悪徳の栄え事件
作家の澁澤龍彦と出版社の社長が刑法175条で問われた 1審 無罪
第1審は、本書で問題となっている叙述は残忍醜悪な表現と一体になって性的な表現がなされているのであり、(一般人の)性欲を興奮または刺激するものではなく、むしろ萎縮させるものであるとし、無罪を言い渡した
2審 有罪
最高裁 上告棄却
裁判官1人の補足意見、1人の意見、5人の反対意見
色川幸太郎裁判官は憲法21条(表現の自由)が知る権利を含むとした 最高裁(昭和44年10月15日判決)は、わいせつ性は、(1)文書全体との関連において判断すべきであること、また(2)文書の芸術性・思想性など肯定的価値が文書のわいせつ性を低減・緩和させる場合があることなどを認めており、「チャタレー事件判決」の方向性が修正されたといえます。