博士論文
まだ博士後期課程に入ってはいないが、進学にあたっては研究計画なり方針を示さないといけない。あるいは「博士論文は書くな、書いたものを博士論文と言い張れ」という言葉があるように、先に書いてしまう。
モチベーション
コンピューテーショナルアートにおける技法を提案する
コンピュータは道具であり素材
道具や素材を自分で作り、表現する
一から作る
既存の技法やモデルをエミュレーションしたアプリケーションの組み合わせではなく、コンピュータによって世界をどう見るか?というところから始める
アルゴリズムはどう考えているか?
各技法の数理的なアイディア
内発的なイメージやコンセプトのみによらない創造性
論理による生成
生成物からのインスピレーション
フィードバックループ
落書き、泥遊び、レゴなど、具体的なイメージから出発することなしに何かを作る
数学的な図形の分類
図形の演算
実行可能で再現性の高い手法
コンピュータでの制作が直観的になった結果、直観的に扱えるものしか扱わなくなった
世の中や産業の流れとして別にそれはそれで良いが、まだ試されていない可能性がある
コードを書くにしてもAPIで用意されたものを使うだけでは到達できない領域がある
特に数学
自然を描くように数学を描きたい
数学を図解するとか分かりやすく解説したい訳ではない
数学者同士では理解し合えている「形」を誰でも理解できるようにすることには意味があるかも知れない
形の追求において数学者に取り残されてしまっている
コンピュータの計算力、インタラクションで補助
論理、計算による構築物
ChatGPTなどに指示を出すとしても人間の認識の範囲に留まるのではないか
出てきたものが理解できないこともありそう
数学的な概念をベースにした語彙や感覚を磨く必要がある
厳密に数学である必要はないが、誰にとっても合意可能な論理が展開されていないと、継承や発展ができない
UIはイディオム
言語のように新たな組み合わせや想定外のクリエイティビティを引き出す
数学的な概念を操作可能にすることで理解、応用に役立てる
UIデザイナーとしてUIデザインを拡張する
経験や観察から論理的な証明を経て、論理による創造で経験にフィードバック
計算幾何学など数理的なアプローチは最適化が目的になっているため、美的な探索がなされない
最適=美という立場もあるが
技術的にはすごいんだろうけど見た目で分からない
人間の方に問題があるのでは?
脱人間中心主義
脱してどこに向けるのかという疑問もある
クリエイティブコーディングでアルゴリズムがネタ的に消費されている
アルゴリズムの応用や視覚化も面白いが、自分でアルゴリズムを考える方が「クリエイティブ」だと思う
複雑なものは数学的な知識やコーディングの知識が必要
概念を理解しながら使えるようになるための補助輪
環境構築や描画までの処理をなるべく省略してアルゴリズムに集中する
Processingが本来目的としていたところはここではなかったか
openFrameworksの良いところはここにも遡れること
数学と芸術が今より未分化だった頃に立ち返って考える 円や四角などの形を「知った上で」コンピュータ上に表現(再現、シミュレーション)している
それらはどこから来たのか、もっとボトムアップ的に形を生成できないか
現状の図形を描くAPIそのままでは多様体で可能となる図形の演算はできない
円や四角の描き方から考える
コンピュータがパーソナルになったこと、複数のメディアを一括で扱うこと
身体、脳の拡張による再統合
外化された技能や知識を身体化するフィードバックループ
コンピュータによって数学的な概念を理解しやすくする
作るもの
開発環境、あるいはライブラリの構築
誰にでも使える汎用的なものではなく、自分の作品制作用
再現性は担保する
ゲーム的に体験できるもの
理論でゲームを作る
論文と作品が混然一体となったもの
ゲームを進めながら理論を展開していくメタ的な仕組み
論文として提出しなければならないものは論文の形式に従う
グラフィック制作アプリケーション、音楽制作アプリケーション、GUIなどそれぞれスクラッチで作る
各メディアの特性、歴史を明らかにする
実装とその解説やアイディアが論文になっている
ゲームに利用されている数学
ブラウザやOSの仕組み、グラフィックの実装とその裏側にある考え方
群論を応用したコンピューテーショナルデザイン
どこからがデザインでどこからが数学なのかがわからなくさせたい
現時点でのフィードバック
2023/6/17 IAMAS進学相談
理論的にすごくてもアウトプットに説得力がないと納得感がない
まずは強度のある作品を作り、理論を組み立てる
壮大かつ漠然としているので的を絞る必要がある
かといってできそうな内容でやってしまうと研究していても面白くない
リサーチ
芸術家や数学家がどのように形を考えてきたか
ファインアートやデザインの分野で数学的な理論を応用しつつ強度の高い作品を作っていた人はいる
エッシャー、ダリ、カール・ゲルストナー、アンソニー・フロショーグ
バウハウス、ウルム造形大学
デューラー
線、平面、立体におけるコンパスと定規による測定法教則
当時のクリエイティブコーディングみたいなもの
遠近法と射影幾何学の関係
ルービックキューブと群論の関係
紋様と群論の関係
具象と抽象の関係
具体的な数を数えることからの一般化
写実表現から抽象表現への変化
どのような発想の飛躍、課題の要請があったのか
コンセプチュアルアート
ソル・ルウィット、ダン・グレアム
指示とアルゴリズムの関係
数学者と美術家の考える形の違い
数学的に面白い形と美術的に面白い形は違う
理論的にすごくても絵的にすごいと思えないケース
この違いを明らかにする、あるいはギャップを埋めるものが作れれば良いのではないか
理解できない人間側の問題
脱人間中心主義
内面化することでほぼ反射的に反応できる状態に持っていくことはできるはず
グラフィック開発環境、ツールにおける座標の取り扱い方、メンタルモデル
Photoshop, Illustrator, Figmaなどのツール
Processing, p5js, Paper.js, GLSL, Pt.jsなどデザイナーのメンタルモデルに沿った開発環境
源流としてのDesign By Numbers
Sketchという概念
作ることで理解する
場合によっては制約になり得る
CGALなどの計算幾何学やCADなど建築・プロダクトに使われるツール
MSX, ZX Spectrumなど初期の環境
BASIC, FORTRAN, C
大元としてのOpenGL
コンピュータアーティスト
リリアン・シュワルツ、川野洋、CTG、ハロルド・コーエン
リリアンは自分でシェーダー(レンダラー?)を書かないと駄目みたいな話をしていた気がする(要確認)
コンピュータによる絵画の解析方法の考案
川野洋が言うところのエセコンピュータアーティストとは誰か
参考文献、作品
藤幡正樹『カラー・アズ・ア・コンセプト』
村山悟郎
松浦知也『音楽土木工学を設計する』
橋本麦 glisp
中ザワヒデキ
高木隆司
伏見康治
杉原厚吉
久保田晃弘
大泉和文
川野洋
白尾隆太郎『構成』
『形とシンメトリーの饗宴』
かたちの知・知のかたち国際シンポジウム
Software Studies
Amanda Wasielewsky "Computational Formalism"
Lillian Schwaltz "The Computer Artist's Handbook"
Krome Barratt "LOGIC & DESIGN"
Norn "Dimension of Two"
ポール・グレアム『ハッカーと画家』
ジュディス・ヴェクスラー編『形・モデル・構造』
マックス・ベンゼ『情報美学入門』
ユベール・ダミッシュ『カドミウム・イエローの窓』
読みたい
Roger Penrose "The role of aesthetics in pure and applied mathematical research"
Frank Nielsen "Visual Computing: Geometry, Graphics, and Vision."
関連学会に入る