睡眠・覚醒リズムを整える
睡眠・覚醒リズムを整える
生活リズムを整える
https://gyazo.com/a754388660eceb456b4ea96cb534cbe6
厚生労働省の画像
リンク切れしていた
健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
パワポ版
https://www.mhlw.go.jp/content/001288005.pdf
MSD家庭版
Table: 睡眠を改善するための行動修正-MSDマニュアル家庭版
よくまとまったカンペ。復習に良い
コーラにもカフェインが入っている
覚醒時間の固定
全体の方針
1. 睡眠時間の確保
2. 睡眠休養感の確保
= 睡眠で休養がとれている感覚を向上させる
厚生労働省は眠りの質をこのように定義している
良い睡眠の目安
Q. 良い睡眠の目安はありますか?
A. 睡眠後の休養感、つまり「睡眠で休養がとれている感覚」が特に重要です。そのためには、生活習慣や睡眠環境を整えることが必要となります。
光環境
一日を通して光環境を調節するという意識が大切
日中にできるだけ日光を浴びる
曇りの日でも屋外の照度は数千ルクス以上ある
昼間に多く光を浴びることで入眠までの時間が短くなる
朝は光を浴びる
寝室には電子機器を持ち込まない
ベッドにスマホを持ち込まない
できるだけ暗くして寝る
遮光カーテンをつける
適切な温度を保つ
静かな環境
温度
睡眠1~2時間前の入浴
夏でも入浴してよい
運動
睡眠の維持・向上のみならず健康増進の観点も含めると一日60分が理想
成人ならば中程度以上の身体活動をできるだけ長くおこなうことが有効
ヨガ、ピラティスも有効
リラックス
自分がリラックスできる方法なら何でもよい
寝床で仕事や勉強のことについて考えない
眠る1h前までには何にも追われずリラックスすることが有効
眠れないなら眠気が訪れるまで暗い場所で安静状態を保つ
就寝前に少しぬるめの湯船にゆっくりつかる
hot spring effect
食事
朝食で体内時計を整える
朝食を摂らない生活習慣は、朝〜午前中に日光を浴びない生活環境と同様に、睡眠・覚醒リズムの後退を促すことが報告されています
食塩をとりすぎると夜間頻尿が増える
夜食はNG
夜遅くなる場合は、分食が有効
2回に分けて食事
おにぎりなどの主食を夕方にとり軽い副食を夜にとる
カフェイン
夕食後のカフェインは避ける
一日400mgを超えないようにする
カフェイン400mgの目安
ドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)
市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)
眠気覚ましの効果をcoffee napに応用するのは推奨されている
仮眠の睡眠慣性を減らせる
シフトワーキングの人におすすめ
慢性的な摂取では耐性がつくので効果が減弱する
うつ
休養感が低い人ほど抑うつの傾向
米国の研究で精神疾患の併発症状として25%のひとが休養感が低下していると報告
social jetlagはうつの発症リスクを上げる
月経周期
月経周期に伴う睡眠の問題もある
14日目以降(高温期)は体温があがって寝づらい
生活リズムが狂ったときの治し方
毎朝決まった時刻に起きる
起床直後に光を浴びる
夕食後のカフェインは避ける
午後の仮眠を避ける
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsleepenvi/15/1/15_72/_article/-char/ja/
1 回目の睡眠日誌(図3)では,就床時刻が午前 2 時ないし午前 4 時と極端に遅く,授業中に居眠りが多発していること,頻繁な夕寝によって就床時刻がさらに遅れると同時に夜間睡眠時間も短縮していることがわかる。
睡眠相の後退と睡眠時間の短縮が若者に多く見られるパターン
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/90/4/90_90.18045/_article/-char/ja
起床時刻の乖離が2時間以上に及ぶことの問題は,体内時計がリセットされず,概日リズムの主要マーカーである薄明下メラトニン分泌開始時刻(dimlightmelatoninonset:以下,DLMOとする)が後退し,それが社会生活を営むために必要な時刻(学校の始業時刻)から乖離してしまうことにある。
平日と休日の起床時刻の乖離
一般的に,体内時計は24.18時間の周期を示すため(Czeisler&Buxton,2010),この0.18時間を,太陽光を浴びて24時間の周期に同調させる必要がある。一方,体内時計には,太陽光によってその位相が前進する時間帯があり,その時間帯を過ぎると同調できず,体内時計固有の周期が現れるため,結果として前日よりも位相が遅れてしまう(Czeisler&Buxton,2010)。既報では,最低深部体温時刻(corebodytemperatureminimum:以下,CBTminとする)を基準として,そこから時間が経過するにつれて光に対する応答性が低下し,位相が前進しにくくなることが明らかにされており,特にCBTminから4─4.5時間経過する頃がその限界点にあたる(Khalsa,Jewett,Cajochen,&Czeisler,2003)。これまでに,CBTminは習慣的な起床時刻の2.3時間前の時間帯に相当することから(Czeisler&Buxton,2010),例えば,習慣的に6:18に起床する者ではCBTminが4:00頃,位相前進域の限界点が8:00─8:30頃となり,それ以降は位相不変域となって24時間の周期に同調しにくくなる(Czeisler&Buxton,2010;Khalsaetal.,2003)。
位相前進域の間(普段の起床時刻からおよそ2時間後)に太陽の光を浴びないと、体内時計固有の周期が現れて社会のリズム(24h周期)とずれてしまう
これをfreerunという
したがって、24時間の周期に同調するために毎日決まった時刻に光暴露がある必要がある
ただ起きた直後に光を浴びればよいわけではない
光以外にも食事、温度、運動、睡眠、社会的環境も同調因子となるが光が最も強い
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/43/2/43_154/_pdf
哺乳類の体内時計は、脳の中心部下面にある視床下部の視交叉上核に存在する
これがマスタークロック
体内時計は1つではない
心臓や末梢神経にも存在する。中枢に同期する
薬物療法もある
睡眠相後退症候群
人間の概日リズムには内的脱同調があるので、睡眠時間帯の調整と体内の生理的プロセス(体温リズムやホルモン分泌)の回復にはタイムラグが生じることがある
7時に起きられるようになっても日中だるかったりする
睡眠覚醒時間は2-3日で適応するが、体温リズムやホルモン分泌のタイミングを回復させるには1-2週間かかるといったズレが原因
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsleepenvi/15/1/15_27/_article/-char/ja
睡眠・覚醒リズムを整える#6735fa78897bef00008f2a12
睡眠時間に関する研究の多くは、自己申告に基づき、主観的な睡眠時間と健康状態の関連を調べたものです。これによると、睡眠時間が短すぎるだけでなく、長すぎる場合も不良な健康状態と関連します23,24)。一方で、脳波や活動量計を用い、客観的な睡眠時間を調査した場合、短時間睡眠が不良な健康状態と関連するのは同様ですが、長時間睡眠と健康状態との関連はほぼみられなくなります25,26)。
1週間程度の期間、朝食を⽋食することで体内時計が後退することが報告されています20)
gpt-5.icon
睡眠・覚醒リズムは「概日(サーカディアン)系(Process C)」と「睡眠圧(恒常性)系(Process S)」の二過程で決まり、整える要は①毎日同じ起床時刻+直後の強い光、②夜の強い光の遮断、③一貫した睡眠機会(就床~起床の枠)である。
用語と仕組み(正確さ重視)
概日リズム(Process C): 視交叉上核(SCN)が約24時間周期で体温・メラトニン・覚醒度を同調させる。外部同調因子(zeitgeber)の最強は光。
睡眠圧(Process S): 起床中に徐々に蓄積し、睡眠で減衰。日中の居眠りや長時間寝床で過ごすと低下して入眠困難を招く。
位相反応曲線(PRC): 光のタイミングで体内時計が「前進(早まる)」または「後退(遅れる)」。起床後~午前中の光は概ね前進、夜~就寝前の光は後退を起こす。
DLMO/CBTmin: メラトニン分泌開始(DLMO)は通常、就床2–3時間前。深部体温最小点(CBTmin)は通常、起床の2–3時間前付近。この前後の光が位相を大きく動かす。
実装プロトコル(数値つき)
1. 起床時刻を固定
週7日で±1時間以内に収める(「社会的時差」を最小化)。
できてないhoshihara.icon
目覚ましは常に同じ時刻。二度寝は避ける(Process Sが再低下+朝光の取り逃しで遅れやすい)。
×hoshihara.icon
2. 朝の光で「同調」
起床直後~2時間以内に屋外で30–60分。晴天日中は10,000–100,000 lux、曇天でも数千lux。室内照明(100–300 lux)では弱すぎる。
屋外が難しいなら、窓際+可能なら高照度ライト(数千lux相当)。目に直接当てる必要はないが、視野内を明るくする。
3. 夜の光を「遮断」
目標就床の3–4時間前から、照度を<50–100 luxに落とす。画面は輝度を下げ、可能なら夜は遮光めがね(琥珀~濃色)を使用。
就床直前の強光・白色LED・コンビニ等は避ける。色温度より「明るさ(照度)」の管理が本質。
4. 睡眠機会(Sleep Window)を決める
平均睡眠時間が6.5hなら、当面の「寝床時間(TIB)」は7.0h程度に制限(CBT-Iの睡眠制限法の基礎)。
例:起床7:00固定→就床は0:00。入眠が安定して睡眠効率(=総睡眠時間/TIB)が85–90%を超えたら、15分ずつTIBを延長。
5. 日中の行動時刻を固定
朝食は起床1時間以内、夕食は就床3時間前まで。
運動は朝~夕方に。就寝2時間以内の高強度は避ける(個体差はあるが遅相に振れやすい)。
カフェインは就床8–10時間前まで。アルコールは入眠を早めても睡眠分断とREM抑制を起こすので避ける。
6. 仮眠の扱い
原則、16時以降は取らない。取るなら10–20分のパワーナップ。長い夕方仮眠は夜の睡眠圧を削る。
7. 温度と入眠儀式
就床1–2時間前の入浴(40℃×20分目安)は末梢血流↑→深部体温↓→入眠促進。
就床前30–60分は低覚醒化するルーティン(読書、ストレッチ、照度低い環境)。
これなーhoshihara.iconできてない
8. メラトニン(必要な人のみ)
位相前進目的なら、目標就床の3–5時間前に低用量(0.3–1 mg程度)で「時刻信号」として用いる。高用量は翌日の残遺・リズム乱れのリスク。
日本では医薬品未承認。使用は医療者と相談。まずは光の介入で十分なことが多い。
典型パターン別の組み方
■ 遅寝遅起き(遅延型)を早めたい
起床時刻を先に固定→朝日光30–60分→夜は就床3–4時間前から減光。
3日ごとに就床を15–30分ずつ前倒し(起床は動かさない)。
夕方以降の仮眠・カフェイン・強運動・強光を避ける。
補助として低用量メラトニンを目標就床の3–5時間前(※医師相談)。
■ 早寝早起き(前進型)を遅らせたい
夕~夜に明るい光(屋外散歩や明るい室内)を30–60分、早朝の強光はサングラス等で軽減。
就床を15–30分ずつ遅らせ、起床は段階的に遅らせる(週あたり最大1–2時間)。
■ どうしても二度寝したいケース
起床→すぐ強光30分→軽食→必要なら午前中前半に最大20分だけ横になる(暗室は避ける)。光なしで再入眠は位相遅れを起こしやすい。
よくある誤解(訂正)
「就寝時刻を先に固定すれば整う」→誤り。位相は起床時刻と朝光でロックするのが効率的。
「青色だけ消せばOK」→半分誤り。短波長だけでなく総照度が重要。暗くするのが本筋。
「週末の寝だめで取り戻せる」→睡眠負債の回復は一部可能だが、位相は崩れる。週末差は±1時間以内。
「昼寝で不足分を補えば夜も寝られる」→長い/遅い昼寝はProcess Sを下げ、入眠を悪化。
最小セット(面倒ならこれだけやれ)
1. 起床時刻を毎日固定(±1時間以内)。
2. 起床後2時間以内に屋外光30–60分。
3. 就床3–4時間前から照度<50–100 lux。
4. 寝床時間は現在の平均睡眠時間+30分に制限し、睡眠効率85–90%を越えたら15分ずつ延ばす。
いつ医療を勧めるか
いびき/無呼吸、むずむず脚、入眠・中途覚醒が3か月以上、平日と休日の差が大きく生活機能に支障、起床困難が学業・仕事に影響。
専門は睡眠医療(睡眠外来)。アクチグラフや睡眠日誌で客観化すると介入が精密になる。
必要なら、現在の起床・就床時刻、昼寝・カフェイン・運動・光環境の実測(照度計アプリでも可)を前提に、位相前進/後退の具体的スケジュールを組む。