かわいいなぁ、ホンマ
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「うわー、うまそう!」
運ばれてきた山盛りの海鮮丼を見て、和が声を上げた。
道の駅くるくるなるとにやってきた4人は、食堂に入るとそれぞれお目当ての海鮮丼を注文していた。
「和はほれで足るんか?絶景海鮮丼でなくてよかったんか?」
遥の言う絶景海鮮丼とは、三段の超大盛海鮮丼のことだ。
「あれはまた今度、みんなで食いましょうよ。今日は俺、カレーも食うし」
早速丼に手を付けながら、和が言った。
「嘘やろ」
遥はもう呆れていた。冗談抜きで、和なら海鮮丼を食べた後にカレーまで食べる。
「おなかいっぱい食べ、帰りも僕の運転やけん」
円が言うと、和は嬉しそうに笑ってうなずいた。
「東雲さん、ホンマに運転うまいですよね」
静が言うと、なぜか和が得意げに「当たり前やん」と言った。
「東雲さんは若いころ大型乗っとったんぞ、トレーラーも運転できるんぞ」
和の言葉に、静はとても驚いたようだった。
「もう僕が若ないような言い方なんが気になるなぁ」
鰤を口に運びながら、少し残念そうに円が言った。
「違う違う!今より若い頃って意味ッスやん!もー東雲さん繊細過ぎるわぁ!」
慌てて和が言うと、それを見ていた遥と静が笑った。
「ほな大雑把な神田橋さんと、繊細な僕の子供やったらちょうどええ感じになるかな?」
落ち着き払った声で円が言うと、たっぷりのまぐろを口に入れていた和がむせた。
「和もね、こう見えて繊細なんですよ。東雲さんの冗談で恥ずかしがるくらいにはね」
遥が必死に笑いをこらえながら円に言った。
「エビおまえ、笑っとらんとなんか助けぇや!」
照れ隠しに静に八つ当たりする和。
「東雲さんも、ホンマに神田橋さんのことが好きですよね」
静はそう言うと、まぐろを口に入れて嬉しそうに笑った。
円はワハハと声を上げて笑った。
和は顔を赤くして、黙って箸を動かしていた。
「かわいいなぁ、ホンマ」
そんな3人を見渡しながら、楽しそうに目を細めて遥が言った。
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