アダム・スミスは反資本家だった?
from 経済格差は「どこに生まれたか」で9割決まる?
Global Inequality: Branko Milanovic - Paul Krugman
アダム・スミス=市場原理主義というイメージが流布しているが、特に『国富論(1776)(The Wealth of Nations)』や『道徳感情論(The Theory of Moral Sentiments)』には、次のようなむしろ反資本家的な記述が多数ある。
「資本家は社会にとって有害」
「働かずに金利で食う奴は倫理的にNG」
銀行崩壊の経験を踏まえて、「国家による規制が必要」と明記
「イングランドで“貧しくない”とされるには、良質なリネンのシャツが1枚は必要」→ 貧困の定義を「生存水準」ではなく「文化的・社会的基準」として捉えている
現代の右派が好きなスミス像はチェリーピックされたもの
シカゴ学派が強調した部分
自由放任主義(レッセ・フェール)の父「政府は市場に干渉せず、すべて市場に任せるべきだ。」
政府不信・規制反対の根拠「 規制は非効率であり、官僚は無能。だから民間に任せる方がマシ。」
「見えざる手」の信奉者「 個人が利己的に行動すれば、市場全体は調和する。」
資本主義の擁護者「 資本家の利益=社会の利益、だから企業は放置すべき。」