システム
要素の間の関係が定義されている集合
互いに関係づけられ結合されることで一体性や全体性を形成する、何らかのものの集まりないし配置
出典:Webster’s New World Dictionary
システムとは相互依存し互いに関連づけられ一体性を生み出している要素の集まり
要素の性質より、要素感の相互作用・関係に注目
システム(system)は、相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体。一般性の高い概念であるため、文脈に応じて系、体系、制度、方式、機構、組織といった多種の言葉に該当する。系 (自然科学) の記事も参照。
システムの各要素は、短期的には自己の選択肢が最大になるように動く
典型的な複雑系は、無数の個別構成要素やエージェントでできている。それらがまとまると、集合的な特性が生じるけれど、その特性は個別の構成要素の特性には普通は登場しないし、また個別の特性から簡単に予測できるものでもない。例えば人間はその細胞の寄せ集め以上の存在であり、同様にその細胞自体もそれを構成する分子の寄せ集め以上の存在だ。人が「自分」だと考えているもの──その意識、人格、性格──は、脳内のニューロンとシナプスの複合的相互作用の集合的な表出だ。そのニューロンやシナプスもまた、身体の他の細胞と絶えずやりとりしている。その細胞の多くは心臓、あるいは肝臓といった、半自律的器官を構成する。加えてこれらは、程度の差こそあれ外部環境とも絶えずやりとりしている。さらにいささか逆説的ながら、肉体を構成する一〇〇兆個ほどの細胞のうちで、これぞ「自分」だとその人が断言し見分けられるような特性を持つものは一つもないし、また個別細胞のほうも、その人の一部だという意識や自覚があるものは一つたりともない。それぞれの細胞には独自の特徴があり、ふるまいや相互作用は局所的な独自の規則に従う。でもそうすることで、ほとんど奇跡のように、肉体のその他すべての細胞と一体化して「その人」となる。微視的な分子レベルから、百年にもなる日常生活を送るときのマクロな規模まで、体内で作用するすさまじい幅を持つスケールにもかかわらず、それが成立しているのだ。人間はまさに複雑系のお手本のような存在だ。
同様に都市はビル、道路、そして住民の総和以上の存在だし、企業はその従業員や製品の総和以上、生態系はそこに生息する植物、動物の総和以上の存在だ。都市や企業の経済産出、活気、創造性と文化はすべて、その居住者、インフラ、環境の相互作用に内包された、多様なフィードバック・メカニズムの非線形的特質に由来している。
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