出子) というひとつのかたちを前提として議論されることがほとんどである。 対偶婚家族 : 集団婚から単婚への移行形態で単婚の萌芽 一対の男女からなる配偶関係である点では一夫一婦制に近いが、その関係が刹那的であること、排他的な同棲をともなわないこと、といった点で完全な 「単婚 (一夫一婦制) 家族」 とは異なる