読書メモ『社会はなぜ左と右にわかれるのか』
テーマとしては、「なぜ人は独自の正義から離れられないのか」というところか。たぶん、政治思想の進化的必然性の本ではない。 (と、思ってたら、後半(第2部の後半くらいから)になると、本当に保守派vsリベラル派の話にもなってきた)
読み切れるかなあ、結構読みづらい。
間違いなく好きなテーマではあるはずなんだけど。
と思ったら、序章を抜けたら、ましになってきた。
そこをつい真面目にやっちゃう書き手の人は多いけれども。
そして、そんな象に乗っている象使い(本書では「乗り手」)だということ。 2秒の時間と、理性的な解説があれば、信念は軟化しうる
そして他者との会話のなかでも
「しなさい」いう言葉にアレルギー
自己の利益で政策を選ぶというよりは、支持政党の利で選ぶ
人を個人としてかしこくすることはできないが、知のコミュニティとして部分の総和を超えることはできる。
⇒自分一人で賢くなろうとしなくていい。他人といることで、自分が賢くなろうとしなくていい。他人達の中に自分がいることで、全体としてかしこいライブラリーが生まれることに貢献できていれはいい。
それを道徳的にどれくらい「許されない」と感じるかについての、感情的なフィルター
裏切りや虐待(大)と銀行強盗や脱税(額面通り)との間にある差
コールバーグ
ダマシオ
シュウィーダー
ピンカー
グラウコン
プラトン、ヒューム、ジェファーソン
プラトン、カント、コールバーグ
デュルケーム
エーレンライク
スコット・アトランとジョー・ヘンリッチ(ヘンリック?)
トマセロ
リチャーソンとボイド
行動の前には快がある
哲学者が別に倫理的な行動をとっているわけではない。
⇒自分で自分をコントロールしなくていい
許し合えるなら、「互いに互いのことを指摘し合う関係性」を持っておけるといいかもしれない。
手を洗った後や、臭い匂いを感じながらだと、攻撃が強まる。
党派心の強い人は、死ぬまでボタンを押し続けるラットと同じ
道徳の見方:自立、共同体、神聖
⇒えっ、それ4象限全体に、ちゃんと均等に分布するのか? 雑食動物のジレンマ:
象というのはシステム1とある程度相同する。
6つの道徳素
忠誠⇔背信
何かのファンであるマークを掲げながら生きたいと思う。
権威⇔転覆
神聖⇔堕落
清浄と汚れ/穢れや気高さ等を含む
人形やシンボルマーク、お守りなどをゴミ箱に捨てるのに少しの抵抗がある
力で制約を加えてくるものを、(みんなで力を合わせて)取り除く。
自分のことは自分で決めたい。
≠平等。平等は基本的道徳要素ではないと作者は考えている。
⇒「弱者保護」としての『ケア』概念と、強者を取り除きたい『自由』概念のミックスかな。
私からすると、「古き良き家族愛と、国のために命を捧げた者たちへの哀悼の上に、これからの良き国・よき共同体の未来を描きたい」的なスピーチがあったとして、
それは十分にすとんと心情の中心に落ちてきてはくれるのだけど(その点でこの著者の分析は正しい)、
やはり、「『家族愛』と言ってしまうと、女性や、毒親に育てられた人や、子供を持てない人などが精神的に追い詰められてしまう」し、 しかし、それでも、それらを欲しがり、他者にも要求する人からしたら、それらはやはり道徳であり正義なのだ。 (だから、「大切なことだ」という感覚を手離すことはなかなかできないし、建設的な議論をすることもまた容易ではない) ……ということを感じてしまう人間にとっては、「そういう人」に対しては、やはり「精神的に気持ちよくなってたいだけなんじゃないの?」という偏見は出てしまうよね。
で、それらの道徳感情は必要な感情でもある。
完全に抑制すると、変なところで大ヒットしたり、
地に潜ったりする
さらに、形式だけでもさっきのような情感的麗句をスピーチに入れていかないと、民主党も大統領選に勝てない。 だから例えば、私が秘密結社「自分の感情と戦い、ゆっくり決断する人間の会」みたいなのを結成するとして、(通称ミネルバの梟とかw)
その団員バッジみたいなのは必要になるわけだ。
そういうのがないと、外圧(世間の偏見)に負けずに生き続けるモチベーションに援護射撃ができないからね。
入れ墨や顔ピアス、もともとはボディーペイントなどは、《親族関係を超えた「われわれ」という感覚を鍛え上げる方法》だった。
すごいひびきの言葉だ
Hare, Wobber, Wrangham
《このような原初の部族社会にあっては、他のメンバーと折り合っていけない者、反社会的な衝動を抑えられない者、集団の規範を遵守できない者は、狩猟、採集、生殖のパートナーとして選ばれにくくなる。また、とりわけ暴力的なじんぶつは、避けられ、罰せられ、極端なケースでは殺されるだろう》 ウィリアム・ミュアーの実験
個体選択の品種改良を上回る、集団選択による進化
人類の遺伝子進化は、5万年来で加速した。
変異などのランダム浮動の要因以外に、選択圧によるものがあるから
⇒ウェーイか? ウェイこそが道徳心の第一歩なのか? デカルトは確かに間違っている。しかし、「デカルトみたいに考える人もいる」ということは間違いなく真実で、彼らにとっても幸せな世界を作らないとなんない。
兵士
宗教には、「共同体づくり」の側面がぬぐいようなく存在する。
戒律が多い方が、宗教的なコミューンは長く続く。
《どのような道徳観を達成するにも高いレベルの社会関係資本を必要とするはずだが》 wise choices, apt feelings
varieties of moral personality