植物調査
草本類調査
乾燥を好む種もしくは湿った環境を好む種、明るい場所を好む種、やや暗い環境を好む種など環境の違いによって生えてくる植物は異なります。よってビオトープで確認される種類から現状の環境を評価することにつながります。
また、バッタやチョウ類を始めとした植食性の昆虫、特にチョウ類はその傾向が強く特定の植物の仲間もしくは種を選択して産卵します。これは幼虫がその葉を食べて成長するためです(昆虫がエサとする特定の植物を「食草」と言います)。周辺の生息状況によりますが、草本類の種類からビオトープを利用する昆虫類をある程度予想することも可能となります。
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▲ミゾソバ ビオトープの湿地部に優占する。
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▲ススキ ビオトープの乾燥した所に生える。
木本類(樹木)調査
基本的には草本類と同様の理由で調査を行いますが、木本類(樹木)の場合それだけに限りません。種類によっては10メートルを超えるような木本類は、立体物として生き物の利用する場になります。例えば鳥類が休息のために留まったり、樹洞を巣穴にしたりすることは皆さんご存知かと思います。樹種による高さの違いが階層構造を為し、高さによって利用する生き物も異なります。
加えて樹木は光条件を左右します。人間も夏場は暑いからできるだけ日陰に入りたいと感じると思いますが、昆虫類を始めとした変温動物にとっては日陰と日向の温度差はより顕著です。樹木が作り出す木陰が植物の生育や動物の利用を左右します。
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▲写真で見えている範囲はほとんどハンノキという樹種です。これは自然に生えてきたものでなく、ビオトープ造成当初に植栽されたものです。自然下では湿地に生える樹木の代表種ともいえます。写真(右)はハンノキの花と実。