イノベーションの普及
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イノベーションの4要素
あるアイデアが個人にとって「新しい」と知覚された時に、そのアイデアは「イノベーション」となる。
典型的なリサーチクエスチョン
①イノベーション初期採用者は後期採用者とどのような相違点があるか?
とはつまり、情報探索活動と情報処理活動であると言える。
この2活動によってイノベーションのもたらす優位性と劣位性に関する「不確実性」を減少させるように動機付けられる。
あるイノベーションが「個人にとって優位性があるか」が重要なのであって、その「個人」の最大公約数とったものが「文化」や「民族」である。
文化も民族も最大公約数でしかなく、「大量の個人」の説明変数である。
公共政策における交通安全問題が個人責任からシステム責任へと見直されることで、「既存の研究成果」が実際に適用できた。
つまり、議題設定=◯◯責任、が見直されることで、今までのものを上手く使うことができる。これはイノベーションの一例であると完全に言える。
うちの学類はスカンク学類である
失敗が推奨される組織
他の学類と同じことをやっていても意味がない学類
逆張りではなく、考え抜かれた「差異」を実践する学類
例えば:
インターンで国外に飛ぶ
ルワンダでIT実装を手掛ける
深圳のVCで他社の事業計画を見ながら、イベント立案などを手伝い、「コミュニティ」=「ある価値基準を共にした集団」の運営を学ぶ
その技術は「人間を拡張するか?」
前提:
人間そのものは2000年前からほぼ変わってない
今後数千年も大して変わらない
つまり、人間を拡張する技術は「今後数千年にわたって抜本的な変化をもたらす可能性が高い」
というのも、人間そのものは数千年前から大して変化していませんし、おそらく数千年後も大して変化していません。そんな(我々から見た時間軸における)普遍性をもった人間を”拡張”する技術は、すなわち、数千年単位で人間が普遍的・持続的にこなしてきている営みを拡張するものなので、必然的に社会に対して持続性ある抜本的な影響を生み出す可能性が高いのではないか、という発想です。
旧来の見方
基礎研究者から民間企業への一方的な過程
PARCのコンピュータ事業の技術移転失敗から学ぶ
自社は◯◯のみを行う企業であるとの思い込み
→画期的な発明をした場合に限っては、市場への移転を全力で推進すべきである
画期的な発明とは、その発明が広義の身体拡張技術である場合である
本社(製造販売部門)と開発部門の地理的遠さ
人が交流する機会を得られなかった
例えば心臓ペースメーカーはトランジスタや小型電池などの技術に依拠しており、ある種のイノベーション・クラスターである。
イノベーション発程過程の追跡調査
データ源の制約
当該技術分野の研究報告書に依存
発展過程のうち、研究と開発段階について言及しており、普及および採用過程には言及していない
偶発的な側面はじゅうぶんに記されていない
→まあ「偶然」なんだし体系化できないんじゃないの。。。?
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採用・導入段階でイノベーションが変更・修正される度合い(指標)
イノベーション決定過程
①イノベーションの知識
②説得(あるいは態度)
態度ってなんだ?
③採否の決定
④導入
⑤決定の確認
確認ってなんだ?
これは変数
事前の熟慮
熟慮
準備
行動
維持
「人はどのように常習的な行動を変えるか」
結局、人は人を信用している。
例え、科学的成果が報告されていたとしても、「そのイノベーション成果を信じる人を信じる」という態度を持つことが多い
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第4章_イノベーション属性とその採用速度
社会システムの構成員によって採用される相対的な速さのこと
測定方法
一定期間の間に採用する個々人の数などを指標とする
イノベーション採用曲線の勾配を意味する
+
〇〇の使用が任意的なイノベーション決定であると「知覚される」度合い
〇〇の使用が「組織での個人の地位」を高める度合い
○○が人と人の間のコミュニケーションを「容易にする」度合い
本来、尺度項目は別の研究者が用いたものではなく、研究ごとに独自のものが編み出されるべき
ただし・・・
>ムーア,ベンバサット(1991)の尺度項目と知覚属性の計測手法は、示唆的かもしれない
任意のイノベーションを採用する一群の特定の個々人の集まりでは、別の属性がありうることに注意
☟
このような知覚属性などを用いてイノベーションの普及の「先を見越す」調査のことを
調査計画の理想像は以下のようなものである(p.160)
※5つの知覚属性に関する詳細な説明は後から読む
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「新しいものを試す最初の人間になるな、そして古いものを捨てる最後の人間になるな」
アレクサンダー・ポープ 『批評に関するエッセイ』(1971)
『先ずもって緩やかな前進、次いで急速で一律に加速された進歩、再び緩やかに続く進歩があって遂にそれは停止する。これが発明の3つの時代である。』
この章の目的
採用者を分類する標準的な方法について知ること
採用者カテゴリの特性に関する研究の知見に従い、手法の有用性を知ること・疑問を抱くこと 人々の革新性に基づいて社会システムの成員を分類する軸
個々の成員ごとに記述するのはあまりにも冗長
カテゴリごとに以下の点において多くの重要な差異がみられる
それぞれのカテゴリのサブオーディエンス(?)ごとに異なったコミュニケーションチャネル・メッセージを使用すること。
ほかの成員に比べて新しいアイデアを早期に採用する度合い
主要な従属変数
チェンジ・エージェント機関の主要目標が革新性を増進させることだから
認識上や態度の変化だけでなく、明白な行動変化を示す指標
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「どのような野生の牛の群れにも、指導者つまり影響力のある頭がいるものである。」
リサーチクエスチョン:
コミュニケーションの流れモデル
皮下注射針モデル
あまりにも機械的だったために却下
情報(マスメディア)→影響(オピニオンリーダー)→対人ネットワーク 対人ネットワークを通じたコミュニケーションの流れを理解するために役立つ観点
「誰が誰のメッセージを信頼するか」という構造
同類性
コミュニケーションをしている1組の人たちが類似している度合い
それは何を指標として計測されるのか?
信念や教育、社会経済的な地位
「社会的な関係は互いに職業や教育が類似している人たちの間では一層緊密になる」
ガブリエル・タルド(1903)
『模倣の法則』の著者だなこの人hiragi.icon
行動は認識に先立ち、行動が認識と人格を変化させるhiragi.icon
同類的なコミュニケーションの特性
頻繁
容易
普及過程を「緊密に結びついたネットワーク内の人々の間で」加速させる
👆の意味するところは、採用者カテゴリより、「エリートはエリート同士で付きあう」ということ
イノベーションはエリートに採用されやすい
同類的なコミュニケーションはイノベーションを水平方向に拡散する 異類性
コミュニケーションをしている1組の人たちが何らかの属性において異なっている度合い
異類的なコミュニケーションは基本的に不快である
しかし、情報の受け渡しという観点において重要な役割を果たす
グラノベッダー(1973)『弱い絆の強み』理論が意味することはこれ(ブリッジ)
イノベーションに対する情報を求めるフォロワーの特性
一般化命題6-2, 対人普及ネットワークが異類的なとき「フォロワー」は以下のようなオピニオンリーダーを探し求める
社会経済的地位が高い
高度の学校教育を受けている
マスメディアから情報を多く入手している
チェンジエージェントとの接触が多い
革新的
※このような同類的な普及ネットワークは社会システム構造を通じたイノベーションの浸透を遅らせる?
これどういうこと?hiragi.icon
「社会システム構造を通じたイノベーションの浸透」とはなにか?
主に以下の手法を用いて生きた
①ソシオメトリック手法
任意の与えられた話題についての情報や助言をだれにも止めるかを回答者に質問する
最も指名が多い人がオピニオンリーダー
けっこう確実
少数のサンプルでは偏りが生まれるのが欠点
②キーとなる情報提供者による評点付け
③自己評価手法
④観察手法
p.269にまとめがある
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Q,ある社会システムにおいて、全ての事柄に通じたオピニオンリーダーが存在するのか?
Q,問題ごとに別のオピニオンリーダーが存在するのか?
オピニオンリーダーの革新性は社会システムの規範が決定する
6-9, 社会システムの規範が変化を好むとき、オピニオンリーダーは革新的になるが、変化を好まないとき、さほど革新的ではない
つまり、社会システムの規範が伝統的な時に革新的すぎる人をオピニオンリーダーに選ぶと、異類的なコミュニケーションの度合いが高まり、そのネットワークの中に十分に普及しない。
社会システムにとってその情報に新規性があるかどうかは問題ではない
社会システムの「規範」が変化を好んでいるかどうかが一番の問題である
社会システムの規範が採用者カテゴリを規定する
革新的すぎるイノベーターはチェンジエージェントの協力者としては適切ではない
これによってS字型普及曲線の解明に貢献した
これは「人材育成」について考える時のヒントにもなるのでは?
イノベーション人材の育成には「Well-being指標を用いるとよい」としているが、それは金間先生が若者論をやってるから、著書に「どうなんお前ら?」と問いかけたい
ただし、私たちの研究・データ分析においてはそこにとらわれずに「普及ネットワーク連結」を単位要素として扱い、アンケート項目の立案を行うべきhiragi.icon
これ、具体的にはどういうこと?
相互連結性は、社会システムの成員が対人ネットワークによって連結されてる度合いのこと
具体的な設問:
病院に正規職員として所属している
病院職員との会合に頻繁に出席している
他の医師と医局を共有している
・・・等
byコウルマン(1966)
この事例のように、アンケート項目において「ネットワーク変数」とも呼べる設問を設計すべき
「医師自身」の特性変数よりも「医師間」のネットワーク変数のほうが「革新性の予測因子」として精度が高かった
これは事例的には「ソシオメトリックの観点から見て、最良の友人として他の医師から名前が挙げられていること」に関係する変数である。
つまり、友達の多いやつ
社会システム内部での個人のネットワーク相互連結度はその人の革新性と正の相関がある
※ネットワーク相互連結度に対する批判:
医師はそれぞれ医学イノベーションに抵抗する閾値をもっているが、この抵抗閾値は仲間からのイノベーションに関するネットワーク作用によって徐々に克服される,というもの.
(コスモポライト情報源からの外部影響,ネットワーク相互連結度)
この2つの組み合わせがテトラサイクリンの採用にあたっての「革新性」を、より説明できる
マーケティング努力のほうが説明因子として優れているのでは?
構造的同等性とは、2人がネットワーク構造の中で同様の社会空間を占めているときに生じる(?)
再解析したらネットワーク変数が影響を与えてなかったとの指摘
等
インターネットの普及は双方向イノベーションである
インターネットの採用者が一人増えるごとに全ての利用者の効用が増大する
プラットフォームはだいたいこの形をしている
メモ:
普及過程において、インパクトが大きいのは異類的なコミュニケーションである
同類性はあるネットワークへの普及のみに留まる
つまり、異類的なコミュニケーションは「橋渡し」である 一般化命題6-1, 個人間の普及ネットワークの大部分は同類的である。
一般化命題6-3, オピニオンリーダーはフォロワーよりもマスメディアとの接触が多い。
6-4, コスモポライトである
6-5,社会参加が多い
6-6, 社会経済的地位が高い
Q,組織にもオピニオンリーダーは存在するのか?
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集中型普及システム
分散型普及システム
→現実の普及システムは連続体上に分布しており、どちらのタイプの特性が(強いか/弱いか)の割合の違いが存在する
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前提:多くのイノベーションは組織が採用する
イノベーション決定を行う社会システムの単位として組織を捉える
集合的なイノベーション決定及び権限に基づくイノベーション決定を扱う
背景:
組織が抱えている問題やニーズに対する認識よりも、むしろイノベーションに対する知識がイノベーション過程を始動させる
→これちょっと微妙だなと思ったけど、チケミーを俺が採用してるのとかまさにそれだなhiragi.icon
「とりあえずこれ使ってみたい」的なやつ
イノベーションに対する知識がニーズを創造することもあるhiragi.icon