リモートワーカーが時間管理で生産性を高めるためのメンタルモデル
これは「Timelab Advent Calendar 2023」の2日目の記事です。
こんにちは。私は縁あって2023年の6月からTimelabの開発に携わっています。最近はWebフロントエンドのプロトタイピングや再設計をやっております。 さて、昨日は友成さんの記事でした。
誰かと比較したり何かと比較ではない自分の基準で時間を確保することが大切だとつくづく思います。
いい言葉だったので引用してみました。
導入
優れた道具が存在したとしても、それを自分の状況に当てはめて使いこなすには利用者自身が道具の特性をよく理解せねばなりません。
道具の持つ機能を単なる道具としてではなく、自分自身の時間管理の哲学として取り入れる必要があります。つまり、時間管理ツールを使いこなすためには、そのツールの持つ道具としての意図に耳を傾けることも大事なのです。
最終的に自分の時間をどう使うかを決めるのは道具ではなく、自分自身です。
この記事では、時間管理ツールを扱う際に必要なメンタルモデルと、その中心となるブロック時間の設計について、私の解釈と見解を述べます。 日程調整の複雑性はリスクである
日程調整の複雑性は個人と組織の両面において重大なリスクをもたらすと認識しています。
日程調整が頻繁に行われるほど、プロジェクトや個人の生活における不確実性は増加します。スムーズな日程調整は個人のプライベートを保護する上でも重要です。
日程調整は、様々な課題を含んでいます。
関係者間で異なる時間軸が交差することで、時間の奪い合いのようなゼロサムゲームが生じ得る 人間関係や立場による遠慮
キーパーソンの多忙さが日程調整の障壁となる
しかしながら日程調整においては、
「どの時間が空いていますか?」と尋ねる代わりに「どの時間帯がNGですか?」の問いの方がシンプルだとは思いませんか?
究極的には、日程調整自体が不要な世界も理想的かもしれません。
この理想を追求するためには、ブロック時間を含むカレンダーを公開して時間管理することが一つの手段となります。
時間管理の重要なポイント
ポイントは、自分の生産性が最も高い「コアタイム」と、その周囲を構築する「ブロック時間」を利害関係者へと伝えて理解を得ることです。反対に、利害関係者のブロック時間も把握しておくと良いでしょう。 1. コアタイムの特定:
一日の中で集中力が最高潮に達する時間帯を見つけ出す。 2. ブロック時間の設定:
コアタイムを基盤として、集中的に作業を行うためのブロック時間を確定する
この時間は、外部からの割り込みを遮断する
3. 利害関係者への認知:
自分のブロック時間を関係者に伝え、理解してもらうことで、予期しない中断を減らす
ブロック時間の設計
ブロック時間は、仕事だけでなく、家庭や趣味、交友など生活の様々な側面を考慮して割り当てることが重要です。
また、個人の生活習慣や体質を考慮することも不可欠です。これには、日常的なルーティンや自己理解が深く関わってきます。
今回は個人の生産性にフォーカスしてみましょう。
以下の要素を検討できます
1. 生活リズムのタイプ:
朝型、昼型、夜型など、個々人の活動パターン
個人の集中力を最大限に引き出すための日常的な習慣(例: コーヒーナップ, 瞑想, 運動など) 私のブロック時間設計の例
koushisa.iconの生活リズムと集中力を高めるルーティンを紹介します。
ルーティンが決まるとブロック時間も逆算的に決まるという一例です。
18:00 夕食終わり
20:30 入浴終わり
22:30 睡眠
04:30 起床
06:00 コーヒーを飲み仕事開始
~ 4時間を作業時間に充てる
14:00 昼食, 仕事を切り上げる
ルーティンの詳細については後述しますが、習慣に関わる時間は基本的にブロック時間です
このルーティンを守っている限り、koushisa.iconは午前中はフロー状態を維持できます。 そこから寝るまではある程度穏やかに過ごせます。
午後の時間は、家族との時間を大切にしています。これを実現するために、私はプロジェクトに参加する際、自身の朝型の生活リズムをチームメンバーに明確に伝えています。これにより、午後に定例の会議が入ることはほぼなく、大切な時間を過ごせています。
(もちろんこれは、Timelabの開発チームの「家族の時間を最優先にする」文化が根付いてるからです!)
ルーティンの詳細
先ほどのルーティンの詳細です。
そこを出発点とし科学的な知見を加えてルーティンを設計しています。
※この項については、koushisa.icon個人にフォーカスした話なので興味のない方は読み飛ばしてもらっても結構です※
あくまでもこういう観点でみてるんだな、や、そういう解釈もあるよね〜という感じで。
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断続的断食(18時間)を中心に構築するようにしています。研究によると、断食が12時間を超えると体はオートファジー(古い細胞の新陳代謝状態)モードに入り、集中力に影響を与える脳波パターンが優位に変化すると言われています。 この状態を活用するため、私はオートファジーの時間帯に作業を進めることを重要視しています。
次に、作業の時間軸を決定するために、アーユルヴェーダのドーシャとクロノタイプという2つの指標を用います。ドーシャ(カパ)とクロノタイプ(朝型)に基づいて、私の最適な作業の時間帯は6~10時です。
参考サイト
このスケジュールを実行するための流れ
前日18時までに夕食を済ませる
6時に作業を開始する (オートファジー開始)
14時に断食が終わり昼食。仕事も切り上げる。
オートファジー中のエネルギー源として、ケトン体を優位にするために、Bulletproof Coffee(グラスフェッドバターとMCTオイルを混ぜたコーヒー)を摂取します。
また、コーヒーに含まれるカフェインがコルチゾール分泌の妨げとならないようにコーヒーの時間は起床後1時間30分後に設定し、さらにカフェインの副作用を軽減するためにテアニンのサプリメントも併用します。
このプランに基づいて、私は毎朝4:30に起床し、6時にはBulletproof Coffeeを飲んで作業を開始します。
就寝時刻を逆算すると、カパの理想的な睡眠時間は6~7時間なので、22:30には就寝することにしています。
睡眠の質を向上させるために、
20:30には入浴を済ます。2時間かけて深部体温を下げる
夕食には50g以上の糖質を摂取する
5分のストレッチ
6分の読書
といった睡眠のための活動も行います。
起床は、Apple WatchのAutoSleepでレム睡眠の時に起こしてもらいます。
移動・休憩後や、思考のざわつきを感じた時などは散歩で自然を感じたり、瞑想することを徹底しています。 他には、神経伝達物質や幸せホルモンを分泌するためにプロテインからアミノ酸を摂取したり太陽の光を浴びたりなどもしていますが長くなるので割愛します。 ルーティンの重要性
私がルーティンにある種の執着を覚えるきっかけとなったのは、子育てで時間が限られた生活の中で自分本位に生きるための工夫でした。 予定通りに進まない日もあれば、仕事がスムーズにいかないこともあります。子どもの夜泣きや体調不良により寝られない日だってあります。しかし、自分の軸となるルーティンを守ることで、自己肯定感を保ち、挫折感や不安を乗り越える力を持つことができます。この一貫性が、困難な時期でも時間を有効に使うための重要な要素となります。 毎日を穏やかに過ごすために習慣の軸を一つ持っておくと良いでしょう。そして、その軸の上に報酬設計を重ねておくと良いのかもしれません。早起きも目的が明確で、報酬もあれば体が適応してきます。 大切なのは、他の誰でも無く自分で自分の時間をコントロールしている感覚です。アスリートのようになる必要はありませんが、自分を律する意識は大切でしょう。行き過ぎたらそれは呪いともなり得るものですが自分がやりたいこと、やるべきことに集中するための方法論はとても重要です。 私たちが感じるストレスの多くは、ハードワークからではなく、やりたいことを実現できてないという葛藤から生じると言われています。 その解決策の一つは、内側のルーティンと、外側の世界との調和にあると思っています。苦しい時でも、意識的にブロック時間を有意義に過ごすことで、自分らしく生きる道を見つけられるのです。自分がコントロールする時間を増やし、その時間をどう使うか、生活習慣が私たちの生き方を決める重要な要素となります。 まとめ
リモートワークにまつわる悩みは絶えませんが、自己実現のための「自由と責任」に関わる「必要経費」と捉えてみると面白いのではないでしょうか。 koushisa.iconは時間管理ツールを使いこなす最初の一歩として、ブロック時間を設計することから始めることを提案します。この過程で、自分の時間が思った以上に限られていることを自覚し、それを効率的に活用する方法を探求することができます。
時間を有意義に活用することを通じて、自己管理能力が深まります。これは、個人の価値観の更新や自己超越にも繋がるでしょう。自分の時間をデザインすることは、結局のところ、自分の人生をデザインすることに他なりません。 おすすめの本紹介
最後に、時間とルーティン構築のバイブルとなった本をご紹介します