給与交渉
「交渉」って当事者の片方がもう片方の決めたことに従うことではなく、当事者がお互いに情報を出し合いながらお互いにとって好ましい結論を探る作業なのに、給与交渉の話になった瞬間にどっちかが一方的に何かを決めるように誤解する人が増えるのは謎だよね。 「交渉」を「戦争」とか「殴り合い」のメタファーで捉えているか、「協力」や「共同作業」のメタファーで捉えてるのかの違いなのかな?
「会社はどうやって適正な市場価値を算定するのか」ってコメント、会社が算定して社員が従うような誤認があるし、「他者が高い値段を出したらそれに応じるのか」ってコメント、従業員側が価格提示して会社が従うような誤認がある。どちらも交渉として成立してない。
大前提として「心理的安全」が確保されていて、待遇に疑問があったらそれを言える環境なのが大事なのだろうか。言って不遇になるのではと恐れる人もいるが、長年「質問責任」を標榜して、それに真摯に答えることで、会社の側が積み上げてきた「信頼」によって安全な雰囲気が生まれてるのだろう。 #会社に対する信頼 #社会関係資本 たぶんサンゴ礁のたとえと同じで、10年近くかけて目立たない施策をコツコツと積み上げて来て、それが海面の上に少し顔を出したのだ。 海面の上に出た部分だけを見て「理想はわかるがどうやって実現するんだ、地に足がついてない」という人がいる。しかしこれは「理想」ではなく「現実」だ。地に足がついてない「理想」に見えるのは、その人が海面下の積み上げを見てないからに過ぎない。
「サイボウズの今」がキャッチーに耳目を集めがちだけど、知識として有用なのは「サイボウズがこの10年で何をして今のこの状態になったか」だと思う。社長自身による赤裸々な失敗談の本や、社員による色々な情報発信があって公開情報だけでも大分追えるはず。
外部には公開されてないけど、社内での議論や意思決定がグループウェア上の電子データとして残されてるし、経営学上の研究対象としてはかなりやりやすい方なのではないかな。
これをやることは有益だと思う反面、僕は他にもっと優先度の高いタスクがあるからな、と思って何もしないのは「タスクが大きいせいで先延ばしになる現象」なので、タスクを分割してScrapboxに雑な箇条書きを書いておく サイボウズの人事制度