面白いもの
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自分固有の話
入り口と出口で、いるところの高さが変わっている
おもしろい人っていうのは「無名の質」に名前をつけるのがうまい人。つまりパターンを見出す能力が高い人。 パターンを見出すというのは、個別に生じているものごとの間に共通の位相を発見するということだ(たとえば、コーヒーカップとドーナツはどちらも「ひとつ穴族」である、など)。無名の質に名前をつける人は、世界をトポロジカルにネットワーク化し、ホリスティックな形を与えてくれる。 おもしろさを伝えるというのは、おもしろい理由や、内容の構成を説明することではないんだよな。そんなことをしたら却っておもしろさは壊れてしまう。おもしろさというのは、いつも「要するに」の外にある。
おもしろい人の話というのは、だいたいものすごく大きな話か、あるいはものすごく小さな話なんだよね。そして両方が中間を経ずに直接重ね合わさっている。パースペクティブが90度傾いていて、水平なものを垂直から、垂直なものを水平から見ている。空間を時間的に、時間を空間的に捉えている。