『宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ』
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はじめに
これは日本の宇宙開発予算の、3分の1の規模。
「地球のビッグデータ」が手に入る。これが、さまざまなビジネスを生み出すと期待されている。 あるショッピングモールの駐車場に停まっている車の数を、時系列で分析することができる。植えられた作物の生育状況を宇宙から把握することができる。牧畜では、牧羊犬に代わって牛を管理することができる。魚群探知機の精度を高めていくことができる……。
世界の宇宙関連ベンチャーへの投資も拡大
2015年:約500億円
2016年:約3,000億円
2017年:約2,500億円
第一章
規制緩和と宇宙商業化時代
もともと宇宙開発は、NASAやJAXAのような各国の国家機関が担っていたが、COTSにより民間企業にも門戸が開かれ、宇宙ベンチャーが参入しやすい環境と変化した。 きっかけは、スペースシャトルの老朽化。スペースシャトルが退役するにあたり、後継機は作らず、COTSにより、民間からNASAが購入するという構図がつくられた。 COTSは、国際宇宙ステーションへの補給輸送を民間企業に任せる、その能力開発の支援プログラム。COTSによって民間の活力と資金が競争原理のもとに、宇宙開発に流れ込んでくる仕組みをつくった。
地球のモニタリングデータの取得。
これまで(2018年まで)に打ち上げられてきた衛星は大小合わせて8,000ほど。約5,000衛星が軌道にあり、そのうち今も使われているのは約1,700. ちょっとした過密状態。
軌道の割り当てが行われている。
国際電気通信連合(ITU)に申請が必要。まるで、不動産のような扱い。
第二章
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2000年以降に商業化が急速に進んだのが「低軌道」 低軌道:最も低い位置にある軌道。宇宙の定義の100キロ〜2000キロあたりまでのエリア。
静止軌道は赤道上3万6000キロの軌道。気象衛星、通信衛星、衛星放送、測位衛星などはこの軌道衛星を周回している。
深宇宙はさらに遠い宇宙で、月、小惑星、火星、それ以遠を指す。
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一次産業への利用が拡大。
バーチャルフェンシングでは、特定の場所に留めるだけではなく、有毒な雑草があるゾーンに入らせないようにしたり、牧草が生え変わろうとしているゾーンに立ち入らせないようにしている。
水産業では、衛星を使った魚群探知機の精度が向上。
金融・保険・サービス・健康にも影響
ナノラックスを設立したジェフ・マンバーは、かつてロシアの宇宙ステーション「ミール」を民営化したことでも知られている実業家です。無重力を商業として使うことがどれだけ価値があるものなのか知り尽くしている強みを事業に生かしています。利用者は実験機器を持ち込むだけで、ロケットの手配から、貨物船への搭載、国際宇宙ステーションでの実験、実験データの取得までエンド・ツー・エンドのサービスを受けることができます。宇宙利用の機会をパッケージ化することで、需要を生み、多くの顧客が宇宙を使うことで多様化を促して、新たな宇宙利用や国際化が進み、商業宇宙環境利用のエコシステムが広がってきています。国際宇宙ステーションは、ニュー・スペース産業のカタリスト(触媒)になっているのです。 第三章
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アメリカの4万3700人以上の学生を対象。
ちなみに、
第四章
フォン・ブラウンにより、リング状の宇宙ステーションの発想が生まれた。リングが回転することで人工重力を発生させて、地球と同じ重力環境で宇宙滞在ができるというもの。 https://gyazo.com/c6e06fa4201417b55444d19db1ebe8af
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スペースポートは宇宙旅行の往還が行われ、さらに宇宙産業が集積する場所となるため、商業効果も大きい。経済を活性化させるエンジンとして期待。アメリカの数カ所で商業スペースポートの申請をするなど、誘致を計画。 特に宇宙旅行の場合は、アクセスしやすい場所、
観光地であり観光資源があることなど、
晴天率も重要。
サブオービタル旅行の場合は、地球の周りを回るオービタル飛行と違い、宇宙旅行の最大の目的のひとつである、地球を見ることに関わってくるから。雲がかかっていない状態で、眼下に約100キロの地球を見渡すことが、サブオービタル旅行の最大の楽しみになる。
実際に宇宙旅行をする人が楽しめるアミューズメント施設ができれば、VRなどのよりよい体験を提供。
第五章
2017年トランプ大統領は、「有人月探査計画」をNASAに指示する文書に署名して、人類を月に送る計画が動き出した。 商業宇宙利用を振興するための法律。
月は今、地球にとって「第8の大陸」だと言われている。
月で10億年ほど前に、大規模な火山活動があったと考えられている。
この巨大な地下空洞が、居住空間としても活用できると見られている。
木星の衛星のひとつである、「ガニメデ」には水があることが発見されている。 地球と惑星との間の輸送事業をスタートさせ、約40年から100年後には、火星を100万人が暮らし自給自足できる居住地にする、という計画。
映画『オデッセイ』では、政府主導でも、NASA主導でもなく、民間主導で火星探査の様子が描かれていた。 第六章