生殖腺
高等動物では卵巣と精巣は別の個体にできる(雌雄異体)が、下等動物では同一個体内に両性の生殖腺を有するものがある。 ある種のニワトリでは機能的な左側の卵巣を摘出すると、退化的であった右の卵巣が精巣になることがある。 また、メダカでは性ホルモン処理によって、遺伝的な雄が雌に、雌が雄に性転換することが知られている。 ヒトの卵巣は骨盤内に1対あり、靭帯で子宮と結合されていて、月経周期ごとに通常1個の卵子を排卵する。ヒトの卵子は比較的に大形で、直径が0.12ミリメートルもある。排卵寸前の内腔液で膨らんだ直径12~18ミリメートルの大形濾胞をとくにグラーフ濾胞という。ヒトの精巣(睾丸)は通常陰嚢内に下降しているが、まれには腹腔内に停留した潜伏睾丸もある。睾丸は結合組織性の隔壁で200~250の小葉に分かれている。各小葉中の細精管の長さは30~70センチメートルもある。