ハーディ・ワインベルクの法則
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source: By Johnuniq - Own work, CC BY-SA 3.0
ハーディー・ワインベルクの法則 - Wikipedia
ハーディー・ワインベルクの法則(ドイツ語:Hardy-Weinberg-Gleichgewicht)は、集団遺伝学の基礎をなす遺伝の法則である。ある生物種の個体群における対立遺伝子の遺伝子頻度は世代が移り変わっても変化しないことを前提にして、個体群内の遺伝子型の構成について説明する法則である。
1908年、イギリスの数学者ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディとドイツの医師ウィルヘルム・ワインベルクがそれぞれ独立に公式を導いた。
個体群内に対立遺伝子Aとaがあり、A遺伝子の遺伝子頻度(遺伝子プールに占める対立遺伝子の割合)を$ p、a遺伝子の遺伝子頻度を$ p'とする($ p+p'=1)。この個体群が作る次世代の個体群の遺伝子型の分離比は $ AA:Aa:aa=p2:2pp':p'2 となる。遺伝子型がAAとなるのは、遺伝子プールから集めた2個の対立遺伝子が両方ともAだった場合で、そうなる確率は$ p \times p=p^2になる。遺伝子型がAaとなるのは、集めた2個の対立遺伝子がA1個とa1個だった場合だが、この場合は、母親からAをもらってAaになる場合と、父親からAをもらってAaになる場合の2通りがあり、その結果分離比は$ 2pp'になる。
この次世代集団のA遺伝子の遺伝子頻度を$ q、a遺伝子の遺伝子頻度を$ q’とする。$ q算出の分母となる遺伝子プール内の遺伝子総数は、各個体がAあるいはa遺伝子のいずれかを合計2個ずつ持つので、$ (p^2+2pp'+p'^2)×2となる。分子を与える遺伝子プール内のA遺伝子の総数は、遺伝子型AAの個体が2個ずつ、Aaの個体が1個ずつのA遺伝子を持つので、$ p^2 \times 2+2pp'となる。従って、$ q=(p^2 \times 2+2pp')\div{(p^2+2pp'+p'^2)\times 2}=pとなる($ q'についても同様に$ q’=p'となる)。
ハーディー・ワインベルクの法則が成立するためには、当該個体群が以下の条件を全て満たしている必要がある。
自由交配(任意交配)である。(性選択がない)
個体群内の個体数は十分に大きい。理想的には無限大である。(遺伝的浮動がない)
他の個体群との間で個体の流出・流入がない。(遺伝子流動がない)
突然変異が起こらない。
(その遺伝子座については)遺伝子型や表現型の違いによる自然選択がない。