違いに出会う
なつね 私は、「違いを認めあう」っていうより、違いを認められないこともある、 それをわかった上で「違いに出会うこと」が大事なんじゃないかと思う。 さっきも話したように、 この3日間、 長野に行って他校の人たちと出会うことで、自分の学校を客観的に見直すことができて、短所も長所も見えてきた。 ずっと同じところにいると、その世界しか知らないから、 視野が狭まっちゃう。 違うところに行ったり、違う人と出会ったりするのは、怖いけど、あえてそれを自分からしに行くことで、得られるものがたくさんあるって思った。 / *まほ 「違いに出会う」っていうことは、私も思った。 私は、 お兄ちゃんが重度の身体障害を持っていたから、たぶん、世間の多数の人たちとは違う人たちに出会う世界にいるなーっていうことは、 早くから意識してた。 あと、大人になると、世界が広まるようで、 実は狭くなるなって感じてる。 大学に進学しても、まわりは専攻したいものが同じ人ばかりで、ひとりひとりは違うんだけど、共通点の多い人が集まる。 共通点があまりない人と同じくくりの中にいるっていうのは、本当に幼い時くらいしかないのかなーって思う。根っからの悪人っているの?: 被害と加害のあいだ シリーズ「あいだで考える」 坂上香 30ページ