アンチ・オイディプスに至るまでの二人の逡巡
『ドゥルーズの哲学原理』p.163までの流れをいったん整理したいmrsekut.icon
Gilles DeleuzeとPierre-Félix Guattariの両者の中にそれぞれ課題があった
Gilles Deleuze側の課題
ドゥルーズは自身の思考が構造主義に近いということも、構造主義の根幹に問題があることも知っているが、そこからの出口が見えていない状況に陥っている
ドゥルーズは構造主義的な概念に惹かれていた
ドゥルーズによる構造主義の6要素によって、構造主義を定義した
その6つ目である空白のマス目は、この世のすべてのものを規定しているものだが、
空白のマス目それ自身は、自らの起源を欠いている
発生の哲学をするドゥルーズにとっては、これは矛盾である
この矛盾を解決するためには端的に言って2つの選択肢がある
構造主義の定義の中の矛盾を解消することで、構造主義を確立する
これが以下に書いているもの
矛盾を解消すると構造主義の根幹が崩れるので、それはもはや構造主義ではないので、つまり新しいモデルを創造する
これが逡巡後にガタリとやったもの
構造主義は矛盾を抱えている
それは対象xの2つの特徴から生じるものであるので、この2条件のいずれかを変動させればいい
シンプルに
ドゥルーズは、原抑圧を認めない
ドゥルーズは、抑圧は反復によって引き起こされると言う
ドゥルーズは、反復は対象xによって引き起こされると言う
ファルスは原抑圧と切り離せない概念
ドゥルーズの反復は、ラカン派のシニフィアン連鎖と重なる
シニフィアン連鎖的観点においては、反復はファルスによって引き起こされる
故に対象xとファルスは同じ概念
ここで、一番上と矛盾する
ドゥルーズは無意識の3つのモデルのセリーモデルと微細表象モデルを曖昧に接合していた
ドゥルーズの局所的自我の発想のもとになったのは、微細表象モデルである
にもかかわらず、変にセリーモデルを取り入れてしまったので矛盾が生じた
Pierre-Félix Guattari側の課題
機械のイメージを、一つの概念としてまで作り込むことに困っていた
機械の概念は、ラカンの構造の概念への対置として生まれた
構造は時間や日付を扱えないが、それを扱うための新たな概念が必要になった
ここが構造主義の課題として指摘される部分
というよりは、反復の次元にあるモデルを必要とした
構造
一般性の次元に属する
どの項も他の項と交換可能
対象aという一つの欲望から成っている
シニフィアンは欲望であり、
一つのシニフィアンが(他の全てのシニフィアンの)主体を代理している
この論は、欲望が「対象aを追い求める欲望」ただ一つからなるということが前提にある
ファルスφは原抑圧によって無意識の中に閉じ込められないといけない
そうしないと精神病になる
機械
反復の次元に属する
ファルスは離脱する
なので、原抑圧の正常な作動そのものが疑われる
なので、無意識の主体はシニフィアンによって代理されない
機械の本質
表象作用を持つもの
微分作用を持つもの
一つのシニフィアンが離脱する働きのこと
#??
ラカンの精神分析が対象aという一つの欲望から成っている理論に対する疑問視をしている
ファルスφは容易に離脱する
以下のような構造主義的概念に依存しない思考が求められた
構造主義的構造
セリー的構造
ファルス、対象x