ジェンダースキーマ理論
ジェンダースキーマ理論 (Martin & Halverson, 1981) では、子どもは自分がどの性別グループに属しているかを理解し (ジェンダーアイデンティティ)、物や行動、特性を男性・女性に結びつけるカテゴリー (ジェンダーステレオタイプ) を発達させ、環境で新しい情報に遭遇すると、認知的一貫性を動機として、その情報が自分の性別と関係があるかどうかを評価し、以下のことを行う、というプロセスを理論化
関係がある場合 (ジェンダーステレオタイプと一致する場合) には近づき、性分化した知識やスキルを身につける
関係がない場合 (ジェンダーステレオタイプと一致しない場合) には、それを避け、異性と自分を区別することになる
このようにジェンダースキーマ理論では、性別の認知が情報を整理し,解釈し,行動を導く基準を提供することを仮定する
前提には、子どもが情報をカテゴリー化、分類する傾向・能力を持つと考えていることがある
つまり、子どもは以下のことができるように、様々な能力を発達させなければならない
1. 自分の性別を認識する
ここで、認知発達理論の枠組みが援用されている (総説として Blakemore et al., 2006)
2. 他人の性別を認識する
3. 対象物や行動を男性と女性のカテゴリーに体系的に分類することができる
参考文献
性の発達に関する心理学研究においてジェンダーアイデンティティはどのように概念化されてきたか