知的生産の3A
知的生産の定義は人それぞれだが、その「知的生産」の性質を探るための使える3つの指標のこと。
背景
知的生産の定義は定まっていない
比較検討するための指標があると便利だろう、ということでA-で揃えてつくったsta.icon
3A
Art 芸術性
まさに知的生産が注力していますが、(特に実用的な側面から)読み手に精神的・感情的作用を与えます。芸術性を含んでいると言えますsta.icon wikipediaからの引用: 表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動
Availability 利用のしやすさ
利用のしやすさは、おそらく4段階
道具の可用性の高さ > 道具等に実装された概念 > 検証された概念 > 検証されていない概念
Appraisal 評価の仕方
規定しないものあれば、「価値」の言葉で抽象的に規定したり、あるいはもっと踏み込んで生産性や経済性に繋がるかどうかを見たりすることもある
アプライザルは不動産用語のようですが、評価査定を意味します。A- で揃えたかったので取ってきました。他にアセスメントがありましたが、フォーマルさよりも広義でカジュアルさも含ませたかったので、アプライザルにしましたsta.icon
例
Artは高い
Availabilityは低い
Appraisalも低い
梅棹
Artは不明
Availabilityは低い
Appraisalも低い
西尾
Artは低い
Availabilityは中。検証(行為による証明)を挙げており、知的生産物 = 検証された概念
Appraisalは中。社会的証明(多くの人が使っている)、道具としての提供、研究などによる証明は問わないが、何らかの検証を経ていることを要請しているように見える
出口
Artは不明
Availabilityは低い
Appraisalは低か中。自己成長が基準になっており、自己成長をどう評価するか次第
知的生産性として語られるもの
Artは低い
Availabilityは中。再現性を持たせようとしている
Appraisalは高。ビジネスの文脈であり、従来と同様、定量的管理に落とし込まれるよう見える。早い話、利益を上げない知的生産活動は閉じられるだろう
応用
梅棹の定義はやはり原典でしょうsta.icon
3Aがどれも低くつくられているので、これをどう膨らませるか次第で、様々な「知的生産」を定義できます
Availabilityの高い「知的生産」もありえる
たとえば道具として実装を定義に含めるなど
先日見た、このポストはAvailabilityの高さを指向していそうです。つくれるコストが減ったことにより現実的になったわけですsta.icon
審査する側の気持ちになって考えれば当たり前のことで、頭で考えただけの企画書と、プロトタイプを作って得られた知見が書かれてる企画書が競争になったときに、前者は単なる妄想だから見劣りする。新技術はコストを変動させて競争環境を変化させる。 必然、 環境変化に適応する力が問われることになる。 post IVSで聞いたホットトピック。DeNAさんではプロダクト企画は企画書ではもう通らず、Devin等を使ってプロトを作ってこないとダメになった、とのこと。 やばい。post 現時点では非現実的ですが、さらにAvailabilityが進むと、上記に加えて「24/7で社員全員いつでも誰でも使えるようにすること」「24/7 + 社外にも公開すること」まで要請できるでしょうsta.icon
Appraisalの高い「知的生産」もありえる