2022年11月27日
今日は昼の部・夜の部と通して歌舞伎座。13代目市川團十郎および8代目市川新之助襲名披露興行の十一月吉例顔見世大歌舞伎を観るのである。華やいだ雰囲気で、祝福ムード。客席も満員。 昼の部の演目は以下の通り。
祝成田櫓賑
外郎売
勧進帳
「祝成田櫓賑」は、劇場に入った時の華やいだムードが、そのまま舞台にも反映されているようで、めでたい。「外郎売」では、新之助さんが立派にお役を勤めていて、先代を継承する意気込みを述べる口上と、言い立てを深い抑揚とともにやり切った姿に、思わず落涙。新之助さんのスター性はすごい。襲名が2年延期になってしまったのは、彼の役者としての成長にとっては、結果的によかったように思われた。「勧進帳」は、尻と腰が痛くなってしまって、最後の方はしんどくなってしまった。
中入りで、昼食を取りつつ、新しくできた店に寄ってみた。技量が物足りず、しんどい感じ。
16時からは夜の部。演目は以下の通り。
矢の根
十三代目市川團十郎白猿・八代目市川新之助襲名披露 口上
助六由縁江戸桜
「矢の根」は、幸四郎さん独壇場。口上は、白鸚さん体調不良によりお休み、菊五郎さんがリード。若い頃についての言及に、笑いが漏れる。みな先代、先々代について言及しつつのご挨拶。玉三郎さん、仁左衛門さんのご挨拶に、感極まる思いをした。新之助さんもとっても立派。「にらみ」も素晴らしかった。刺すようでいて、しかし引き込まれるような、強い視線。
「助六」では、菊之助さんの揚巻が美しかった。玉三郎さんの白玉も素敵だったし、莟玉さん、團子さんはかわいい。並びの笑三郎さんも素敵。梅玉さんもめでたいし、魁春さんにたしなめられて引っ込むのもかわいい。紀尾井町さんに似た意休の迫力。そして、最後は鴈治郎さんが全部持っていった。
歌舞伎役者や落語家を町名で呼ぶ習慣といえば、神谷町=先代芝翫、岡本町=六代歌右衛門、落語家でいえば黒門町=八代桂文楽などがあったが、いま役者で町名呼びされてるといえば、紀尾井町=いまの松緑さんが思い浮かぶ。江戸の風を感じる習慣だが、廃れつつあるのは残念なことである。
夕食をとったのち、また別の店に出向く。こちらもあんまり良くない。銀座はシーシャ的には厳しいなあ。
手話言語学について、日本語の本は近年出た分についてはだいたい読んだように思うので、英語圏だとどういう書かれ方をしているのか知りたくなり、Sign Languages: Structures and Contextsを読む。オーバービューの後、音韻論、形態論、統語論と進むオーソドックスな入りなのだが、その後は言語獲得や社会言語学的なトピックについても扱っていて、話題が幅広い。日本手話については、そのあたりがまとまっている本はないんじゃないかと思う。 帰宅したら、先日注文しておいた米川明彦・監修『新 日本語‐手話辞典』が届いていた。巨大な辞典。手話単語をどんどん引いていこう。 ---
今日のブックマーク
---