プレゼン作りから、伝え方を学ぶ
プレゼンというテーマで、良いプレゼンを作るためにsawachin.iconが意識しているアレコレを記載していきます。
プレゼンの種類と、やる目的
大前提
プレゼンとは
プレゼンテーション
「発表」という意味しかなく「何のためにするのか」の定義がないため、良いプレゼン/悪いプレゼンの判断が人によってぶれやすいですsawachin.icon
アクションの良し悪しは目的/成果からしか判断できない
目的はこう
伝えることで狙うのは「理解」ではなく「行動変容」
図解で学ぶ言語化でも話しているように、「プレゼンを聞いた人に行動してもらうことで課題解決をする」のが重要
プレゼンの種類
プレゼンテーションは目的・趣旨によっていくつもパターンがあります
それぞれ「基本的なプレゼンの流れ」が違ったり、オーディエンスの期待が違ったりするので、今回のプレゼンがどの場なのか?を把握して臨みましょう
大事なのは「目的によって使い分ける必要がある」という点ですsawachin.icon
あくまで目的次第なので、目的を正確に定義しなければならない
ビジネスの場におけるプレゼンの鉄則
ゴールが全て
プレゼンだけでは到底辿り付かないゴールを置かない
起こしたい行動変容の中で「プレゼンで達成できること」をゴールに据える
本当に狙うゴールまで足りない部分は他の手段で埋める
例:プレゼン後の座談会
相手の状況に合わせて加筆修正すべし
スライドを作り直したほうがいいパターンもある
口頭補足前提のスライドであれば、当日アドリブで対応してもよい
少しずつstep by stepで伝える、理解してもらう
真っ暗闇の中に放置されたオーディエンスに、懐中電灯で道を示してあげるイメージ
一気に話す = 懐中電灯であちこちを照らす。つまりついていけない
スライドで1ページに書ける分量くらいでちょうど良い
1ページ1分。1スライド1メッセージ
頑張って1スライドに入れるくらいなら減らしましょう
いかに「今話している内容」に集中させるか
ミステリーツアーをしない
オーディエンスは流れを予想しながら聞いています。だから新情報があっても理解できる。ついていける
話の流れが見えない、結論が見えないプレゼンだと予想ができなくて理解が非常に困難になります
映画や本のような芸術作品のようにカスタマージャーニーを緻密に想像しているものであれば問題ないけども、ビジネスの場で、プレゼンで、毎回そこまで想像するのは難しい
だから…
1. 最初に「このプレゼンのゴール」を話す。結論ファースト
2. 基本的な話の流れに載せる。例えば企画を話すときは企画書のテンプレート通りに上から話す
3. 急に飛んだ話をしない。そのために一度台本を作ってみる。枕詞や接続詞を使ってうまくつなげられないならば話が飛んでいるということ
プレゼンづくりのコツ
私の場合、「作り方」にこだわることで、ハイスピード x 高品質のプレゼンづくりができるようにしていますsawachin.icon
こだわりポイントは3つです
1. タスク定義
プレゼンづくりは思考が大部分
だけどタスク定義をすることで、「分業」「早めの動き出し」「作業時間の見積り」ができるようにする
2. ツールの最適化
タスクに分けると、それぞれに求められるツール特性が見えてくる
いきなりスライドで作らないのようなラインが見えてくる
3. フィードバックサイクル
タスクを前から順にやったからといって良いものは作れない。
プレゼン内容を作っていく中で、オーディエンスに対しての理解が低いことが見えていくことも多々ある
図解で学ぶ言語化でも話した内容
いかに「本番さながらのフィードバックサイクルを回すか」が大事
プレゼンづくりにおけるタスク
基本的な流れは以下の7ステップ
上から順にやるが
テキストで作るフェーズ
1. 伝える情報を集めてくる
考えるでも話した通り「情報がある」ことで初めて思考はスタートする。自分で情報を集めてくる中で脳にもインプットされ「こう伝えた方がいいんじゃないか?」という思考が自然と始まる
2. 場の整理(オーディエンスの想定、起こすべき行動変容の特定)
何度も戻ってくるタスク。3~7の具体化作業をやる中で「こっちの方がいい」と決断できなければ、オーディエンスの解像度が低かったり、プレゼンで狙おうとしている目的が大きすぎる証拠。2.に戻ってアップデート
3. 伝える情報の優先順位づけと取捨選択
4. プレゼン全体のメッセージ(≒起こしたい行動変容)作成
2.と合わせて重要な項目。3.情報の取捨選択をする中で「プレゼン全体を通った1つのメッセージ」が欲しくなってくる。この1つのメッセージがないと枝葉な内容が混ざる。
5. アウトライン構築
コピーライティングの要素もある項目。4.で作ったメッセージ(と行動変容)をオーディエンスに届けるための理解の骨組・共感の肉付けの部分。オーディエンスにしっかり刺さるアウトラインが作れれば、正直スライドがなくてもプレゼンはうまくいく。
王道のストーリー展開の中でどれでいくか?を決める
6. 台本を作る
実は重要な項目。アウトラインがいい感じでも実際に話そうとすると言葉が出てこないことがある。台本レベルで事前準備する中でアウトラインが書き換わることはよくあること。
sawachin.iconはアウトラインを見て一度全部話してみるようにしている。書き言葉と話し言葉は脳の回路が違うため、書いて台本を作ると自分ではしない言い回しになりかねない。
スライドで作るフェーズ
7. 作った台本をスライドサイズに分けていく
1スライド1分のイメージで、スライドを分けていく。
このとき「このスライドってメッセージないな?図解するものもないな?」となる場合、枝葉の話、必要性の薄い話をしている可能性が高いので、削除することを検討する
8. スライドごとに「スライドメッセージ」と「図解したいもの」を決める
9. デザインする
https://gyazo.com/d571fb1d48cfc6758024f7544877bf5chttps://gyazo.com/32551684b2f2446397e82d54aad4c0f5
台本があるので、大体決まります。
プレゼン作りで使うツール
基本はずっとアウトライナーを使いますsawachin.icon
タスクで紹介したように、基本的には「膨大な情報を常に再構造化しながら作る」のがプレゼン
最初に雑多に集めた情報を、構造化して全体感を把握する(3.情報の優先順位づけ・取捨選択のタスク)
作ったメッセージをどの順序で伝えるべきか?何度も入れ替える(5.アウトラインづくりのタスク)
台本(超具体)を作ってうまく合わないところはアウトライン(抽象)も一緒に書き換える(6.台本づくりのタスク)
だからこそ、何度も構造を入れ替えやすいツールで考える
スライド系は絶対ダメ
Word系でも…アウトライン編集(ショートカットキーで簡単に文章を上下左右入れ替えられる)ができないとダメ
sawachin.iconの場合はCosenseがアウトライナーとして使えるのでCosenseでやる
/help-jp/アウトライン編集
デザインの工程で紙を使いません。私は一気にスライドでやりますsawachin.icon
ビジネスプレゼンの現場で、込み入った図解を作ることはまずない
テキストも入る。フォントサイズの都合も考えなければいけない
紙で作った「こういう図解だ!」がスライドで何度もゼロから作り直しになってきたので、スライドで最初から作るようになった
デザイナーがついてくれる場合、これくらいのラフ画で良い
https://gyazo.com/ff83e7b0cd171e555c46ca9b8e507e07
スライドデザインの基本構成にあるくらいしか使わない
台本も添えているから、以下のように作り変えてくれる
https://gyazo.com/204e03185e15650693641c0acaf71ef1
フィードバックサイクル
とるアクション
ばーっと思いつくまま書き下す
アウトラインやスライドを見て話してみる。書き下しを削ってみる
どんどん書き言葉と話し言葉が近付いてくる。
伝達能力が高まってきた証拠
伝える要素を階層構造にしてMECE、ディメンションのチェック
ここら辺が甘いと話に集中できない
オーディエンスの情報を補完しに行く
伝える内容の理解を深めに行く
よく陥る状況
目の前になんの情報もない。取り掛かりの審理ハードルが高い
書きまくっていたけど手が止まった
伝え方がしっくり来ない(ありきたり感)
一つに絞れない
考えていること
なんて反応が来るかな
ここでこんな反応来るはず。
なんのたとえだと伝わるかな。
相手の人にとってのあるあるエピソードあるかな
この話、本当に必要?この図解、本当に必要?
この部分しゃべりすぎだな。もっと短くできないか?
ぶっちゃけ本人に体験いただかないとわからなくないか?
体験いただくとかに最大に理解いただくためにはどこまでお膳立てすると良いんだ?
この話、どうしたら「聞かなきゃ」という気持ちになる?相手にとっての今の気がかりごとやこだわりポイントはどこだ
参加者の立場/気がかりごとは揃ってる?誰に対してのメリット/ベネフィットを訴求する?全パターンだと死ぬぞ
カーソルで指し示さなくても話ついて来れる?
理解に精一杯で、反応薄くなったり、質問ゼロになったりしないかな
どうしても今回は理解の場になるから質問とか議論は期待できないな。わかりやすく伝えるのをメインにして、テーマについて3日間考えてもらおう
この時間で議論を仕切りたい。1時間じゃ無理だ。具体的な話に行かないようにあえて具体例を省こう。話すべきことは3つあるけど1つに集中させよう。そのための整理スライドを用意して論点絞って進めよう
対話をして相手の考えを深掘りしていきたいな。だから、このスライドは選択肢を出して「あなたの場合はどうですか?」とここで差し込もう
うわー!ストーリーから作ってみたが想定以上に分量が増えた。減らす?appendixに回す?ここまで話すと意識が違う方に行っちゃうので、詳細はappendixに回そう
話し全体を構造化したスライドにしたい。階層構造で図解しよう。経験がない方もくる。その人たちにこの言葉だと伝わりにくいから、いらすとやを添えよう
伝え方がA,Bから絞れない...。相手の情報を見直したけどやはり絞れない。参加者ってどんな期待で来るんだ?わからん。調査に行こう。
図解作り込んでしまった。情報量が多い...。台本見直して、要らない部分を外そう。
内容が時系列だから、左から右へ、過去→未来でマッピングしよう
暗黙知は隠れている感じ。氷山や植物をイメージして、隠れている部分は下で、見えないけど大量に埋まっているような図解にしよう