進化で読み解くバイオインフォマティクス入門
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長田直樹
はじめに
バイオインフォマティクス(bioinformatics)
広義には、コンピュータを用いて生物を研究する学問分野
しかし今日コンピュータを用いない領域は存在しない
個人的な見解では、現在のバイオインフォマティクス分野は、2つの領域の研究をもとに形作られたと考えられる
分子生物学と分子生物学以前の生物学
分子生物学は生物を精密な機械と捉え、それが機能を果たし生きていくための機構を明らかにすることを目的としていた
それ以前の生物学者は、生物で普遍的に見られる遺伝の仕組みを「遺伝子」という抽象的な概念で捉えていた
遺伝は生物の進化を考えるうえでも重要な要素と考えられた
遺伝子は生物を作り上げる「情報」を次世代に受け渡し、その情報が突然変異により変化することで進化が怒る
1953年にワトソンとクリックらのDNAの二重らせん構造の解明と、その後のセントラルドグマの仕組みが解明されることにより、融合した一つの研究分野を形作っていった
→生命情報という視点から生物というものを理解できるようになることが、本書による学習の到達点の一つである
本書において中心として扱われるキーワード
遺伝、ゲノム、情報
これらのキーワードを束ねるものとして進化の概念
これら3つの要素を俯瞰し、一つの結合された概念として理解するために役立つもの
テオドシウス・ドブジャンスキー(Theodosius Grygorovych Dobzhansky)「生物学では、進化の光なくしては何事も意味をなさない」
目次
第1章 分子・ゲノムに関する基礎知識
第2章 遺伝と進化に関する基礎知識
第3章 集団内・種内の配列解析法
第4章 種間の配列比較法
第5章 配列のアラインメントと相同性検索法
第6章 分子系統樹作成法
第7章 機械学習による予測法
第8章 遺伝子配列決定法とアセンブル法
第9章 遺伝子発現情報解析法
第10章 タンパク質解析法
第11章 データベースへのアクセスとその利用法