生物調査
当ビオトープ内は1 本の細流が通っており、植栽されたハンノキ#植物調査 を主体とした湿性植生環境を有します。 生物多様性の高い笹窪谷の一角にあるため、多様な環境の生き物が見られます。生物調査の結果次のような種が見られました。
細流があることでオニヤンマ#昆虫調査 やヤマサナエ#昆虫調査 等の流水性の生物、オギ・ススキ#植物調査 を主体とする高茎草地に隣接するためカヤネズミ#哺乳類調査 やシブイロカヤキリ等の草地性の生物、ハンノキ林の林縁部にはクツワムシ等#昆虫調査 の林縁性の生物、細流沿いにはスゲ類#植物調査 やミゾソバ等を始めとした湿性草地が成り立ち、そうした環境を好むキンヒバリ等が見られました。 上記に挙げたような種の多くは良好な環境を指標する生物で藤沢市が行った生物調査でも指標種として設定されています。笹窪谷(ささくぼやと)は市内でも生物多様性の高い場所として認められているため、藤沢市の中では比較的多くの種がビオトープを訪れます。こうした環境下にあるビオトープで、周辺の環境にマイナスの影響を与えず、むしろプラスに働くような環境整備を行うため、生物調査により生き物の反応をモニタリングします。谷戸全体でも課題は多いので、谷戸に足りない環境をビオトープに創出することでプラスに影響すると考えています。
https://gyazo.com/cae15403d77168146cc410b1d40dd2c3
▲看護学部キャンパス手前の樹林が看護ビオトープ。写真の右側にはクヌギ・コナラなどの二次林、看護ビオトープ手前はススキなどの草丈の高い植物が群生する草地で、こうした複数のタイプの環境が隣接することで多様な環境の生き物が確認できます。ちなみに看護ビオトープより手前の草地は藤沢市の土地です。
https://gyazo.com/0fc7f55c921102473a628d03b1081545
▲複数タイプの環境が隣接することで多様な種が見られるというのを示した図。ビオトープ内の水辺、ビオトープ横の草地、ビオトープに優占するハンノキ林および隣接する二次林があることで図のような種が確認されています。写真の種類は各タイプの良好な環境を指標する種で、藤沢市の調査では指標種・重要種に指定されているような種です。幼虫時は草地、成虫時には樹林を利用するヤブキリのように両方の環境を必要とする種も多いため、複数タイプの組み合わせが重要になります。