ガラス製ダイアフラム搭載スピーカーのクラウドファンディング
ユニット単体で頼んでいたAlpair5Gが届きました!
OM-MF519用のトランスミッションライン箱がフィットすると予想してますが、完成までもう少しかかりそうなので、暫定的にAlapir5 v3用バスレフ箱に入れてBGM曲で小音量エージングを開始しました。特徴的な高音ですが、悪くありません。
Alpair5 と比べると、やはりネジ穴位置が0.5mmくらいずれるのですが、問題なくAlpair5 v3付属の木ねじでネジ留めできました。鬼目ナット入れた場合も、ボルトの頭の大きさが同じくらいなら問題ないと思います。
ちょっと話が外れるんですが、Alpair5Gのエージング中に、サブ・アンプとして常用(メインと呼ぶべき?)していたATOLLのプリメインアンプのパワーアンプ部の不調が露見。エージング後半に真空管アンプと切り替えたりしていたので、ブレイクイン過程をモニタできてなかったかも。それで、今は、アンプをTopping PA5に置き換えて聴いてますが、良い感じです。
気がつけば、もうすぐユニットが届きそう。
stereo誌8月号でも特集が組まれて作例が紹介されるようだ。
その他、私が気付いたところでは、共立エレショップで、比較的安価なエンクロージャ・キットが販売されていた。
15mm厚のホワイトバーチなので、キットといえど2万円弱するのだけど、お値打ちだと思う。
この調子で、フィディリティウムサウンド社以外からも続々と対応エンクロージャが出されるのでは。
クラウドファンディングが3月末に終了して程なくして、コイズミ無線やオントモショップで一般販売分の予約が開始された。クラウドファンディングと同時期にユニットが届くようだ。海外でも販売されるのかな?
昨年末に試作機のお披露目があったMarkaudioの特殊ガラスコーン製のスピーカーユニットについて、クラウドファンディングが始まったようだ。(仕事帰りにiPhoneのChromeのDiscoveryが教えてくれたが、その後で見たあちこちのWebページで紹介されていた。)
ユニット単体(ペア)と、MicroNC5やNC5のエンクロージャーに新ユニットを載せたスピーカーなどが、ファンド対象となっており、ユニット単体が大人気で、私が見たときにはファンド総額が募集開始後数時間で150万円を超えていた。
ユニットは、Alpair5をベースにしており(?)、その名もAlpair5G。2025年7月以降に販売開始の予定。
Alpair5Gの特徴については、ファンドのページにも転載されている通りステレオ誌のブログに詳しく書かれていて、応答性の良さ・速さが素晴らしく、これまでのユニットとは異なるリアルな音が聴けるそうだ。
Alpair5GのT/Sパラメータは、下記の通りで、基本的にはバスレフ向きで、ダンパーレスのAlpair5 v3に比べて少し低音が弱いけれど、小さな容積で鳴らせる。
table:spec
name Z(Ω) Re(Ω) Fs (Hz) Mms (g) Qms Qes Qts SPL (dB) Sd (cm²) Vas(L) Xmax(mm) Bl (T×m) Cms (mm/N) Le (mH(1kHz)) Rms (kg/s) Max power(W) 開口径(mm) ネジピッチ
UTAGユニット 4 3.4 107.5 1.93 2.74 0.68 0.54 85.6 28 1.26 3.5 2.55 1.13 0.0423 0.47 10 73.0 89.4
Alpair5 v3 4 3.4 94.5 1.78 2.3 0.64 0.50 85.5 28 1.78 3.5 2.49 1.6 0.04 10 82.0 90.4
CHN519 4 106.25 1.93 2.53 0.68 0.53 85.6 28 1.3 3.5 2.55 1.16 8 73.0 89.0(ただし5個)
Alpair5 v3はダンパーレスで、また、ボイスコイルに1クラス上のMAOP5同等品が使われるのに対して、Alpair5Gにはダンパーがついており、T/Sパラメータと開口径は現行のAlapir5 v3よりもCHN519とほぼ同じなので、磁気回路はCHN519相当。
アルミダイキャストフレームが採用されているので、ユニット全体をがっちりエンクロージャに固定できる。
ネジの数はAlpair5と同じく4個だが、ネジピッチは、Alpair5 v3と1mm小さいので、ネジ位置にして0.5mmの違いがあるので、同じボルト穴で差し替えて使うのはどうか?(M3であれば、Alpair5 v3用のネジ穴に取り付けられそうだが、開口径とネジピッチの間に余裕があり、せっかくのアルミダイキャストなので、専用スピーカーを作って、M4でしっかり固定したくなるかも。)
ファンディングの説明資料には、ダイアフラムの各種材質特性比較表も用意されていて、参考になる。ポリプロピレンやアルミ、紙など既存素材の違いがまとまってるのが良い。
以上、音質的にはAlpair5クラスで、応答がよくリアルな音の出る点が特徴のようなので、べらぼう高額というわけではなさそう。それだったら、実際に聴いてみよう、ということで早速ポチッと購入。今年一年分以上の工作ネタがたまっているので、あちこちのセール販売を眺めつつも、買わないように自制していたのに、、、病気です、これは。
共立電子にて、Alpair5Gを、microNC5(3.5L程度?)とNC5Hマホガニー(4.5L? 5.5L?)の2種類のエンクロージャで鳴らす、お披露目会があったので、参加した。
以下、私の感想と、フィディリティウムサウンドの中島さんがおっしゃっていた言葉を自分なりに思い返してみた。
高音が良い。ピアノの高音が割といい感じに鳴る。私の手持ちのほとんどのスピーカーは、余計な響きが載るか音色そのものが変わってしまうのだが、そうした余分な響きがなく、正直、すごいと思った。
そして、ピアノのタッチの違いが鮮明にわかる、アタックの瞬間に変な響きが遅れて乗ったりしない。グールドのレガートがちゃんとレガートとして鳴ってるのを、私は初めて聴いた。
低音も8cmとしてはしっかり出ていた。ダンパー付きなので、ダンパーレスの響きとは違う。私はダンパーレスも嫌いじゃないけど、こちらの方が好きかも。
音色としては、少し何か独特の音色が載っている感じする。ガラスの響きとかでなく、なんか鈍い音色に感じられて、気になった。箱の響きかも知れない。
T/Sパラメータの似ているCHN519とは、クラス違いの良い音で、Alpairの名前を付けたのは分かる気する。
開発経緯については、私の記憶があいまいで、また、試聴しながらだったので、聞き間違いがありそうだが、振動板を0.1mmまで薄くしてガラスっぽい音を無くして、ダンパーを柔らかくして低音が出るようにし、センターをくり抜いてキャップをつけて応答性を高めた(ボイスコイルの動きが重くなっていたのを修正した、ということだったとは思う。高音を良くした、と言っていたような気もするけれど、センター付近を軽くすると高音だけでなく広い範囲で影響あるはずなので、高音のうんぬんは薄くした理由だったかも)、だったか。
以前にお披露目したCHR90相当の初期の試作品では、ガラス音を抑えられなかったが、Alpair5Gではほとんど気にならなくなったとのことである。先に書いた通り、何かの音色が乗っている気もするのだけど、なんの音色?
箱はマイクロNC5がとても良い
すっきりした低音で、NC5Hよりもフラットに近いのでは?中音・高音が良いので、重い低音にしたくなく、また、近くで鳴らしたいので、microNC5で十分。
バッフルステップ補償しなくてもいいかも(フルレンジに慣れてるからか。低音に不満を覚えてから補正しても遅くないい)。 スプルースとウォルナットのハイブリッドにして箱の響きを制御
異なる素材の使用は見習いたい。計画的に作らないと。
タッチの良さを確認したのはNC5Hマホガニーの箱だったが、低音の感じからすると、悪くなることはなさそう。
他のガラス振動板シリーズとしては、10cm版の試作を検討中(少なくとも試作までは実現しそう)
中島さんとしては、モノサスペンション化や、MAOPクラスのユニットも開発もしたいようだ
10cm越えは技術的な困難があるようだ。耐久性と重さのバランス以外に、センターの断面の保護など。
コスト
1000万円が販売の最低(目標)ラインとのことだった。
所感
お値段以上だと思う。Alpar5 v3より良いと思ったので、今の相場であれば、量販しても2万円超えの価格設定になると思う。フィディリティウム・サウンド社のクラウドファンドレイズ価格は良心的。
microNC5がとても良かった。3.5L程度か。同じジオメトリで、同様に異なる板材を組み合わせて作ったらよさげ!バッフルステップ補正、するつもり。T/Sパラメータは、CHN519と変わらないので、2セット作るつもりで作るのがよさげ。
あと、どうでも良いことだけど、私はAlapair5Gを迎え入れるために、手持ちスピーカーのいくつかを手放すことになりそう。
その他
このユニットでstereo誌がコンテストを開く可能性あり
CHR90開発経緯
13cmコーンだと、10cmと同じボイスコイル径を使えるが、14cmだとボイスコイル径を大きくする必要があり、繊細な音を出すのが難しい。なので、Alpair10/MAOP10も、いずれ終売にして、9シリーズへの移行を考えているのだそうな。
バスレフポート
隅に近いところに設置すれば、低音でる! 左右対称にするなら2本使う。
これはJSP(って、シンメトリーな見た目しか知らないけど)と似た考え方かも知れないと感じた。
マホガニーは、左右のバスレフポートの長さが異なる。8cmと5cmだったか。microNC5の楕円状のダクトも同じ設計思想だと聞いたが、、、それは直感的には同意できない、気柱共鳴の解析解を導出したら理解できるのかも知れないが。
共立のFostex FE203Σ-REバックロードホーンも、かなり良かった。私の老耳にはアドオンツィーターなくても良い音です!(違いが分からなかった。集中力なくなってたということもあるけど)
バックロードホーンは初めて聴いたけど、全然クセがなくて好印象。20cmユニット用としては小振りのバックロードホーンで音道が短めらしいのだが、大きな部屋いっぱいに良い音が満たされる感じ。
置き場所はどこにもないし、狭い部屋でどう聴こえるのか気になるところではある。
あと、共立では15mm厚でイケる、との判断のようだった。材質は、パイン集成材のようであったが、パイン集成材であれば厚くしても響きは抑えられない、ということなのかも。パイン集成材っぽい響きがほとんどしなかったことも好印象。昨年の試聴デモでは、MDFとシナ合板を聴き比べたようなので、どうだったのだろう?