ダニング・クルーガー効果
Dunning–Kruger effect
自己に関する誤った理解の傾向
知識が少ない人は自分の能力を過大評価し、能力の高い人を過小評価する
知識が多い人は自分の能力を過小評価する
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学習
この図では完全に理解した状態でも、縦方向に十分に伸びている。おそらく実際の理解度はもっと低い。ただし自覚性と随意性が急激に伸びていることは確かであり、ダニング・クルーガー効果の状態になるのはおそらく有益。
ダニング=クルーガー効果を学習に取り込む
学習コースを考えるとき、完全に理解した感覚を早々に作り、動機付けし、より追求する必要のあることを明らかにしていくとよいのかもしれない。ダニング=クルーガー効果を肯定的に学習プログラムに盛り込む。挫折をさせない。多くの探求の必要な見通しが苦痛の見通しではなく、理解をもっと深められるという喜びを予感させる。そうしてチョットワカルまでいけば大成功と言える。
批判
メモ名なダニング・クルーガー効果は「無能な人ほど自分を有能だと考える」という法則ではない
「ダニング・クルーガー効果」という科学的根拠に乏しい嘘がネット言論で流行ってしまっている件について
ダニング クルーガー効果 は実在しないかもしれません
心理学者のデビッド・ダニングは、長年コーネル大学で研究を続けている。日々の生活のなかで、また科学的調査のなかで遭遇する無知のすさまじさに衝撃を受け、その大部分を記録してきた。ダニングが懸念を抱くのは、人間の無知の深さではない。無知な人が、自分がどれだけ無知であるかを知らないことだ。「われわれは何を知らないかを知るのが、あまり得意ではない」と指摘する
ダニングによると、問題が生じるのは、自分がどれだけわかっているかを自分の知識によって評価するしかないときだ。あなたはどれほど運転がうまいのか。運転に関する知識が豊富なのであれば、おそらく自分の能力を正当に評価できるだろう。運転に必要な知識が全体としてどれだけあるか、そのうち自分はどれだけ習得しているかをだいたいわかっている。しかし運転が下手な人は、スキルが低いだけでなく、習得すべき運転のスキルがどれほど幅広いものであるかもわかっていない。だから実際よりも自分はうまいのだと思う。
主に田舎道を運転した経験が二〇年あるとする。その間ほとんど事故を起こしたことがなければ、自分はかなり優秀なドライバーだと思っているだろう。それは都市でも、ひどい悪天候でも、ぬかるみや氷の張った道でも、ときには砂浜でもうまく運転できる人がいることを知らないからだ。それほど幅広い運転経験のある人と比べれば、スキルはかなり限定的だ。
専門能力があるというのはスキルがあるだけでなく、スキルがあるとはどういうことかを知っていることを意味する。無知であるというのは、スキルも知識もないことだ。
両者は「ダニング・クルーガー効果」、すなわちパフォーマンスが低い人ほど、自らのスキルを過大評価するという認知バイアスの原因となる。
スキルのない人は自らにどんなスキルが足りないかという知識もない。だから自分はかなりスキルがあると思い込むのだ、と。一方、スキルがある人には、その分野の全体像が見えやすい。だから自分はこのスキルは伸ばす余地がある、というのがわかる。
効果の創造的側面
人類の成し遂げた偉業の多くは、自らの理解度に対する誤った信念によって可能になった。
実際よりも物事をわかっているという錯覚は、自分で自転車やおもちゃの電車を修理したり、庭にポーチをつくったりする(少なくともやってみようとする)原因である。そういうことに手を出すのは、自分が何をしようとしているか、わかっていないからだ。自転車を分解したり、必要な部品を買い集めたりした後でようやく知識が足りないことに気づく。ときには諦めて自転車を自転車屋に持ち込んだり、大工を頼んだりするが、苦労の末にやり通すこともある。やり通せたときには、そもそも挑戦する気にさせてくれた知識の錯覚に感謝しなければならない。
出典