福島眞人「學習の生態學 ――リスク・實驗・高信賴性」2010/8/4
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現場では、やはり學習することはできない
徒弟制
實踐共同體
正當的周邊參加
熟練形成の trajectory (軌跡) がその組織內の社會的地位と parallel である
勞働の全體性
徒弟制的全人格性
identity
→無報酬の勞働を強制するやうな、全人格的な支配
供養。歸命
全人格的な參加が比較的肯定される社會的前提とは何であらうか。それはこの特定の技能を中核とした組織 (それが徒弟制であれ、あるいはより抽象的に表現された實踐共同體であれ) が、ある社會的、歷史的な條件下で、比較的安定した評價體系の中にある場合である。言ひ換へれば、そこに全人格的に參加することが、いはば社會的に「割が合ふ」場合である。熟練の形成には膨大な時閒的、社會的 cost がかかる。
熟練の中斷
專門家の臆見・選好←→科學
速い不確實な變轉
速度術
←→意味生成性
技能低下假説 (deskilling hypothesis) (Braverman 1974)
分業。個別の職務が細分化。勞働の經驗そのものの全體的な單調化や衰退。非序列化 (patchwork 的性格)
→Taylor 主義
熟練の內容をいったんその構成要素に解體して、そのそれぞれに徹底した分業の mechanism を働かせると同時に、給與體系といふ insentive によって人々を動機づけようとする
組織的 skill
共同體の中核的技能の正當性が確立せず、何が中核なのかよくわからない狀態が持續的に續くやうになるからである。この結果、「共同體」といふ言ひ方で我々が抱きがちな、內外を區別する境界そのものも持續的に曖昧化し、その結果、それへの參加といふ槪念すら、その效用が曖昧になってくる。
環境の變化が恆常的なものとなり、しかも次に何が出るか豫測が不可能といふ狀況の中に置かれると、共同體側からみれば、それは中核的な活動の權威の低下といふ現象として現れる。徒弟的な組織において、技能の習得にかかる組織的、心理的な cost のことをその組織の「深度」と呼ぶとすれば、かうした恆常的な變化に晒される組織では、その「深度」は漸次的に低下せざるをえない。組織の內部を見れば、それは權威の低下を意味し、參加する個人から見れば、熟練の trajectory (軌跡) の cost が、得られる熟練の社會的 merit を凌駕してしまふのである。つまりかうした條件下では、我々はある固定した共同體に「十全に」參加して、べったりとした熟練の identity を獲得、環境の激變に耐へられずに自滅するよりは、むしろさうした全人格的な關與をさけ、risk を分散させた方が安全だ、といふ訣である。
空洞の共同體 (學校)
無知な敎師
熟練の廢用
identity 擴散
プロテウス (Πρωτεύς) 的人閒
變幻自在に目まぐるしく identity を變化させる人格の type
環境が複雜化し、變化が加速化することによって、我々の槪念構成が全體として、過渡的、暫定的、宙づり狀態になっていくといふものである。それが熟練の trajectory に適用されれば、それは熟練形成における宙づり、あるいは煉獄狀態、つまりどっちつかずの狀態の持續を意味し、全體として我々は複雜で加速する環境の中で、個人的にも組織的にも宙づり狀態のまま、樣々な天國と地獄の閒で振動を繰り返していくといふことにならう。
これを double bind 狀態といふなら、この double bind は、簡單に解決されることはなく、その解決も「煉獄」の定義上、部分的なものでしかありえない。そして pragmatist の圖式で引かれてきた、問題狀況と routine の閒の境界線は、なし崩しに曖昧化し、いはば「routine 化された問題狀況」あるいは「問題狀況の高速度化」といった狀態になる。かうした問題狀況の高速度化によって、探究的、內省的行動は解決をみないまま、routine として強要され、空轉しつづけるまま持續せざるをえないといふことになりかねない。それは一見明らかに病理的な現象であり、既に強調してきた我々の認知能力の限界を超えかねないのである。
しかしさうした事態が、變化する環境に適應するために、單に學習するだけではなく、學習の仕方を學習するのだ (いはゆる學習の學習) といふやうな、二階 (second-oeder) 化された槪念として表現されることがある。だがそれは實はある種の病理現象と紙一重のところに存在する槪念なのである。
$ \cong通過儀禮
內容知 (knowing that) / 方法知 (knowing how) (Gilbert Ryle 1987)
方法知 : 外部から觀察可能な行爲の傾向性 (disposition)
「心 (理論 = 內容知)→實踐 (身體)」の觀念は要らない
宣言的知識 (declarative knowledge) / 手續き的知識 (procedural knowledge) (Winograd 1975)
自我 : I / me (George Herbert Mead 1973) table:me / I
環境 經濟學 語用論 pragmatism 科學實踐
定常狀態 慣習的行動 形式的發話 信念〜習慣〜me 通常科學
問題狀況 合理的選擇 nuance の理解 疑念〜反省的行爲〜I 科學革命
I←(矛盾の補償)←me
信念 (Peirce 1982)
我々がこれだと氣づくもの
疑念による苛立ちを鎭める
我々の性質のうちに行動の規則が、あるいは手短にいって、習慣が確立されることを意味する
用具的知識
practice (實踐。練習。常套手段。儀禮)
habitus
表出化
過剩な言語化
敎學
金言 (motto) への後退
かなり雜駁な心掛けや、關心の置き方についての大雜把な記述
非常に穩健で敎科書的
極めて大雜把な槪略、精神的指針のやうなもの
beginner の段階に後退して、覺えてはゐるが自分ではもう使はないやうな規則を口に出す
interview
特定の model case になるやうな具體例を取り上げてもらひ、それについて實際にだういふ判斷を行ってゐるか、一つ一つ話してもらふ。具體的な文脈を用意する事で、專門家が實際に判斷する環境に少しでも近づけようとする
專門家の語り口そのものを言葉通りには受け取らず、むしろ彼ら專門家の手續きを慎重に觀察することが大切だ
どこまでがその專門家の獨自の過程で、どこまでが一般的知識かも區別しなければならない
知識工學者が制作した、改善された program の結果を見た專門家がそれに刺激され、問題に對する態度を變更してしまふこともある
ブラウン管の上に明示化された model が、逆に專門家の暗默知の別の部分を呼び起こす事によって、ある種の「解釋學的循環」のやうな process が現れてしまってゐる 民俗學に於ける採取
expert system
機械學習
實驗室
免責
日常的實驗 (everyday experiment)
對
反復性、持續性を基礎とした實踐 (practice) の槪念
可塑的、可變的、加速的な槪念として、「日常的實驗」(everyday experiment) といふ槪念
微細な試行の集積
制度が整備されて來るにつれ、制度の創設者の得てゐた實驗の機會が失はれてしまふ
實驗によって得られた知識を敎へる爲の、敎育制度の整備がより實驗の機會を奪ってしまふ
實驗の史學
本能と制度
affordance
機能的な協應構造
微小錯誤 (microslip)
振動しつつ同調する身體
全ての行爲は、一見それが routine なやうに見えても、それ自體が常に一つの革新であり、微細な實驗である。かうした實驗的過程がより集まって一つの束になると、實驗的な性格がより鮮明になる。それが實驗的試行としての學習である。社會學的な學習理論は、かうした實驗的試行の可能性について、徒弟制その他を大雜把に援用することで濟ましてきた。だが微細な身體の振動と錯誤が一つの大きな學習の流れにまとまるには、樣々な社會的、制度的條件が必要である。
熟練技術獲得の五段階 (Dreyfus 1972)
1. beginner : 學習者は問題の分野に關はる事實を學び、それらに對してどのやうな反應をすべきか、といふ「規則」を學ぶ。この規則は文脈に依存せず、どの場合にも適應できる極めて一般的なものである。beginner はこれらを文脈に應じて變化させる餘裕をもたず、機械的に適用する
2. 中級者 : 多少の經驗を積むやうになると、文脈不要の知識だけでなく、より狀況に關係した要素にも行動の規則が登場するやうになる。しかしこの段階でもまだ、規則の適用は機械的で狀況の全體的判斷はできない
3. 上級者 : 多數の諸要素閒の重要性の違ひに氣附き、目的を明確に意識する事で、狀況を總體的に把握できるやうになる。そしてその目的に應じて、必要な方法を組み合はせる事が可能になる。ここでは狀況を整理し、計劃を立て、それによって「問題解決」をするといふのがその推論の基盤となる
4. professional : 狀況の判斷の仕方から、ある種の抽象性が消え、むしろ最近の經驗に應じた、特定の視點から物事を判斷するやうになる。客觀的な判斷でなく、過去の類似した經驗の記憶が引き金になって、過去に成功したのと似た計劃を中心に物事が處理される。pattern を構成要素に分解せず、全體として直觀的に活用する能力 (全體觀的類似性認知)。カン、直觀。直觀的な判斷が下されるが、しかし行爲の決定には、まだ多少は意識的な過程が殘ってゐる
5. expert : 刻々と變はる狀況への對應は、ほとんど automatic に行なはれ、それを一々「客觀的に」分析しようとはしない。この段階では、もう意思決定とか問題解決はしないのである。ここでは行動はほとんど反射に近くなり、expert が意識的に思考をするときは、まづある種の直觀的理解があって、後でそれを反省的に問ひ直す時に限る。つまり既に答は出てゐるのである
專門家の知識構造 (Chi 1988)
1. 領域固定性
轉移學習
2. 意味ある pattern の抽出能力
3. 處理の速度
4. 記憶の優越性
5. 問題表象の深さ
6. 問題の質的分析
7. 自省能力
manual
software dev engineer の on boarding
developmnent から見て行ふ system→team→product (product 三角形) のそれぞれに就いて 實績解除
「on boarding 期閒中」である事を明示する
實績解除自體も目標とする
壞していいオモチャを作る
創設者になる
mentor を置く
本人と mentor を含めた team は協力して on boarding を目指す 或る領域で、本人の on boarding が完成したと本人が考へたら、mentor は team に報告する 本人と mentor を除いた team は證據を素に、on boarding が完成したか判斷する team は本人と mentor とに判斷を feedback する system - team - product の各領域每に実績解除を設定する