ソシオメーター
リアリーはこの分野の研究の成果に基づいて、 「自己評価は心の目盛りのようなもの、すなわち絶えずパートナーとしての自分の価値を測定する〈ソシオメーター〉だ」と述べる。 ソシオメーターの針が落ちてくると警告が発せられ、私たちは態度を変えるのだ。社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト ・ 位置1843
他人の意見を気にすると答えた人が、 数字の変化に大きな反応を示したことに驚きはない。 彼らの自己評価は、数字が下降するにつれ下がった。 しかし驚くべきは、 「一匹オオカミ」を自称する人も、ほぼ同程度のショックを受けたことだ。 確かに彼らは、 自己の内なる指針に従っていたのかもしれない。 だがグラウコンが指摘するように、内なる指針は真実を指すのではなく、世間の評判に従うということに気づかなかったのだ。社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト・位置1860
ソシオメーターは 〈象〉 の一部だと見なせる。 他人の意見を気に掛けているような印象を与えてしまうと、 自分を弱く見せることになるため、 私たちは (政治家同様) 世論には何の関心もないかのごとく振る舞うケースが多々ある。 だが実は、 他人が自分をどう考えているかが気になって仕方がないのだ。 ソシオメーターを備えていない人間など、サイコパス以外にはいない* 17。社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト ・ 位置 1867
自ら考えを改めるよりも、 社会的な影響によって変えるケースのほうがはるかに多い。 たとえば、私たちは他人の評価をいつも気にしている。このような影響は、リンク4 (社会的な説得)で示されている。 多くの人は、「私は自分自身の道徳的な指針に従っている」 と考えるが、 人は他人から大きな影響を受け、特に理由や根拠がなくても残酷な行為を受け入れたり 利他的な行為をきまり悪く感じたりするよう誘導され得るという事実を社会心理学者はこれまで何度も示してきた。社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト・位置1201
SNSによる報酬回路強化とかまさにこれ。