階層(ヒエラルキー)
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ヒエラルキーを言語化すると、各エージェントのリソース利用に対する自由度のシステム的制御、かな。
企業組織の一般的な権力ヒエラルキーは、ヒエラルキーの実装の一種でしかないので、ヒエラルキーは全部ダメだって考えると危うい。生命システムもヒエラルキー。
またヒエラルキーは高度な言語能力をもつものをリーダーやマネージャーとして任命することによって、組織の限定合理性の制約を低減できる。マネージャーは現場の人間にとってバフの役目を果たす。ヤン・ウェンリーに歩兵ではなく艦長をやらせるとができるのがヒエラルキーの強みである
例
人体の構造
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学習に用いるモデルの階層が深いことと、我々の世界が階層的であることは、表裏の関係にある。たとえば、ネコの画像は、耳や目、ひげから構成され、ひげは、複数の線から構成される。ここにも階層的な構造がある。また、飲料の売上はどんな要因から決まるだろうか。「温度」だけでなくおそらく「飲料自体の魅力」「お店の便利さ」などの要因から決まる。では、飲料自体の魅力は何から決まるだろうか。おそらく「味」「イメージ」「価格」「評判」などで決まるだろう。こう考えると、飲料の売上の要因には階層構造がある。我々の世界には、なぜか階層構造が多く内在している。
さらに言えば、我々の言葉は、有限の音素から組み合わされて単語になり、単語が集まって文になり、文が集まって発話や文章になる。音楽も同じである。プログラミングでもクラスやライブラリの階層構造がよく作られる。我々の身体も、細胞が組み合わさって器官を形成し、一つの身体を構成する。
我々の社会の産業構造にも階層がある。我々が消費する製品は、すべて原材料からできている。原材料から直接製品が作られるわけではなく、ほとんどの場合、さまざまな中間財を経て、何段階も加工され、最終的に製品に加工される。自動車産業は、最終の完成品メーカーを頂点に、部品や素材などの企業が系列を構成している。加工を段階的に行うために、階層的なネットワークが構成されている。
なぜ、こうした階層構造がさまざまなところにあるのだろうか。思索的な議論になるが、おそらくこれには単純な原理があるように思われる。複数の構造を用いて新たな構造が生まれる「構成性」と、ある構造が別のところでも使われる「再利用性」があれば、こうした階層が生まれるのではないか。ある構造が、再利用される状況になると、インタフェース(すなわち階層間の接続点)が自然に揃ってくる。なぜなら、インタフェースが揃っていたほうが再利用しやすいからである。逆に、インタフェースが揃ってない構造は再利用されにくく、結果的に衰退する。そして、複数の構造を組み合わせ、新しい機能を持った構造を作り出すということが繰り返し行われる。結果として、階層的な構造が現れることになる。