剰余環
商環(しょうかん、英: quotient ring)、
剰余環(じょうよかん、英: factor ring)
剰余類環(じょうよるいかん、英: residue class ring)
とは、
群論における剰余群や線型代数学における商線型空間に類似した環の構成法およびその構成物である。 すなわち、はじめに環 R とその両側イデアル I が与えられたとき、 剰余環 R/I と呼ばれる新しい環が、I の全ての元が零元に潰れる(I による違いを「無視」するともいえる)ことで得られる。
注意: 剰余環は商環とも呼ばれるけれども、整域に対する商体(分数の体)と呼ばれる構成とは異なるし、全商環(商の環、これは環の局所化の一種)とも異なる。
定義
環Rに両側イデアルIが与えられるとする
Iは加法群としてのRの部分群であるから、剰余加法群R/Iが考えられる
すなわち剰余類を加法的に
$ \overline{x} := x + I $ (x \in R)
とかくとき $ R/I := \{ \overline{x} = x + I \mid x \in R \}は、演算
$ \overline{x} + \overline{y} := \overline{x+y} $ (\overline{x} , \overline{y} \in R/I )
によって、再び加法群になる
さらに、Iが両側イデアルであることから、乗法を
$ \overline{x} \ \overline{y} := \overline{xy}
で定義することができる
片側イデアルだといえない
上の加法、乗法で再び環をなす
これを剰余環という
証明
とくにwelldefined