昆虫調査
昆虫類は全世界で約95万種が知られており、もっとも多様性に富んだ生物の一つと言えます。種によって生息環境の選好性や適応力が異なり、昆虫の種構成からその環境を評価することができます。その中でも環境の指標性が高いグループとして、チョウ、トンボ、バッタ類などを対象に調査を行っています。ビオトープの位置する笹窪谷は藤沢市で最も生物の多様度が高い場所で、多様な昆虫の生息が確認されています。
チョウ類
幼虫の食草となる植物に大きく影響されます。
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▲ツマキチョウ(メス) 成虫は春先にのみ見ることができ、スプリングエフェメラルと呼ばれる。
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▲キアゲハ 幼虫がセリなどを食草とするため湿地に多い。
バッタ類
草地から樹林まで広く分布し、同一環境内に生息する種間でも複数の環境要因が生息に影響します。鳴く虫の代表種とも言えるクツワムシの市内最大の生息地となっています。調査では51種が確認されています。
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▲ヤブキリ 孵化直後は花粉などを食べるが、成長とともに肉食性が増し、獰猛になっていく。
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▲クツワムシ 藤沢市では絶滅の恐れがある        ▲ナキイナゴ 2017年にビオトープ横の草地で確認された
トンボ類
幼虫は水中で過ごし、成虫は陸上で生活するため、水域と陸域の両方の環境を必要とします。流水環境に生息するヤマサナエやオニヤンマは生息していますが、止水環境を好む種が少なく、ビオトープ(谷戸全体でも)は止水環境に乏しいと言えます。
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▲ヤマサナエ                  ▲オニヤンマ
ライトトラップ
ライトトラップを設置した調査も行います。ノコギリクワガタなど夜行性の大型昆虫も確認することができます。
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▲ノコギリクワガタ                   ▲ミヤマカミキリ
ベイトトラップ
地上を徘徊する昆虫を調査するために、地面にトラップを仕掛け昆虫を誘引し捕獲された昆虫を確認します。
この調査では地上を徘徊するゴミムシなどを確認できます。
https://gyazo.com/01ae8d9ace3e685c9c8c31b8523937fc
越冬調査
越冬調査
冬になると昆虫は活動が鈍り、多くの昆虫は材木や土の中で越冬するので、材木を割り昆虫を確認します。
この調査ではクワガタのような甲虫の幼体などが確認できます。
https://gyazo.com/f128d3f314dc7fd7331b56c66f8f2fc6
越冬調査の様子
スイーピング調査
草や枝の先を掬うように虫取り網を振り、中に入った昆虫を確認します。
この調査ではバッタや小さな蛾など草地に生息する昆虫を確認できます。
https://gyazo.com/c5bcc8c3b0350b9111154399e8aaf53a
スイーピング調査で用いる網
リーダーからの一言
何人いても助かるので少しでも昆虫に興味があればぜひ一緒に昆虫採集しましょう!!!