ジョルダン標準形
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4f/Jordan_blocks.svg/500px-Jordan_blocks.svg.png
任意の正方行列$ Aに対して、ある正則行列$ Pが存在して$ P^{-1}AP=Jの形で表現できる $ Jはジョルダン標準形
任意の行列$ Aに対してジョルダン標準形は一意に決まる
$ Aと相似である形$ P^{-1}APが欲しいが、いつでも対角化できるわけではない が、それに近い形であるジョルダン標準形はいつでも得られる
うれしい!
という感じのモチベーション
例
$ A=\begin{pmatrix}1&1&1 \\ 3&0&3 \\ -4&3&6\end{pmatrix}に対して、$ P=\begin{pmatrix}1&2&0 \\ 0&3&-1 \\ 1&0&1\end{pmatrix}とすると、$ P^{-1}AP=\begin{pmatrix}2&1&0 \\ 0&2&0 \\ 0&0&3\end{pmatrix}
ジョルダン標準形
上図全体
書かれていない部分の成分は全て0
ジョルダンブロックを対角にならべたもの
ジョルダンブロック
上図の中の一つ一つの四角形が
対角成分が同じ値$ \lambda
その$ \lambdaのひとつ上に1が乗っかっている
それ以外の成分は全て0
ジョルダンブロックの個数の例
1つ
https://gyazo.com/bf6791876a7b742d8ac55e3cd6720459
2つ
https://gyazo.com/082a70290c425187ad1ed2f6f2be5935
3つ
https://gyazo.com/d2823d23f5c7fd6c74f744e4cdd8ee57
https://gyazo.com/09edb5329b337b93d3cda71cca96297b
4つ
https://gyazo.com/1c669551ef67fd703f1cf26fdbb52c90
求め方
まず特性方程式$ \operatorname{det}(A-\lambda I)=0を解いて$ \lambdaを求める 各固有値$ \lambdaについて$ \mathrm{dim}\mathrm{Ker}(A-\lambda I)を求めたい
ので、次元定理により、$ n-\mathrm{rank}(A-\lambda I)を求める $ Aは$ n\times nの行列
この値がその固有値$ \lambdaのジョルダンブロックの個数になる
この値は固有空間の次元
2つの固有値が虚数$ \lambda_1,\lambda_2= \alpha\pm i\betaならジョルダンブロックは$ \begin{pmatrix}\alpha&\beta \\ -\beta&\alpha\end{pmatrix}
例えば、$ 3\times 3の行列$ Aの固有値$ \lambda_1, \lambda_2,\lambda_2の時、
$ \lambda_2にたいして$ \mathrm{dim}\mathrm{Ker}(A-\lambda_2 I)がわかれば求まる
この値が1なら、$ \begin{pmatrix}\lambda_1&0&0 \\ 0&\lambda_2&1 \\ 0&0&\lambda_2\end{pmatrix}
$ \lambda_2に対するジョルダンブロックが左下$ 2\times2の一つ
この値が2なら、$ \begin{pmatrix}\lambda1&0&0 \\ 0&\lambda_2&0 \\ 0&0&\lambda_2\end{pmatrix}
$ \lambda_2に対するジョルダンブロックが真ん中と右下の$ 1\times1の2つ
参考