COVID-19の収束シナリオ
2023-12-18
何度か書いたように(例えば鐵人三國誌2022年9月13日とか、「これからのCOVID-19対策」スライドの最後とか)、COVID-19パンデミックを「終息」させるためには、重症化予防が主な効果である現行ワクチンでは不十分で、高い感染防御効果のある経鼻スプレーワクチンが広く実用化されることが1つの可能性として存在する。一昨日のDr. Eric TopolのXへのポストで、"Robust mucosal immunity vs Covid, which can achieved by an inhalation vaccine (IT below), in non-human primates, provided near complete protection for blocking infections, greatly exceeding that of shots."とあったので原著のNature論文 McMahan, K., Wegmann, F., Aid, M. et al. Mucosal boosting enhances vaccine protection against SARS-CoV-2 in macaques. Nature (2023)にざっと目を通してみたら、たしかにまだサルの実験レベルで、残念なことに経鼻では粘膜への免疫は筋注とそれほど変わらない感じの結果だったが、気管内(intratracheal)の噴霧(内視鏡で直接気管に吹き付けたと419行目に書かれていた)ではかなり高い免疫が粘膜についたように見える。経鼻スプレーが有効だったら良かったのだが、たぶん何かもうひと工夫必要ということだろう。(2023.12.18)
2022年10月の見解
現在のところ欧米は "With Corona" を受容。日本も追随しそう。 CFR がもう 1 桁下がれば季節性インフル エンザ同等になるので受容可能だろうが(「共存」)、現状では CFR はそこまで低くなく後遺症もあるので 平均寿命や健康寿命は短縮。 CFR が高い変異株が出現するリスクも残存
Rtをもう一桁減らさなければいけない
2020/53
1年はかかりそう。抑え込みの基本的なパターンは少なくとも3つある
2022/4/1追記 2年が経過したが、まだ終わっていない
https://gyazo.com/b79a86d729c202d589e5a0a716ff1a6e
コロナの再生産数は2-3ぐらいなので、50-67%が感染すれば収まる
他の予測もだいたいこんなかんじ
2月15 日にハーバード大学公衆衛生大学院の感染症疫学のMarc Lipsitch 教授が予測したように,1年で世界人口の40-70 %が感染したら Rt <1 となって終息する
● ただし,控えめに見て 75 億×0.4×0.003 =900 万人死亡
0.003はCFRの楽観的見積もり
● 医療的対処の許容量を超える「オーバーシュート」が各国で起こるとIFR は上がるので,最悪の場合,75 億×0.7×0.01 =5250 万人死亡
実際の集団免疫率は2割であるという主張(宮坂昌之) 注意すべきなのは、この場合、一般的には「免疫」とは抗体ができることを指していて、「獲得免疫」のことであるというのが暗黙の了解となっています。 しかし、個体レベルではウイルスに対する防御は2段構えであって、自然免疫と獲得免疫がウイルス排除に関与します。 もし自然免疫がうまく働けば、少数のウイルス粒子が侵入してきても自然免疫だけでウイルスを排除できる可能性があります。つまり獲得免疫が働かなくてもウイルスは排除できる可能性があります。
この集団免疫の考え方を援用して言われてきたのが「われわれはこのウイルスに対して免疫を持たないので、無防備の状態で感染が広がると集団の中の60%ぐらいの人たちが感染するであろう」ということです。
実際、イギリスのファーガソン教授もスウェーデンの疫学者アンデシュ・テグネル氏も、さらには厚生労働省クラスター対策班の北海道大学大学院、西浦博教授もこの数字を挙げていました。 しかし、私はこの仮定は違うと思います。前述したように、このようなことは武漢市でもダイヤモンド・プリンセスでも起こってはいません。これはスペインでもイタリアでも起きていません。
激しい流行があった中国湖北省武漢市でも、またクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」でも感染した人は全体の2割程度でした。集団の6割も感染をするようなことは観察されていないのです。
その理由は大きな流行が始まると、人は隔離措置をとり、接触制限をするようになるからで、それとともに上記の基本再生産数が小さくなるのです(これを実効再生産数と言います)。 隔離措置をしているのだから、「何もしていなければ」という仮定が崩れてない?基素.icon
接触制限によってR値が1.2まで下がると、上記の公式で集団免疫閾値は20%以下(筆者注:16.7%)となります。これが、実際に武漢市やダイヤモンド・プリンセスで起きていたことではないかと私は考えています
どちらが正しいかどうかは良い抗体検査キットが出てくると、本当に感染した人が2割だけだったのか分かります 2. ワクチンか治療薬が開発される
最短1年半から2年ぐらいらしい
3. 感染者数が一定以下になる
ロックダウンを繰り返す