『信頼―社会的な複雑性の縮減メカニズム』
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目次
第1章 準拠問題―社会的な複雑性
第2章 存続と出来事
第3章 馴れ親しみと信頼
第4章 複雑性の縮減としての信頼
第5章 情報の過剰利用とサンクションの可能性
第6章 人格的な信頼
第7章 コミュニケーション・メディアとシステム信頼
第8章 戦術的な構想―チャンスならびに束縛としての信頼
第9章 信頼に対する信頼
第10章 信頼と不信
第11章 信頼への準備
第12章 信頼と不信の合理性
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第1章 準拠問題―社会的な複雑性
信頼とは、最も広い意味では、自分が抱いている諸々の(他者あるいは社会への)期待をあてにすることを意味するが、この意味での信頼は、社会生活の基本的な事実である。もちろん人間は、様々な状況に置いて、特定の点では信頼を寄せるか・寄せないかということを選択している。しかし、なんの信頼も抱きえないならば、人は朝に寝床を離れることさえできまい。
(第二に)信頼の必然性は、正しい振る舞いの規則を導き出すための、真かつ確実な基盤とみなすこともできる。もし信頼しない場合の選択肢が、混沌と前進を萎縮させる不安だけであるとしたら、人間はその本性に応じて、もちろんなんでも盲目にというのではないけれども、何かを信頼しなければならない、ということが導かれよう。
第2章 存続と出来事
第3章 馴れ親しみと信頼
第4章 複雑性の縮減としての信頼
第5章 情報の過剰利用とサンクションの可能性
第6章 人格的な信頼
第7章 コミュニケーション・メディアとシステム信頼
第8章 戦術的な構想―チャンスならびに束縛としての信頼
第9章 信頼に対する信頼
第10章 信頼と不信
第11章 信頼への準備
第12章 信頼と不信の合理性
訳者解説1
システム概念の諸レベル
システムとは「要素の間の関係が定義されている集合」であるが、通常、《システム》の名の下に論理的・数学的に探求されるのは、要素となるものを「生成」していく「閉じた演算」に基づく関係が、定義されている集合である。
システムの要素は、ある不変の仕方で変化することにおいて、システムの要素であり続け、また、そうであることにおいて、システムも同じシステムであり続けるのである。従って、この場合の《システム》とは、他の要素と一定の関係を持ち続けるような仕方で、時間的に変化していく要素から成る集合のことだ、ということになる。
演算に関して閉じている
システムの外部との、物質・エネルギー・情報のやりとりに関して閉じていない
システム
外部との不断のやりとりを通じて、はじめて要素の「生成」・要素間関係の「限定」が可能となっており、しかも、その「生成」・「限定」の仕方を不可逆的に高度化させていく集合
システム論の"パラダイム変換"とルーマン・システム論
悪しき体系化
我々は、かかる混沌にいるのではない。我々は、「他のようにもありうるのだが目下のところ・何が要素で・どういう関係が許容可能でありうるか」ということが限定された世界に住んでいる。
システム境界
システムは、環境とシステムとの《境界づけ》において成立し、観察される