ゼンリン/アイシン/トヨタマップマスター
令和5年度企業結合事例7〔ゼンリン/アイシン/トヨタマップマスター〕
https://gyazo.com/07226139b641600d4b2658db07ec8615
https://gyazo.com/39519dc932a37a14341f234940b77625
■■ここからセミナー資料■■
概念の整理 59-60
結合関係 59-60
少数株式取得・少数株式所有
間接的な結合関係
本件では、ゼンリンとトヨタグループとの間の結合関係
ともあれ、本件では、一応は、当事会社が全て一体となったと仮定して(必要に応じて内発的牽制力の発揮の状況を見ながら)判断することになる。
平成23年見直し以後は、結合関係の成否は、あまり争われなくなったように見える(水面下は不知)
本件における法的観点(事例集で詳述するもの)60
カーナビDBの水平型企業結合
ネットDBの水平型企業結合
カーナビDBを川上市場としカーナビソフトを川下市場とする垂直型企業結合
商品役務の概要説明 60-62
市場画定
https://gyazo.com/b7cd44e88e7c84d4e8e0e1be09e0cca5
「商品範囲」
「ア」63
「住宅地図データベース」「ナビゲーション向け地図データベース」「HDマップ」の3つが、それぞれ別々であることの説明。
「イ」63-64
「ナビゲーション向け地図データベース」が、「カーナビDB」と「ネットDB」に分かれ、それぞれ別々であることの説明。
「ウ」64
結論の整理
「住宅地図データベース」「カーナビDB」「ネットDB」「HDマップ」の4つに分かれる。
「ネットDB」の市場については、「セットマップデータ」という存在があり、これは市場画定の段階では考慮しない(市場の中に入れない)が、「ネットDB」の市場における競争の実質的制限の成否判断の段階で考慮する。
「地理的範囲」
上記4つのいずれについても、「日本全国」。
(上記4つのそれぞれについて別々に、地理的範囲を考えるべきであるが、答えが同じなので便宜的に1つにまとめて述べている。)
競争の実質的制限
基本的な考え方
https://gyazo.com/87ead6a2b2b45d26d7483bb39231dcbd
本件の前提
内発的牽制力は、あまり触れられていない模様。
他の牽制力で、競争の実質的制限の成立を否定できるのなら、触れないことはあり得る。
カーナビDB水平
65b
そもそもゼンリンとトヨタマップマスターが競争関係にない
原理的には、市場が別、という言い方も考えられるが
本件企業結合によって新たに生ずる反競争的影響が小さい、という表現のほうが受け入れられやすい(→ 一種の因果関係論)
66(イ)末尾の「間接的に隣接するアプリサービス市場からの競争圧力」
某原稿(白石)からのコピー
検討対象市場の外側の供給者が検討対象市場の需要者に供給する(通常の「隣接市場からの競争圧力」)のではなく、例えば、検討対象市場の外側の供給者が検討対象市場の需要者の更に川下にいる者に供給しようとするために、検討対象市場の供給者が競争的行動を強いられる、という場合などである。
とにかく、検討対象市場の外側の供給者が検討対象市場の供給者に対する牽制力となるなら、「隣接市場」か「間接的な隣接市場」かを問わず考慮要素としてカウントする、ということに尽きる。難しく考える必要はない。
ネットDB水平
セットマップデータ 68
敗者復活の一例(市場画定では外に置かれるが、競争の実質的制限の成否判断で考慮される。)
カーナビDBカーナビソフト垂直
https://gyazo.com/06a73872f769d6fbbdf086036ba0210f
川上市場:カーナビDB
A = ゼンリンとトヨタマップマスター
川下市場:カーナビソフト
B = アイシン
一般的にまとめたが、長いので適宜。
川下市場での他者排除
(2)ア 投入物閉鎖 71
「能力」はあるが、カーナビソフトの「間接的な隣接市場」への切替えの動きを促進するだけである(ので投入物閉鎖をしてまでYを排除しようとする「意欲=インセンティブ」が生じない)
なので、投入物閉鎖は起こらないから、競争の実質的制限も起きない
川上市場での他者排除
(2)イ 顧客閉鎖 71
「能力」がない(川下市場に市場シェア約10〜15%のYが複数存在)
川上市場のXに関する情報入手による協調的行動
(3)ア 71-72
川上市場とは、「カーナビDB水平」で検討した市場と同じ市場であって、隣接市場や需要者からの牽制力が十分であるから気にする必要はない。
川下市場のYに関する情報入手による協調的行動
(3)イ 72
カーナビソフトの市場でも、牽制力は十分である。
川下市場には市場シェア約10〜15%のYが複数存在
隣接市場や需要者からの牽制力もある。
■■(セミナー資料ここまで)■■