生成文法論への批判
生成文法論への批判 p75
チョムスキーの生成文法論は、やがてその限界が指摘されるでしょう。言語学に大きなセンセーションを巻き起こしたことはすばらしいことだったかもしれませんが、現実の言語の構造は単語の関係、つまり意味的な結びつきにあるのに、生成文法はこの構造については扱っていません。『火』と『燃える』や『赤』や『情熱』とを結びつける意味的なネットワークが言語の本当の中身です。チョムスキーはこのことを扱う試みをまったくしていないので、彼の研究は数年のうちに初歩的なものとみなされるようになるでしょう。その意味ではパタン・ランゲージは生成文法とは違います。パタン・ランゲージは言語構造の最も興味深い部分である意味的な(セマンティック)構造を扱うもので、まだ数人が研究をはじめたばかりです。『火』に『燃える』や『赤』や『情熱』などの単語を結びつける構造は、パタン・ランゲージの中でパタン同士を結びつけている構造とよく似ています。パタン・ランゲージは生成文法というよりもむしろ、いまだに抽象化されていない言語の中心構造に似ています。
関連
出典