未知のジャンルに挑むときにこそ再読をしてネットワークを再構築する
「再読を意識したいタイミング」は、「新しいジャンルに興味を持ったとき」です。
なぜ新しいジャンルに手を出そうとしているとき、すでに読んだはずの本を再読したほうがいいのでしょうか。
再読とは、書物と書物、言葉と言葉のネットワークを再編成することでした。新しいジャンルに手を出そうとしているとき、読者は自分のなかの書物のネットワークを、「新しいジャンル」という未知の書物のネットワークに接続しようとしています。
新しいジャンルに手を出す前に自分の知っている本を読み返しておくことは、未知のネットワークに接続する前に、自分のネットワークを整頓しておくという意味をもちます。
目の前の新しく興味を持ったジャンルの新刊を読むのではなく、再読をしてそのジャンルとのネットワークを整頓することで学習が進む
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つまり、新しいジャンルに手を出したいときほど、自分が過去に読んだ本を読み返すべきであり、そのときは再読をしながら「これが結局は最短のルートなんだ」と思えばいいのです。その再読が読者のなかでその読者なりの書物のネットワーク、その読者なりの知識や概念の唯一のネットワークを構成していくのですから。