チームワーク
ボクのキャラは、人間の思いのある一部を取り出したキャラなんです。メカも、小さなものが好きなんです。『ヤマト』みたいなバカデッカイコックピットだと、チームワークなんてないでしょ。
論文
https://gyazo.com/730dbad9ccf5594ec2a162f5b561e7de
組織におけるチームワークの影響過程に関する統合モデル
チームワーク
p133
日本人が得意としてきたのは、同じような知識や技術、価値感を備えた人たちによる「同質なチームワーク」でした。これはつまり「自分を殺して」とか「一丸となって」といった言葉に象徴されるチームワークです。
けれども、今、求められているのは、専門領域の異なる多様なメンバーが、一人ひとりの比較優位な能力と個性を発揮してチームの目標達成に貢献する「異質なチームワーク」です。
画期的なイノベーションはこうしたチームワークから生まれる可能性が高いにもかかわらず、日本人はこれが苦手だというのです。
その理由を太田教授は「分化」という言葉を用いて説明します。分化とか、個人が組織や集団から制度的、物理的、認識的に分別されていることを意味し、日本人はこれができていない。言い換えれば、個人が組織や集団の中に溶け込み、埋没する「未分化」な状態になっているため、今の時代に求められている能力や意欲の発揮が妨げられている。
日本人は欧米人に比べて、職場の仲間が困っていても助けないし、ノウハウや情報を仲間に教えない傾向があることもわかってきています。
2001年の調査
職場の仲間が困っているときに助け合う
欧米企業 YES 78% NO 7%
日本企業 YES 48% NO 31%
自分のノウハウを進んで仲間に教えるか
欧米企業 YES 87% NO 3%
日本企業 YES 50% NO 25%
『問題解決型リーダーシップ』
出典
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効果的なチーム
真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。チームの効果性に影響する因子を重要な順に示すと次のようになります。
心理的安全性: 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。
相互信頼: 相互信頼の高いチームのメンバーは、クオリティの高い仕事を時間内に仕上げます(これに対し、相互信頼の低いチームのメンバーは責任を転嫁します)。
構造と明確さ: 効果的なチームをつくるには、職務上で要求されていること、その要求を満たすためのプロセス、そしてメンバーの行動がもたらす成果について、個々のメンバーが理解していることが重要となります。目標は、個人レベルで設定することもグループレベルで設定することもできますが、具体的で取り組みがいがあり、なおかつ達成可能な内容でなければなりません。Google では、短期的な目標と長期的な目標を設定してメンバーに周知するために、「目標と成果指標(OKR)」という手法が広く使われています。
仕事の意味: チームの効果性を向上するためには、仕事そのもの、またはその成果に対して目的意識を感じられる必要があります。仕事の意味は属人的なものであり、経済的な安定を得る、家族を支える、チームの成功を助ける、自己表現するなど、人によってさまざまです。
インパクト: 自分の仕事には意義があるとメンバーが主観的に思えるかどうかは、チームにとって重要なことです。個人の仕事が組織の目標達成に貢献していることを可視化すると、個人の仕事のインパクトを把握しやすくなります。
チームの効果性に関するディスカッションガイド
https://gyazo.com/f356511233f7835a194da887fbfb1947
Google のリサーチチームが発見した、チームの効果性が高いチームに固有の 5 つの力学のうち、圧倒的に重要なのが心理的安全性です。リサーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。 エイミー・エドモンソンによる心理的安全性のレベル
心理的安全性を高める方法
チームがアクションを起こすことを手助けする
1. 共通認識を持つ - 組織内で培いたいチームが取るべき行動や行動規範を定義します。
2. チームの力学について話し合う場を作る - 通常は話しにくい話題について、オープンに、そして建設的に話し合うための場を設けます。人事関連のビジネス パートナーやプロのファシリテーターに話し合いの場に同席してもらうことも考慮してください。
3. チームの強化と改善にリーダーを巻き込む - リーダーを巻き込むことにより、継続的な改善やモデル化を促します。
マネージャーやリーダーができること
心理的安全性
チームからの意見やアイデアを求める。
個人的な仕事の進め方の好みをチームメンバーに伝え、チームメンバーにも自分自身の好みをチーム内に共有するよう促す。
心理的安全性についてのエイミー エドモンソン氏の TEDx Talks を観る。
相互信頼
各チームメンバーの役割と責任を明確にする。
各メンバーの仕事に透明性をもたらす具体的なプロジェクト計画を策定する。
誠実さに関するリサーチ研究について話し合う。
構造と明確さ
チームの目標を定期的に周知し、目標達成のための計画をメンバーに理解させる。
チームでミーティングを開く際には、明確な議題を設定し、リーダーを指名する。
チームの仕事を整理する「目標と成果指標(OKR)」の導入を検討する。
仕事の意味
チームメンバーが効果的に行なっている取り組みに対して好意的なフィードバックを提供し、メンバーが課題に直面している場合には手を差し伸べる。
誰かが自分を助けてくれた場合は、メンバーの前で感謝の気持ちを伝える。
目的意識に関する KPMG の事例を読む。
インパクト
各チームメンバーの仕事が、チームや組織の目標達成に貢献するような明確なビジョンを共同で策定する。
自分またはチームの仕事がユーザーや顧客、組織に与える影響をよく考える。
ユーザーの目線で物事を評価する仕組みを導入し、ユーザーに焦点を当てる。
チームの効果に影響の少ない変数
チームメンバーの働き場所(同じオフィスで近くに座り働くこと)
合意に基づく意思決定
チームメンバーが外交的であること
チームメンバー個人のパフォーマンス
仕事量
先任順位
チームの規模
在職期間
上記の変数が、Google のチームの効果性に大きな影響を与えていなかったことは事実ですが、どの組織でも同じであるとは限りません。たとえば Google の分析では、チームの規模は大きな意味をなしていませんでしたが、規模の重要性を示す研究は数多く存在します。人数の少ないチーム(メンバーが 10 人未満のチーム)の方が人数の多いチームよりも成功しやすいと、多くの研究者が指摘しています(Katzenbach & Smith, 1993、Moreland, Levine, & Wingert, 1996)。また、人数の少ないチームの方が「仕事と家庭のクオリティがよい」(Campion et al., 1993)、「仕事の成果が大きい」(Aube et al., 2011)、「軋轢が少なく、コミュニケーションが緊密で、団結力がある」(Moreland & Levine, 1992、Mathieu et al., 2008)、「組織的に行動する」(Pearce and Herbik, 2004)とする研究もあります。