二重数
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数学、特に線型代数学における二重数(にじゅうすう、英: dual numbers)は、実数の全体に実数ではない新しい元 ε で複零性 ε2 = 0 を満たすものを添加して得られる実数の拡張概念である。二重数の全体は、実数体上の二次元可換単位的結合多元環(二元数)の一種になる。任意の二重数は、実数 a, b を使って z = a + bε の形に一意的に表すことができる。二重数全体の成す平面は「交代的複素数平面」("alternative complex plane") と呼ばれ、通常の複素数平面 C と分解型複素数平面とに対して相補的な関係にある。
代数的性質
抽象代数学の言葉を使えば、
二重数の全体は多項式環 $ R[X] を多項式 X^2 の生成するイデアルで割って得られる剰余環
$ R[X]/(X^2)
として記述できる。
この商における X の像が「虚数単位」ε である。
このように書けば、二重数の全体が標数 0 の可換環を成すことは明らかである。
さらには、これによって多項式環から遺伝する乗法が、二重数の全体に実二次元の可換結合多元環の構造を与えることもわかる。
この多元環は、虚数単位 ε が可逆ではないから、体にも多元体にもならない。実は任意の非零純虚元が零因子になるのである(後述)。二元数全体の成す多元環は、R1 の外積代数 ∧R に同型である。