Toki Pona Lesson 11(日本語訳)
こちらの情報は原文が削除されています。この記事は記録として残しておきますが、内容が不確かなものとなっています。
レッスン11:pi
単語
table:単語
pi 中核的な意味は "of"、詳細は本文にて
kalama 音/雑音、音を鳴らす/楽器を奏でる
kulupu 集団、集まり、社会
nasin 道、通り、教義、手順
pi
pi の根本の意味は "of" ですが、この単語はトキポナの単語の中でも混乱しやすいものの1つであり、誤用の権化と言えるでしょう。(筆者はトキポナ学習者が pi について色んな奇妙な間違い方をしているのを見てきました。私達はこれから pi を使うべきところで使わなかったことによる面白い間違いを見ることになるでしょう。)しかし、pi は必要悪なのです。つまずくこともあるかもしれませんが、落ち着いて取り組み、私との共感を抱いてください。
レッスン5で tomo telo (直訳すると水の部屋)が「トイレ」を意味していたことを思い出してください。そして、nasa は「狂った」「馬鹿げた」という意味でした。これを踏まえて次の文章を読んでみましょう。 mi tawa tomo telo nasa. = 私は狂ったトイレに行きました。
この文章がおかしいということは、ほとんどの人が同意いただけると思います。私は、床がネオンで照らされ個室にはストロボが点滅しているようなゾッとするトイレを思い浮かべました。実際には、この人が言おうとしていたことは「彼はバーに行った。」なのです。telo nasa が酒という意味になることを思い出してください。彼は tomo と telo nasa でバーの意味になると思ったのです。しかし、この文を tomo と telo nasa と解釈することは出来ず「狂ったトイレ」という意味になってしまったのです。pi を使えばこの問題を解決できます。
tomo pi telo nasa = 酒の部屋 → パブ、バー、居酒屋、など
間違いは修正されました。やったね!
見ての通り、pi は形容詞を持つ名詞から別の名詞を分離するという機能を持ちます。式で表すとこんな感じになります。
(名詞1) pi (名詞2) (名詞2を修飾する形容詞)
2つ目の名詞には形容詞を置く必要があります。形容詞がない場合は以下のように pi を置かずに表します。
(名詞1) (名詞2)
Scheme の記法に慣れている人向けに、さっきの文を式で表してみるとこうなります。(よく分からない人は飛ばして次の段落へ行ってください)
狂ったトイレ = ((tomo telo) nasa)
酒場 = (tomo pi (telo nasa))
ここまでの説明で pi について大体理解できたと思います。より深い理解のために、例文をいくつか挙げてみます。いくつかの熟語はレッスン5に出て来たものです。 jan pi ma tomo = 街の人、都会人
kulupu pi toki pona = トキポナの集団、トキポナコミュニティ
nasin pi toki pona = トキポナの教義、トキポナの背後にある思想
jan lawa pi jan utala = 戦士のリーダー、指揮官/将軍
jan lawa pi tomo tawa kon = 飛行機のリーダー、転じて機長
jan pi nasin sewi Kolisu = キリスト教の人、転じてキリスト教徒
nasin sewi = 宗教
jan pi pona lukin = 見た目の良い人、転じて美人
jan pi ike lukin = 見た目の悪い人、転じて醜い人
これらの例文(特に最初の5つ)がよく分からない人は、これまでのレッスンを見返してください。
pi を使った所有格
レッスン5で、「私の家」は tomo mi に、「あなたの家」は tomo sina になることを学びました。特定の個人の名前を挙げてその人の家であることを示す時には pi を使います。 tomo pi jan Lisa = Lisa の家
tomo Lisa と言うことは出来ないことに注意しましょう。違う意味になってしまいます。さらにいくつか例文を挙げます。
kili mi = 私の果物
kili pi jan Susan = Susan の果物
ma ona = 彼女の国
ma pi jan Keli = Keli の国
len jan = 誰かの服
len pi jan Lisa = Lisa の服
複数形の代名詞("私達"や"彼ら"など)でも pi を使います。
nimi pi mi mute = 私達の名前
tomo pi ona mute = 彼らの家
pi が無いと、このような簡単なフレーズも直感的に表現できなくなります。
pi と ala を使った対義語
語彙の少ないトキポナでは対義語が無いということがよくあります。例えば、「音」を示す語はあっても(kalama)「静寂」はありません。「強さ」を表す語はあっても(wawa)「弱さ」はありません。
pi と ala を併用することでこの対義語の問題を解決できます。
jan wawa = 強い人
jan pi wawa ala = 強くない人、転じて弱い人
jan wawa ala ではありません。これは「強い人ではない」になります。
ありがちな間違い
よくある間違いとして pi を "about" の意味で使うことが挙げられます(例えば「私達は何かについて話す。」のような)。pi をこの意味で使うこと自体はありますが、使いすぎてしまう人がよくいます。よくある間違いの例です。
誤:mi toki pi jan. = 私は人について話した。
正:mi toki jan = 私は人について話した。
"about" は単純な文では明記しません。pi を "about" の意味で使う正しい例を以下に示します。上の例文と見比べてみましょう。
mi toki pi jan ike. = 私は悪人について話す。
この文では jan ike でひとかたまりなので、pi を使いました。pi は単に jan ike を切り離すためのものです。
他のよくある間違いとしては単に pi をやたら使いすぎるというものがあります。例えば、jan lawa がリーダーであることは既に知っていますが、これを jan pi lawa と言ってしまうことがあります。同様にして、「田舎者」= jan ma ですが、これを jan pi ma と言ってしまう学習者がいます。どうしてこのような間違いになってしまうのかは分かりませんが、とにかく2つ目の単語を修飾する形容詞が無いのでこの文は間違いです。この形式を忘れないでください。
(名詞1) pi (名詞2) (名詞1ではなく名詞2を修飾する形容詞)
pi の直後に続く語には、それを修飾する別の語が必要です。
3つ目の間違いは tan との混同です。
正:mi kama tan ma Mewika. = 私はアメリカから来ました。
誤:mi kama pi ma Mewika.
他の使い方
pi にはもう一つ別の使いみちがあります。私がこの章を分けて書いているのは、上で書いたルールを破ってしまうからです。以下の例文について考えてみましょう。
kili ni li pi mi. = この果物は私のです。
tomo ni li pi jan Tomi. = あの家は Tommy の家です。
この2文は少し奇妙に見えるかもしれませんが、pi は li の後ろに続けて書くことで持ち主を表すのです。必要なら以下の例文も参考にしてください。
ilo ni li pi sina. = この道具はあなたのです。
ma ni li pi jan Tosi. = この地はドイツ人のものです。
toki ni li pi mi mute. = この言語は我々のものです。
その他
このレッスンで既に pi という十分難しい勉強をしましたが、ちょうどこのレッスンで見た kalama と nasin の使い方についてだけ解説します。
kalama
kalama は「音」を意味します。
kalama ni li seme? = あの音は何だったの?
musi を kalama と組み合わせると「音楽」や「歌」の意味になります。
kalama musi li pona tawa mi. = 私は音楽が好きです。
jan を前に付けると人名になるのと同じように、musi kalama があるとその曲名の特定の曲を意味します。
kalama musi "JingleBells" li pona tawa mi. = 私は "Jingle Bells" という歌が好きです。
pi を使うことで、音楽のバンドや歌手の名前を指定できます。
kalama musi pi jan Elton John li nasa. = Elton John の曲は変わっている。
最後に、kalama は動詞としても使えます。
mi kalama kepeken ilo. = 私は楽器を奏でる。
o kalama ala! = 静かにして!
nasin の "how" としての用法
このレッスンでは既に nasin を説明していますが、これ以外の用法も見てみましょう。
sina pali e ni kepeken nasin seme? = あなたは何の手段でこれを作りましたか? あなたはどうやってこれを作りましたか?
私はこの用法で十分直感的だと思うので、他の例は用意していません。代わりに、seme があらゆる疑問文で使われることは前回のレッスンで説明してきました。jan seme ならば "who"(誰?) になり、tan seme なら "why"(なぜ?) になるのと同様、kepeken nasin seme で "how"(どうやって?) を意味します。