秋庭史典『あたらしい美学をつくる』
美学と題された本はたいてい芸術作品について語っている
それは芸術学だし、芸術作品の目的は美ではない
美はいま世界のどこに位置づけられるのかを、現代の科学と対話しながら明らかにするのが本書の目的
あたらしい美学のための6項目
1. 自然とは何か、自然のなかでわたしたちはどう生きるべきか
2. 人の感性や直観を前提にした知識論から出発しない
3. 自然の知識獲得(情報授受)を解明する知識論と科学から、その枠組みを手にする
4. 美の議論を、数学や自然科学を成り立たせてきた基礎のうえに行う
5. そのあらたな価値観を自然科学と対話しながらかたちづくる
6. 3, 4での自然観に立って5の価値観を実現しようとする人やその実現の場に、美のありかを求める
カント